よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


資料 3 - 3 現行の診断基準等 (1 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_31470.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第50回 3/3)《厚生労働省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

資料3-3

(現行の診断基準等)

120 遺伝性ジストニア
○ 概要
1.概要
ジストニアとは持続性の筋収縮により生じる症状で、一部の患者では筋収縮の持続が短く不規則であっ
たり、間歇的・律動的に観察されることもある。持続性の異常な筋収縮により姿位の異常を来すことが多い。
ジストニアを症候として示す疾患には多々あるが、遺伝性があり、他の神経変性疾患に属さない疾患群を
遺伝性ジストニアと呼ぶ。この群の中には、遺伝子が未だ同定されていない疾患群も多々あるが、ここでは
遺伝性ジストニアのうち原因遺伝子が同定されている疾患群を扱う。遺伝性ジストニアは、遺伝子の異常に
よりジストニア症状を含む様々な症状を来す疾患で、DYT シリーズに属する群と金属代謝に関連する NBIA
シリーズに属する疾患が多くを占める。
遺伝性ジストニアの多くは幼児から成年期(遅くても 30 歳代)に発症し、四肢、体幹、頭頸部のいずれか
にジストニアを認める。ジストニアは進行性に症状の増悪や姿位の異常を来し、歩行障害、起立障害、座位
障害を来す。疾患によっては他の不随意運動-例えば振戦、舞踏運動、ミオクローヌスなどを同時に示す
ことがある。また、精神発達遅滞や知的機能減退を示すこともある。遺伝性ジストニアの多くは進行性の病
態を示し、発症要因については未解明な部分が多い。一般に、予後は不良であるが、疾患によっては対症
療法によって症状の一部が軽快又は緩解する場合もある。この場合にも継続治療と適切な対症療法が必
要である。
厚生労働科学研究班及び国立精神・神経センター委託研究による研究班によれば、遺伝性ジストニアと
診断された症例は全国で約 500 人である。また、NBI シリーズに関する調査では NBI に罹患している症例数
は 100 例未満である。
2.原因
遺伝性ジストニアの原因遺伝子については、DYT シリーズでは約半数で病因遺伝子が同定され、NBIA
シリーズは全ての病因遺伝子が同定されている。遺伝様式は DYT シリーズでは常染色体優性、常染色体
劣性、伴性劣性遺伝様式を示す疾患など多様である。NBIA シリーズの多くは常染色体劣性遺伝様式を示
すが、NBIA5(BPAN)は伴性優性遺伝様式を示す。原因遺伝子は同定されているものの、発症機構につい
ては未解明の部分が多い。
3.症状
ジストニアは運動障害の一つで、持続性又は反復性の筋緊張のために、顔面・頭頚部、四肢・体
幹筋の定型的な肢位・姿勢の異常や不随意運動を生じ、このため随意運動が障害される。症状の分
布により、局所性・分節性・全身性に分けられる。また、発作性にジストニアが発現したり、ミオ
クローヌスを伴うものやパーキンソニズムを伴うものもある。特定の動作に随伴してジストニアは
発現する傾向があり、特定の感覚的刺激によって症状が軽減する感覚トリックが認められることが
多い。また、音楽家や理容師、タイピスト、スポーツ選手など、特定の職業動作に伴って出現する
ことがある。
遺伝性ジストニアにはジストニアのみを呈する群とジストニア以外の症状も示す群、何らかの誘

- 1-