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資料 3 - 3 現行の診断基準等 (14 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_31470.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第50回 3/3)《厚生労働省》
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(1)遺伝様式:常染色体優性(遺伝子座 19q13、遺伝子 ATP1A3、遺伝子産物 ATP1A3)
(2)発症年齢:14~45 歳
(3)神経所見:急性に発症する。2~3分から1か月で症状は完成し以後ほとんど進行しない。ジストニアと
パーキンソン症状を示す。ジストニアは顔面口部に強い。パーキンソン症状は無動、姿勢反
応障害を示す。
(4)その他の症状:精神科的異常を伴うことが多い。
(5)臨床検査所見:特に異常ない
(6)鑑別診断:急性発症ジストニア・パーキンソニズムとして鑑別する。
(7)Definite(確定診断):急性発症でほぼ停止性のジストニア・パーキンソニズムを示し、ATP1A3 に変異を
認める。
(8)参考事項:ジストニアは顔面口部に強く DYT1、DYT5 と反対の勾配を示す。パーキンソン症状として振戦
は報告されていない。常染色体優性遺伝であるが不完全浸透である。家族発症は必ずしも示
さない。
【AHC】
(1)遺伝様式:常染色体優性遺伝様式
(2)発症年齢:乳児期~幼児期(18 か月以前)
(3)神経所見:発作性反復性の片麻痺発作で(弛緩性、痙性、ジストニア姿勢を含む。)発症する。四肢麻痺
発作の場合もある。麻痺側は一定せず交互性である。麻痺の程度は様々で発作は通常数分
又は数時間であるが、数日持続する症例も見られる。ジストニア姿位やコレオアテトーシス、
眼球運動異常(眼振、非対称性眼転位、斜視など)、自律神経症状(発汗、皮膚紅潮又は蒼
白、呼吸不全など)を認める。発達障害、進行性の認知症状を随伴することが多い。睡眠で症
状は消失する。てんかん発作を伴う症例も報告されている。家系内に軽症の AHC を認める事
もある。
(4)臨床検査所見:画像所見を含め、特記する事項はない。
(5)遺伝子検査:遺伝子変異:ATP1A3、遺伝子産物:Na+/K+ transporting ATPase alpha-3chain、遺伝子
座:19q13
(6)鑑別診断:もやもや病、ミトコンドリア病(MELAS、PDHC 異常症など)、てんかん(トッド(Todd)麻痺)、片
麻痺性片頭痛、グルコース・トランスポーター1異常症、芳香族 L-アミノ酸脱炭酸酵素欠損症、
その他の先天性代謝異常症(ホモシスチン尿症、ハルトナップ病など)
(7)Definite(確定診断):遺伝子検査で遺伝子変異が同定されたもの。
【CAPOS】
(1)遺伝様式:常染色体優性遺伝様式
(2)発症年齢:乳児期~小児期
(3)神経所見:発作性反復性に CAPOS が発熱とともに見られる。発作は数日持続し、経過とともに症状は
軽快・消失する。神経症状は緩徐進行性に増悪し、歩行障害、四肢失調、視力障害、難聴と
なる。嚥下困難も認められる。認知機能は保たれる。
(4)臨床検査所見:MRI 画像には異常を認めない。

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