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医薬品の迅速・安定供給実現に向けた総合対策に関する有識者検討会 報告書 (4 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_33548.html
出典情報 医薬品の迅速・安定供給実現に向けた総合対策に関する有識者検討会 報告書の公表について(6/9)《厚生労働省》
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第1章
1.1


医薬品産業を取り巻く現下の諸課題

足下で顕在化している供給不安

医薬品は、国民の健康及び生命を守る重要な物資であり、その供給が途絶えてしまう
ことは 、 国 民 生 活 に 重 大な 影 響 を 及 ぼ し か ね な い 。 日 本 で は 、 こ れ ま で 、 品 質 の 確保
された 医 薬 品 が 、 安 定 的に 供 給 さ れ て き た 。 し か し な が ら 、 近 年 に な っ て 、 日 本 にお
いて医薬品は安定的に供給されるという『神話』は、崩壊の危機に瀕している。



日本製薬団体連合会の調査によれば、令和4年(2022 年)8月末現在、医薬品全体
の 28.2%に当たる 4,234 品目が出荷停止又は限定出荷 2 の状況にある。内訳をみると、
先発品(長期収載品を含む。)が 300 品目(約7%)であるのに対し、後発品は 3,808
品目(約 90%)、と後発品を中心として、医薬品全体に少なからず影響が及んでいる状
況にある(後発品の全品目 9,292 品目のうち、約 41%が出荷停止等となっている)。



しかも、経年変化でみると、この供給不安の状況については、改善するどころか、令
和3年(2021 年)8月末時点から、出荷停止又は限定出荷となっている状況が継続し
ており 3 、国民の医薬 品へのアクセスという観点 からは極めて深刻な事態 となっている。



現下の供給不安の背景には様々な要素や要因があると考えられるが、大きくは、後発
品の産業構造 上の課題 、薬価基準制 度上の課 題、そしてサ プライチ ェーン 4 上の課題が
考えられる。これらに加え、令和2年(2020 年)からの新型コロナウイルス感染症の
感染拡 大 に よ る 一 部 の 医薬 品 へ の 需 要 増 加 が 供 給 不 安 に 拍 車 を か け た と 考 え ら れ る。
各課題 は 相 互 に 関 係 し てお り 供 給 不 安 の 原 因 を 複 雑 化 し て い る が 、 以 下 に お い て 、そ
れぞれの課題について詳述する。

1.1.1


後発品産業構造上の課題

現在足下で広がっている医療用医薬品の供給不安は、令和3年(2021 年)2月に実
施され た 小 林 化 工 株 式 会社 の 医 薬 品 、 医 療 機 器 等 の 品 質 、 有 効 性 及 び 安 全 性 の 確 保等
に関する法律(以下「薬機法 」という。)違 反への行政処分以降、後発品企業による薬
機法違 反 が 相 次 ぎ 発 生 し、 こ れ に 伴 い 違 反 企 業 の 製 品 に つ い て 出 荷 停 止 が 行 わ れ たこ
とが端緒となっている。



この一連の行政処分については、各企業における誤ったガバナンスや不十分な教育、
過度な 出 荷 優 先 の 姿 勢 、バ ラ ン ス を 欠 い た 人 員 配 置 な ど が 、 製 造 管 理 及 び 品 質 管 理上
の管理 不 備 や コ ン プ ラ イア ン ス 違 反 に つ な が っ た こ と が 直 接 的 な 原 因 と 指 摘 さ れ てい
る。

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新規受注の制限や、受注量の抑制を通して出荷量を調整すること。
令和4年(2022 年)8月末時点では、医薬品全体 15,036 品目のうち、2 8. 2 %に当たる 4 ,2 34 品目
が欠品・出荷停止又は限定出荷の状況にあった。内訳をみると、後発品 9, 29 2 品目のうち、3 ,8 0 8 品
目(約 4 1.0%)、先発品(長期収載品を含む)4,689 品目のうち、300 品目(約 6.4 %)、それぞれ欠
品・出荷停止又は限定出荷の状況にあった。
原材料などの調達、生産、在庫管理、配送、販売、消費までのプロセス全体を指す。

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