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資料 3 - 3 現行の診断基準等 (15 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_31470.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第50回 3/3)《厚生労働省》
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(5)遺伝子検査:遺伝子変異:ATP1A3、遺伝子産物:Na+/K+ transporting ATPase alpha-3chain、遺伝子
座:19q13
(6)鑑別診断:もやもや病、ミトコンドリア病(MELAS、PDHC 異常症など)、てんかん(トッド(Todd)麻痺)、片
麻痺性片頭痛、グルコース・トランスポーター1異常症、芳香族 L-アミノ酸脱炭酸酵素欠損症、
その他の先天性代謝異常症(ホモシスチン尿症、ハルトナップ病など)
(7)Definite(確定診断):遺伝子検査で遺伝子変異が同定されたもの。
(8)参考事項:家系内に不全型の症例が見られることが報告されている。
2.疾患の概要
優性遺伝のジストニア・パーキンソン症候群を示し、特徴的な急性発症経過をとる。Brashear らは 36 例の

ATP1A3 変異の見られる症例を解析した。9家系で7種の変異があり4家系は同一変異である。5家系では発
症者は1名で、T613M では de novo 変異も見られ、ハプロタイプ解析からは互いに関連がないとされた。発症
年齢は8歳から 55 歳で 10 代 20 代に多い。平均 22 歳。急激な発症前には手と腕の軽いジストニアを見ること
もある。発症は常に急激で、2~3分から 30 日で完成し、肉体的なあるいは心理的なストレスの後に起こるこ
とが多い。多くは進行も回復もしないが、2回目の増悪を経験することもある。球症状は特徴的で構語障害と
小声になり、嚥下障害を伴う。ジストニアは全身性、分節性で顔面>上肢>下肢の勾配がある。パーキンソン
症状は無動と姿勢保持障害である。抗パーキンソン病薬には反応しない。うつ状態、統合失調症的性格、て
んかん発作も見られる。
<DYT18 ジストニア、発作性労作誘発性ジスキネジア(PED)>
1.診断指針
(1)遺伝様式:常染色体優性(遺伝子座 1p35-p31.3、遺伝子 SLC2A1、遺伝子産物 GLUT1)
(2)発症年齢:小児期
(3)神経所見:運動練習、持続的な運動、特に歩行の後で不随意運動がおこる。ジストニア、コレオアテトー
シス、バリズムなどを生じる。5分から 30 分の発作を1日に1回~1月に1回繰り返す。
(4)その他の症状:てんかん発作を伴うものが多い。
(5)臨床検査所見:MRI で多系統萎縮症様の被殻尾側の異常所見。FDG-PET で異常側視床の取り込み
低下。
(6)鑑別診断:発作性ジスキネジアとして鑑別する。DYT8-10、18-20 の遺伝子座が確定している。
(7)Definite(確定診断):運動練習誘発性のジスキネジアで SLC2A1 にヘテロの変異が見られる。
(8)参考事項:誘発要因としては運動練習のほか、長い書字、空腹、ストレスなどがある。GLUT1 欠乏症候
群は対立遺伝子疾患で PED と同じく SLC2A1 のヘテロ変異があり、乳児発症の痙攣発作と精
神運動発達遅滞を来す重症型である。
2.疾患の概要
運動練習で誘発されるジスキネジアで、ジスキネジア発作の長さなどが PKD と PNKD の中間であることが
特徴とされた。
遺伝子異常は 2008 年 Weber らが溶血性貧血を伴う PED で GLUT1(glucose transporter 1)の欠失ヘテロ
変異(Q282-S285del)を見出した。3代4例(男性3例女性1例)発症の家系で、てんかん、軽度の発達遅滞、
髄液グルコース値低下、有棘赤血球を伴う溶血性貧血、赤血球内鉄含有量低下を伴っていた。PED の病因

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