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資料1-2 チェストベリー乾燥エキスのリスク区分について (5 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_31510.html |
出典情報 | 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会医薬品等安全対策部会(令和4年度第4回 3/2)《厚生労働省》 |
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別紙1
総合機構に報告した副作用は、「乳癌」の1件であり、本剤の「使用上の注意」に記載のない
「未知」の一作用であった。
本症例はイライラ、怒りっぱぽい、乳房の張りなどの月経前症候群の症状に対して、本剤の服
用が開始された。 開始1ヵ月以内 1箱目服用中) に生理周期の乱れ (正常周期から40日に変
化) が発現したものの、本剤の服用は継続し、翌月には生理の周期は正常に戻っている。
本剤服用から約$ヵ月後、胸のしこりを認めたことから、本剤の服用は中止 (本剤は計3箱
(90錠) 服用) された。 その後、病理検査等により浸潤性乳痛と診断されている。 検査の結果
は、乳交のステージ : !、病気分類 (TNM分類) : Tic、N0、M0。 腫瘍の大きさ : 視触診
2cm、超音波検査1.7 cmであった。患者は乳房 (右) 全摘手術を実施し、ホルモン療法治療を
開始の上、経過和観察されている。
なお、腫瘍の悪性度 (グレード) 定腫瘍の増殖 (成長) 速度、乳癌発症の推定時期等の情報
は得られなかった。
一般的には、乳輝の進行は長期的な過程を辿ると言われている。
浸潤性乳交のサブタイプ全ての平均腫瘍体積倍加時間 (腫瘍の体積が2倍になるのにかかる時
間) (VDT) は282日 (範囲 : 46-749日) であるとの報告があり[1] 、混潤性乳癌の平均滞在
期間は、マンモグラブフィーから了臨床的に検出可能な大きさに増殖 (成長) するまでに約1.7年、
中央値は約1.3年との報告もある [2] 。
さらに、若い女性においては、冶細胞がより活動的で増殖 (成長) 速度が速い可能性がある
が、ある研究では、急激に増殖 (成長) する乳癌でさえ、単一の細胞から発見可能な塊に増殖
(成長) するまでには何年もかかることが示唆されており、Kopansによる乳癌の増殖 (成長)
モデルに基づくと、発症した非浸潤性乳管癌 (DCIS) 細胞が触診可能な2 cmの浸潤性の塊に成
長するのには、高悪性度の癌では10年、中悪性度の癌では20年、低悪性度の癌では30年かかる
と報告されている [3] 。
また、本症例は本剤服用開始約$ヵ月後に早期乳癌 (浸潤性乳癌 : ステージD) と診断されて
いるが、患者は本剤服用時点で乳房の張りから乳房の痛みへの症状の変化を認めている。この
症状の変化については、既に発症していた乳癌の進行に伴う症状の現れであった可能性も考え
られた。
以上より、乳癌発症の推定時期等の見解は得られていないものの、本剤を服用した約$ヵ月の
問に本剤により防癌が発症し、腫瘍が2 cmの大きさまで成長するとは考え難く、乳痛は本剤投
与前から既に発症していたものと考えられたが 、請還清清請請議妥店 (楽剤師) は「本剤
との因果関係は考え難いが、あまりにもタイミングがよすぎるので因果関係が分からない」と
考えられており、処置医も乳癌に対する本剤の影響については「不明」との見解で、薬剤師お
よび処思医ともに本剤との関連性を明確に否定されていないことから、企業としても否定でき
ない症例と評価した。なお、海外においても乳癌の報告例はなく、海外・国内合わせても報告
は本症例の1件のみである。また、子宮癌や卵巣癌の報告もない。
従って、本症例については、本剤服用後に早期乳癌と診断されているものの、本剤との関連
性が明確ではなく、また、現在までの集積が本症例の1件のみであることから、「使用上の注
意」 を改訂するには根拠が不十分なため、措置不要と判断し、今後も同様の症例の集積に努め
ることとした。
引用文献:
[1] FGrnvik et al. Radiat Prot Dosimetry. 2016: 169(1-4):151-137
