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医薬品の迅速・安定供給実現に向けた総合対策に関する有識者検討会 報告書 (19 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_33548.html
出典情報 医薬品の迅速・安定供給実現に向けた総合対策に関する有識者検討会 報告書の公表について(6/9)《厚生労働省》
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とって 、 投 資 コ ス ト 回 収の 見 込 み が 立 た な い リ ス ク に つ な が り 、 日 本 へ の 上 市 の 魅力
を低下させている懸念も指摘されている。
(外国平均価格調整)


外国平均価格調整により薬価引上げを行うルールがあるのは、新規収載時のみである
ため、 特 に 革 新 性 が 高 く原 価 計 算 方 式 に よ り 算 定 さ れ る よ う な 医 薬 品 に つ い て は 、海
外複数 国 で 上 市 し た 後 に日 本 で 薬 価 収 載 す る 方 が 、 外 国 引 上 げ 調 整 に よ り 高 い 薬 価を
算定さ れ る 可 能 性 が 高 い。 そ の た め 、 世 界 に 先 駆 け て 開 発 さ れ た 新 薬 で あ っ て も 、日
本より海外で先に上市することを助長するとの指摘もある。

(薬価制度改革の頻度)


新薬の薬価収載に関しては、原則として、薬事承認を受けた医薬品は薬価収載される
が、企 業 は 上 市 判 断 時 (概 ね 第 3 相 臨 床 試 験 結 果 の 判 明 時 ) ま で に 、 複 数 回 、 投 資に
対する利益回収の可能性を予測し、研究開発の継続と上市の可否を検討している。



しかし、薬価改定の際には、イノベーションの推進と国民皆保険の持続性を両立する
観点等 か ら 薬 価 制 度 の 見直 し が 行 わ れ る が 、 企 業 経 営 に 大 き な 影 響 を 与 え る よ う な薬
価制度 改 革 が 頻 回 に 行 われ る と 、 不 確 実 性 が 増 大 し 、 当 初 計 画 し て い た 投 資 コ ス ト回
収が困 難 と な る リ ス ク が高 く な る 。 そ の 結 果 と し て 、 日 本 市 場 は リ ス ク が 高 い と して
医薬品の開発が先送りにされる、あるいは他国での開発が優先されるおそれがある。



また、仮に投資コスト回収に要する期間が延長した場合、企業は投資コストを早期回
収する た め 、 後 発 品 が 上市 さ れ た 後 も 特 許 満 了 後 の 新 薬 の 販 売 を 継 続 す る こ と が 必要
となり 、 結 果 と し て 長 期収 載 品 に よ る 利 益 へ の 依 存 を 誘 導 す る 一 因 と な る こ と が 懸念
される。

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