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医薬品の迅速・安定供給実現に向けた総合対策に関する有識者検討会 報告書 (16 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_33548.html
出典情報 医薬品の迅速・安定供給実現に向けた総合対策に関する有識者検討会 報告書の公表について(6/9)《厚生労働省》
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患 者 団 体 と し て 、 新薬 開 発 に 積 極 的 に 協 力 し た い と 考 え て い る が 、 治 験 の 情 報が
患者に届いていないことが問題。既に整備されている厚生労働省のデータベース
(jRCT 3 2 )の情報は専門家向けであり、一般の患者は理解するのが難しい。



ド ラ ッ グ ・ ロ ス の 問題 に 関 し 、 各 関 係 者 が ば ら ば ら に 対 応 し て い る 印 象 を 抱 いて
い る。 国 内 の 治 験 実 施 数 を 倍 増 さ せ る に は 患 者 の 協 力 を ど う す る の か な ど 、 患 者 側
も含めて関係者全員で考える場を速やかにつくる必要がある。

1.2.3

薬価基準制度上の課題

(原価計算方式による課題)


新薬の薬価は 、類似薬効比較方式 3 3 又は原価計算方式 3 4 により算定さ れ、医薬 品 の革
新性及び有用性については、薬価に補正加算 3 5 を行うことで評価がなされる。



革新的な医薬品の多くは原価計算方式が採用されるが、当該方式は、価格設定の根拠
となる 費 用 に 係 る 情 報 が必 要 と な り 、 現 状 で は 、 そ の 多 く が 海 外 企 業 の 開 発 品 で ある
ことから、原価開示度 3 6 が極めて低くなるケースが多く、価格設定の透明性に対する課
題が指摘されている。



一方で、海外のベンチャー企業が革新的新薬の主な担い手になり、水平分業による医
薬品開 発 が 広 が る な ど 、創 薬 環 境 が 複 雑 化 し 原 価 の 算 出 が 困 難 に な っ て い る 現 在 にお
いては、原価計算方式において透明性を求めることに限界があると指摘されている。



また、原価計算方式については、当該品目の研究開発費用は計上されているものの、
創薬に 係 る リ ス ク 負 担 が十 分 に 考 慮 さ れ て い な い と い っ た 算 定 に 係 る 課 題 も 指 摘 され
ている。

(補正加算の妥当性)


医薬品の革新性及び有用性については、現行の薬価制度上は補正加算という形で評価
が行わ れ て い る 。 補 正 加算 に つ い て は 、 適 用 の 要 件 や 定 量 的 評 価 の 指 標 が 定 め ら れて

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33

34

35

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臨床研究データベース「jRCT(Japan Registry of Clinical Tria ls )」
市 場 での 公 正 な 競 争を 確 保 す る 観点 か ら 、 新 薬の 1 日 薬 価 を類 似 性 が 最 も高 い 類 似 薬 (最 類 似 薬 )
の1日薬価に合わせる形で算定。
薬 価 算定 単 位 あ た りの 製 造 ( 輸 入) 原 価 に 、 販売 費 及 び 一 般管 理 費 、 営 業利 益 、 流 通 経費 並 び に 消
費税を加えた額で薬価を算定。
客 観 的に 評 価 さ れ たデ ー タ ( 承 認審 査 で 用 い られ た 臨 床 試 験成 績 等 ) に 基づ き 、 医 薬 品の 有 用 性 等
の 程度 に より 、 画 期 性 加 算 ( 70 %~ 120 % )、有 用 性 加 算( Ⅰ )(35 ~ 6 0 %)、 有 用 性加 算( Ⅱ )(5 ~
30%)により評 価を行う。市場規模が小さいが医療上の必要性が高い医薬品については、画期性加 算
や 有 用 性 加 算 と は 別 に 、 市 場 性 加 算 Ⅰ ・ Ⅱ ( 5 ~ 20 % )、 特 定 用 途 加 算 ( 5 ~ 2 0 % )、 小 児 加 算 ( 5 ~
20%)により評 価を行う。世界に先駆けて日本で承認を取得した先駆的医薬品については、先駆加 算
(10 ~20 %)により評価を行う。
原 価 計 算 方式 に お い ては 、 製 品 総原 価 の う ち 、薬 価 算 定 組 織で の 開 示 が 可能 な 部 分 の 割合 ( 開 示 度 )
に応じて加算係数を設定し、補正加算の加算率に差を設けている。
具体的には、開示度が 80%以上であれば加算係数 1.0、50~80%であれば 0 . 6、50 %未満であれば
0 となる。

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