[2] Michaelson et al.J Womens Imaging. 2003: 5:11-19
|は3] Kopans Daniel B., Breast Imaging. 2006: 3rd Editon, Page 91-92, Lippincott Raven
総合機構に報告した副作用は、「乳癌」の1件であり、本剤の「使用上の注意」に記載のない
「未知」の一作用であった。
本症例はイライラ、怒りっぱぽい、乳房の張りなどの月経前症候群の症状に対して、本剤の服
用が開始された。 開始1ヵ月以内 1箱目服用中) に生理周期の乱れ (正常周期から40日に変
化) が発現したものの、本剤の服用は継続し、翌月には生理の周期は正常に戻っている。
本剤服用から約$ヵ月後、胸のしこりを認めたことから、本剤の服用は中止 (本剤は計3箱
(90錠) 服用) された。 その後、病理検査等により浸潤性乳痛と診断されている。 検査の結果
は、乳交のステージ : !、病気分類 (TNM分類) : Tic、N0、M0。 腫瘍の大きさ : 視触診
2cm、超音波検査1.7 cmであった。患者は乳房 (右) 全摘手術を実施し、ホルモン療法治療を
開始の上、経過和観察されている。
なお、腫瘍の悪性度 (グレード) 定腫瘍の増殖 (成長) 速度、乳癌発症の推定時期等の情報
は得られなかった。
一般的には、乳輝の進行は長期的な過程を辿ると言われている。
浸潤性乳交のサブタイプ全ての平均腫瘍体積倍加時間 (腫瘍の体積が2倍になるのにかかる時
間) (VDT) は282日 (範囲 : 46-749日) であるとの報告があり[1] 、混潤性乳癌の平均滞在
期間は、マンモグラブフィーから了臨床的に検出可能な大きさに増殖 (成長) するまでに約1.7年、
中央値は約1.3年との報告もある [2] 。
さらに、若い女性においては、冶細胞がより活動的で増殖 (成長) 速度が速い可能性がある
が、ある研究では、急激に増殖 (成長) する乳癌でさえ、単一の細胞から発見可能な塊に増殖
(成長) するまでには何年もかかることが示唆されており、Kopansによる乳癌の増殖 (成長)
モデルに基づくと、発症した非浸潤性乳管癌 (DCIS) 細胞が触診可能な2 cmの浸潤性の塊に成
長するのには、高悪性度の癌では10年、中悪性度の癌では20年、低悪性度の癌では30年かかる
と報告されている [3] 。
また、本症例は本剤服用開始約$ヵ月後に早期乳癌 (浸潤性乳癌 : ステージD) と診断されて
いるが、患者は本剤服用時点で乳房の張りから乳房の痛みへの症状の変化を認めている。この
症状の変化については、既に発症していた乳癌の進行に伴う症状の現れであった可能性も考え
られた。
以上より、乳癌発症の推定時期等の見解は得られていないものの、本剤を服用した約$ヵ月の
問に本剤により防癌が発症し、腫瘍が2 cmの大きさまで成長するとは考え難く、乳痛は本剤投
与前から既に発症していたものと考えられたが 、請還清清請請議妥店 (楽剤師) は「本剤
との因果関係は考え難いが、あまりにもタイミングがよすぎるので因果関係が分からない」と
考えられており、処置医も乳癌に対する本剤の影響については「不明」との見解で、薬剤師お
よび処思医ともに本剤との関連性を明確に否定されていないことから、企業としても否定でき
ない症例と評価した。なお、海外においても乳癌の報告例はなく、海外・国内合わせても報告
は本症例の1件のみである。また、子宮癌や卵巣癌の報告もない。
従って、本症例については、本剤服用後に早期乳癌と診断されているものの、本剤との関連
性が明確ではなく、また、現在までの集積が本症例の1件のみであることから、「使用上の注
意」 を改訂するには根拠が不十分なため、措置不要と判断し、今後も同様の症例の集積に努め
ることとした。
引用文献:
[1] FGrnvik et al. Radiat Prot Dosimetry. 2016: 169(1-4):151-137
[2] Michaelson et al.J Womens Imaging. 2003: 5:11-19
|は3] Kopans Daniel B., Breast Imaging. 2006: 3rd Editon, Page 91-92, Lippincott Raven