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資料 3 - 3 現行の診断基準等 (28 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_31470.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第50回 3/3)《厚生労働省》
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<診断基準>
Definite を対象とする。
概念
神経フェリチン症は、フェリチン軽鎖遺伝子変異により、変異フェリチンと正常フェリチンからなる封入体が、神
経細胞やグリア細胞を中心に蓄積し、不随意運動などの錐体外路症候、小脳失調、錐体路徴候、認知機能障
害を長期にわたり認める疾患である。頭部 MRI で両側大脳基底核の変性所見(特に嚢胞性変化)が特徴的であ
る。
臨床症候
1.ジストニア及び不随意運動(コレア、振戦、アテトーゼ)などの錐体外路症候を主体とする。
2.小脳失調、錐体路徴候、認知機能障害、精神症状や、時に自律神経症候を認めることがある。
3.10 歳代から 60 歳代で発症する(10 歳未満で発症の報告はない。)。
4.症状は数十年にわたり緩徐に進行し、様々な程度で出現する。
5.一般に常染色体優性遺伝形式をとるが、家族歴が明らかでない場合がある。
(参考)血清フェリチン値の低下を指摘する報告もある。
画像診断
1.頭部 MRI の T2 強調画像や T2*強調画像において鉄沈着を反映する低信号が淡蒼球、被殻、視床、歯状
核、黒質、赤核、大脳皮質などに広範に認められる。
2.両側大脳基底核に認められる脳脊髄液にほぼ等しい信号強度を示す空洞形成(嚢胞性変化)は、本症に
かなり特徴的である。
3.T2 強調画像や T2*強調画像において、淡蒼球の低信号の内部に高信号をみるいわゆる eye-of-the-tiger
徴候を認めることもあるが、パントテン酸キナーゼ関連神経変性症など他の鉄沈着を伴う神経変性疾患に
も認められ、また正常加齢においても類似の所見が見られることがあるので慎重な評価が必要である。
4.鉄沈着による低信号は、T2 強調画像よりも T2*強調画像、磁化率強調画像の方が明瞭となることが多く、
本症を疑う場合は積極的に撮影することが推奨される。
病理診断
基底核において神経細胞、グリア細胞の細胞質や核内にフェリチンの沈着による封入体を認める。それ以外
に、大脳や小脳の皮質、白質にも同様の所見を認める。
遺伝子診断
フェリチン軽鎖遺伝子変異を確認することで Definite とする。

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