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資料 3 - 3 現行の診断基準等 (18 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_31470.html |
出典情報 | 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第50回 3/3)《厚生労働省》 |
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神経病理学的検討からは鉄はミクログリアに主として集積し、神経細胞の一部にも見られる。細胞外鉄枕
着は血管周囲で顕著である。PKAN では鉄濃度上昇は淡蒼球と黒質で見られるが、他の部位ではあきらかで
はない。神経細胞脱落、グリオーシス、二次性脱随は淡蒼球と黒質で著明である。軸索のスフェロイドも顕著
である。セロイドリポフスチンとニューロメラニンも細胞内に集積する。
7.治療
(1)有効な治療はない。
(2)ジストニアに対してボツリヌス(筋注)、バクロフェン(経口及び髄注)やトリヘキシフェニジール(経口)が
有用である。
(3)パーキンソニズムは一般に L-DOPA は無効である。
(4)GPi-DBS が有用との報告もある。
(5)ジストニアによる二次性の障害である口頬舌ジストニアによる咬舌予防の装具や、栄養管理が必要であ
る。
<乳児神経軸索ジストロフィー(Infantile neuroaxonal dystrophy:INAD)、NBIA2>
1.診断指針
(1)遺伝様式:常染色体劣性(遺伝子座 22q13.1、原因遺伝子 PLA2G6(phospholipase A2、group VI)
INAD の 79%の症例で同定された。)
MIM ID #256600
(2)発症年齢:classical type:1歳(5か月~2.5 歳)、atypical type:4.4 歳(1.5~6.5 歳)
(3)頻度:1/1,000,000
2.臨床症状
進行性の精神症状、低緊張、深部反射亢進、四肢麻痺を示す。
Classical type では精神運動退行と体幹の低緊張、進行性の四肢麻痺を生後6か月から3年の間に示す。
多くの症例では次第に痙性四肢麻痺となるが、1/3 の症例では反射消失性の脱力のままである。全例でジス
トニア、痙縮、球症状、小脳症状を認める。発症後5年くらいまで歩行可能であることが多い。約半数で失調
性のあるいは他の要因による歩行障害を示し、視神経症状(視神経萎縮、斜視、眼振など)を認める。1/3 の
症例ではてんかん発作を認める。平均死亡年齢は 9.4 歳である。
Atypical type の発症時期は classical type よりおそく 10 代が多い。主症状は不安定さ、失調性歩行障害で
ある。言語発達は遅れ、社会的な意思疎通はできない。視神経萎縮、眼振、痙攣発作は classical type と同様
であるが、体幹の低緊張は見られない。
Karak 症候群は、臨床像として早期発症小脳失調、ジストニア、痙縮、知能低下があり、MRI で小脳萎縮、
淡蒼球と黒質に鉄枕着を認めるヨルダンの家系として報告されたが、PLA2G6 遺伝子変異が同定されたため、
INAD に含まれることになった。
3.検査所見
筋電図検査で脱神経所見、脳波検査で速波を認めるが、神経伝導速度低下は 1/3 に認めるのみである。
MRI 画像では 95%の症例で小脳萎縮、50%の症例で淡蒼球、黒質に鉄の沈着を認める。小脳のグリオー
シスに対応して T2 強調画像で小脳の高輝度を認める。また、脳梁、大脳白質で異常を認める頻度が高い。
Atypical type の MRI 像では小脳萎縮は 83%の症例に留まり、淡蒼球や黒質の鉄沈着が目立つ。
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着は血管周囲で顕著である。PKAN では鉄濃度上昇は淡蒼球と黒質で見られるが、他の部位ではあきらかで
はない。神経細胞脱落、グリオーシス、二次性脱随は淡蒼球と黒質で著明である。軸索のスフェロイドも顕著
である。セロイドリポフスチンとニューロメラニンも細胞内に集積する。
7.治療
(1)有効な治療はない。
(2)ジストニアに対してボツリヌス(筋注)、バクロフェン(経口及び髄注)やトリヘキシフェニジール(経口)が
有用である。
(3)パーキンソニズムは一般に L-DOPA は無効である。
(4)GPi-DBS が有用との報告もある。
(5)ジストニアによる二次性の障害である口頬舌ジストニアによる咬舌予防の装具や、栄養管理が必要であ
る。
<乳児神経軸索ジストロフィー(Infantile neuroaxonal dystrophy:INAD)、NBIA2>
1.診断指針
(1)遺伝様式:常染色体劣性(遺伝子座 22q13.1、原因遺伝子 PLA2G6(phospholipase A2、group VI)
INAD の 79%の症例で同定された。)
MIM ID #256600
(2)発症年齢:classical type:1歳(5か月~2.5 歳)、atypical type:4.4 歳(1.5~6.5 歳)
(3)頻度:1/1,000,000
2.臨床症状
進行性の精神症状、低緊張、深部反射亢進、四肢麻痺を示す。
Classical type では精神運動退行と体幹の低緊張、進行性の四肢麻痺を生後6か月から3年の間に示す。
多くの症例では次第に痙性四肢麻痺となるが、1/3 の症例では反射消失性の脱力のままである。全例でジス
トニア、痙縮、球症状、小脳症状を認める。発症後5年くらいまで歩行可能であることが多い。約半数で失調
性のあるいは他の要因による歩行障害を示し、視神経症状(視神経萎縮、斜視、眼振など)を認める。1/3 の
症例ではてんかん発作を認める。平均死亡年齢は 9.4 歳である。
Atypical type の発症時期は classical type よりおそく 10 代が多い。主症状は不安定さ、失調性歩行障害で
ある。言語発達は遅れ、社会的な意思疎通はできない。視神経萎縮、眼振、痙攣発作は classical type と同様
であるが、体幹の低緊張は見られない。
Karak 症候群は、臨床像として早期発症小脳失調、ジストニア、痙縮、知能低下があり、MRI で小脳萎縮、
淡蒼球と黒質に鉄枕着を認めるヨルダンの家系として報告されたが、PLA2G6 遺伝子変異が同定されたため、
INAD に含まれることになった。
3.検査所見
筋電図検査で脱神経所見、脳波検査で速波を認めるが、神経伝導速度低下は 1/3 に認めるのみである。
MRI 画像では 95%の症例で小脳萎縮、50%の症例で淡蒼球、黒質に鉄の沈着を認める。小脳のグリオー
シスに対応して T2 強調画像で小脳の高輝度を認める。また、脳梁、大脳白質で異常を認める頻度が高い。
Atypical type の MRI 像では小脳萎縮は 83%の症例に留まり、淡蒼球や黒質の鉄沈着が目立つ。
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