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資料 3 - 3 現行の診断基準等 (8 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_31470.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第50回 3/3)《厚生労働省》
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<DYT1 ジストニア>
1.診断指針
(1)遺伝様式:常染色体優性(遺伝子座 9q34、遺伝子 DYT1=Tor1A、遺伝子産物 torsinA)
(2)発症年齢:小児期。20 歳以上はまれである。
(3)神経所見:全身性ジストニアが多い。
上肢あるいは下肢に始まり、下肢発症型の方が全身性に進行しやすい。
局所性ジストニアにとどまり、全身性とならないこともある。
(4)臨床検査所見:画像検査では異常を認めない。
(5)鑑別診断:ジストニアを示す他の一次性、二次性ジストニア
(6)Definite(確定診断):DYT1 遺伝子での GAG 欠失を検出する。浸透率が低いので、他の疾患を除外で
きることが必要である。
(7)参考事項:一次性全身性ジストニア(捻転ジストニア)の代表的疾患である。若年発症のジストニアでは
瀬川病と共に第一に疑う。局所性ジストニア、成人発症などの報告もある。DYT1 遺伝子の浸
透率は 30%とされる。DYT1 遺伝子での GAG 欠失の検出は比較的容易である。
2.疾患概念
第9染色体 9q34 にある DYT1 遺伝子変異による常染色体優性遺伝性、若年発症の一次性全身性ジストニ
アである。DYT1 遺伝子産物は torsinA タンパクで、DYT1 ジストニアでは野生型 torsinA の 302、303 番の2個
の連続するグルタミン酸が1個になっている。
3.疫学
我が国の疫学調査の結果から全国で 100 人未満と推定できる。
症状:平均発症年齢は約 12 歳である。29 歳以後の発症はまれである。90~95%の症例でジストニアが下
肢か腕に始まり、次いで他の身体部分に広がる。下肢に始まる症例の方が上肢で始まるものより若
年発症の傾向があり、全身型に移行する可能性が高く、進行も早い。一般に5~10 年間進行する。
進行により罹患部位の変形を来す。頸部ジストニアでは屈曲、捻転が見られる。瞬間的な頭部の動
きを伴うこともある。上半身では捻転運動、異常姿勢により著明な屈曲を来す。脊椎側弯症、後弯症、
骨盤捻転が生じる。歩行困難から歩行不能になる例もある。知能は正常である。高齢発症、局所性
ジストニアにとどまるもの、外傷など誘因があるもの、球症状で始まるものなど変異が大きい。最近も
さまざまな非典型例が注目されている。
4.病型
上肢型:書痙などで始まり、周辺に広がる。反対側にも生じ、やがて上半身、頸部にひろがる。
下肢型:歩行異常で始まり、内反尖足など異常肢位をとる。体幹にひろがって屈曲、捻転を生じる。
3~26 歳に症状発現の”window“があり、上肢か下肢のジストニアを生じる。65%はその後5~10 年で進
行して全身性か多巣性になる。残り 10%は分節性で、25%が局所性にとどまる。部位から言うと上肢が最
多で 95%以上である。ジストニア運動も突発的であったり振戦であったり、ミオクローヌス・ジストニア様であ
ったりする。体幹・頸部は 25~35%、頭部は 15~20%で少ないのが特徴である。
5.検査所見
形態的な画像所見は正常である。FDG-PET では、前補足運動野(6野)、頭頂皮質(40/7野)、被殻、帯
状回(24/32 野)、小脳皮質で代謝の亢進が見られた。

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