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資料 3 - 3 現行の診断基準等 (21 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_31470.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第50回 3/3)《厚生労働省》
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ストレスで誘導される。)を発現し、脂質酸化物(4-hydroxy-nonenal)の集積をもたらす。組織学的に被殻では
caspase-3 と p53 の発現増強がみられ、アポトーシスによる神経細胞死が誘導されていることが示されている。
同時にミトコンドリアの枯渇も見られるため、ミトコンドリアでの酸化的ストレスによる鉄沈着、次いでミトコンド
リア障害、これによりアポトーシスが生じると考えられる。
5.治療
(1)有効な治療はない。
(2)鉄キレート剤は無効
(3)ジストニアに対してベンゾジアゼピンやボツリヌム注射は有用
(4)舞踏運動は抗精神病薬や抗コリン薬が有効
(5)脳深部刺激(DBS)は1例報告があり無効
(6)パーキンソニズムに対して L-DOPA は無効
6.鑑別診断
(1)ハンチントン病(Huntington disease)、SCA17
(2)DYT1 ジストニア(dystonia)
(3)Choreoacanthocytosis、McLeod 症候群
(4)SCA2、3
(5)若年性パーキンソニズム
<無セルロプラスミン血症(Aceruloplaminemia (Hereditary ceruloplasmin deficiency):NBIA4)>
1.診断指針
(1)遺伝様式:常染色体劣性(遺伝子座 3q23-q24、原因遺伝子 CP、
遺伝子産物 セルロプラスミン(ceruloplasmin)
変異はホモ接合体とヘテロ接合体があり、ほとんどが複合ヘテロ接合体
MIM ID #604290)
(2)発症年齢:成人発症 平均 51 歳(16~72 歳)
(3)頻度:5000 人、1/2,000,000 人(日本)
2.臨床症状
無セルロプラスミン血症(Aceruloplasminemia)は鉄が脳と内臓に蓄積する疾患である。3主徴として糖尿病
(神経所見に 10 年以上先行することがある)、網膜症、神経症状が挙げられる。神経症状としては認知障害、
頭部顔面ジスキネジア、顔面頸部のジストニア、小脳失調が多くの症例で見られる。舞踏運動、パーキンソニ
ズムも頻度が高い。糖尿病発症前に貧血が先行することもある。精神症状としてはうつ、認知障害があり、50
歳以上で見られる。網膜変性症は宮島らによれば 93%の症例で見られるが、視力は保たれる。
ヘテロ接合体の報告例は5症例あり、糖尿病はない。神経所見は様々で小脳失調、姿勢時振戦、舞踏運
動-アテトーシスの報告がある。創始者とも思われる家族には神経症状ありとの報告はない。
3.検査所見
ホモ接合体では血清セルロプラスミンはなく、フェリチン濃度が上昇(正常の 12 倍程度)をみる。血清セルロ
プラスミン、フェロキシダーゼ活性は無く、小球性貧血を認める。
血清銅(10µg/dL 以下)、鉄濃度(45µg/dL 以下)は低下する。フェリチン濃度(850ng/mL)は増加。肝臓の鉄

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