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医薬品の迅速・安定供給実現に向けた総合対策に関する有識者検討会 報告書 (22 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_33548.html |
出典情報 | 医薬品の迅速・安定供給実現に向けた総合対策に関する有識者検討会 報告書の公表について(6/9)《厚生労働省》 |
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②
薬 価 差 を 得 る こ と を目 的 と し た 値 下 げ 交 渉 や 販 路 拡 大 の た め の 値 下 げ 販 売 に より
発生していると考えられるもの。
○
ここで問題となるのは、上記の②において、適切な流通取引を阻む過度な薬価差が発
生している場合である。
○
薬価差を得ることを目的とした値下げ交渉の背景には、薬価差が医療機関等の経営原
資となっていることが挙げられる。
○
近年では、チェーン薬局や価格交渉を代行する業者が大規模化することで価格交渉力
を強め る と と も に 、 全 国の 取 引 価 格 を デ ー タ 化 し ベ ン チ マ ー ク を 用 い た 価 格 交 渉 が常
態化し 、 一 部 の 医 療 機 関や 薬 局 は こ れ を 利 用 し て 値 引 き 交 渉 す る な ど 、 薬 価 差 を 得る
ことを 目 的 と し た 取 引 が増 え て い る 。 こ れ ら に よ り 、 過 度 な 薬 価 差 が 発 生 し て お り、
こうし た 取 引 の 一 部 で は、 他 の 医 療 機 関 等 よ り も 薬 価 の 乖 離 幅 が 拡 大 し 、 結 果 と して
「過度な薬価差の偏在」が生じている 5 3 。
(調整幅)
○
調整幅は、市場実勢価格の加重平均値に調整幅として2%が加えられている。中央社
会保険 医 療 協 議 会 で は 「薬 剤 流 通 安 定 の た め 」 に 必 要 な も の と さ れ て き た が 、 そ の根
拠は明 示 さ れ て い な い もの の 、 上 記 の ① の ば ら つ き を 吸 収 し て い る も の と も 考 え られ
る。
○
しかし、調整幅が導入されてから 20 年以上が経過し、医薬品のカテゴリーが多様化
する中 で 価 格 の ば ら つ きに 変 化 が 生 じ て き て お り 、 一 律 2 % と さ れ て き た 調 整 幅 につ
いては、実態と整合がとれなくなってきていると指摘されている。
1.3.2
医薬品取引と医薬品卸売販売業者の実態
(価格交渉の実態)
○
医薬品の取引においては、新薬や長期収載品、後発品など製品の特性によって、乖離
率に差 が 出 て い る が 、 その 要 因 の 1 つ に は 、 カ テ ゴ リ ー ご と の 取 引 体 系 の 違 い が ある
と考えられる。
○
長期収載品や後発品においては、医薬品の品目数が極めて多いという製品の特徴によ
り、個 別 の 品 目 に つ い て価 格 を 交 渉 し 、 合 意 す る こ と が 実 務 的 な 負 担 に つ な が る こと
から、 医 療 機 関 等 は 、 医薬 品 卸 売 販 売 業 者 と の 取 引 に お い て 前 回 改 定 時 の 値 引 き 率を
ベースに総額での一律値下げを求める総価取引が行われることが多い。
○
このような取引では、競合する品目が少ない新薬の価格は比較的維持されているもの
の、汎 用 性 が 高 く 競 合 品目 が 多 い 長 期 収 載 品 や 後 発 品 は 、 医 療 上 の 必 要 性 に 関 わ りな
53
令和3年度(2021 年度)の販売先別薬価差額の割合は、20 店舗以上 の調剤チェーンが 3 6. 8 %、2 0
店舗未満の調剤チェーン・個店が 26.2%、200 床以上の病院が 26.3 %、2 00 床未満の病院・診療所
が 10.7 %となっ ている(第 10 回 医薬品の迅速・安定供給実現に向けた総合対策に関する有識者検
討会 資料 p35)。
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薬 価 差 を 得 る こ と を目 的 と し た 値 下 げ 交 渉 や 販 路 拡 大 の た め の 値 下 げ 販 売 に より
発生していると考えられるもの。
○
ここで問題となるのは、上記の②において、適切な流通取引を阻む過度な薬価差が発
生している場合である。
○
薬価差を得ることを目的とした値下げ交渉の背景には、薬価差が医療機関等の経営原
資となっていることが挙げられる。
○
近年では、チェーン薬局や価格交渉を代行する業者が大規模化することで価格交渉力
を強め る と と も に 、 全 国の 取 引 価 格 を デ ー タ 化 し ベ ン チ マ ー ク を 用 い た 価 格 交 渉 が常
態化し 、 一 部 の 医 療 機 関や 薬 局 は こ れ を 利 用 し て 値 引 き 交 渉 す る な ど 、 薬 価 差 を 得る
ことを 目 的 と し た 取 引 が増 え て い る 。 こ れ ら に よ り 、 過 度 な 薬 価 差 が 発 生 し て お り、
こうし た 取 引 の 一 部 で は、 他 の 医 療 機 関 等 よ り も 薬 価 の 乖 離 幅 が 拡 大 し 、 結 果 と して
「過度な薬価差の偏在」が生じている 5 3 。
(調整幅)
○
調整幅は、市場実勢価格の加重平均値に調整幅として2%が加えられている。中央社
会保険 医 療 協 議 会 で は 「薬 剤 流 通 安 定 の た め 」 に 必 要 な も の と さ れ て き た が 、 そ の根
拠は明 示 さ れ て い な い もの の 、 上 記 の ① の ば ら つ き を 吸 収 し て い る も の と も 考 え られ
る。
○
しかし、調整幅が導入されてから 20 年以上が経過し、医薬品のカテゴリーが多様化
する中 で 価 格 の ば ら つ きに 変 化 が 生 じ て き て お り 、 一 律 2 % と さ れ て き た 調 整 幅 につ
いては、実態と整合がとれなくなってきていると指摘されている。
1.3.2
医薬品取引と医薬品卸売販売業者の実態
(価格交渉の実態)
○
医薬品の取引においては、新薬や長期収載品、後発品など製品の特性によって、乖離
率に差 が 出 て い る が 、 その 要 因 の 1 つ に は 、 カ テ ゴ リ ー ご と の 取 引 体 系 の 違 い が ある
と考えられる。
○
長期収載品や後発品においては、医薬品の品目数が極めて多いという製品の特徴によ
り、個 別 の 品 目 に つ い て価 格 を 交 渉 し 、 合 意 す る こ と が 実 務 的 な 負 担 に つ な が る こと
から、 医 療 機 関 等 は 、 医薬 品 卸 売 販 売 業 者 と の 取 引 に お い て 前 回 改 定 時 の 値 引 き 率を
ベースに総額での一律値下げを求める総価取引が行われることが多い。
○
このような取引では、競合する品目が少ない新薬の価格は比較的維持されているもの
の、汎 用 性 が 高 く 競 合 品目 が 多 い 長 期 収 載 品 や 後 発 品 は 、 医 療 上 の 必 要 性 に 関 わ りな
53
令和3年度(2021 年度)の販売先別薬価差額の割合は、20 店舗以上 の調剤チェーンが 3 6. 8 %、2 0
店舗未満の調剤チェーン・個店が 26.2%、200 床以上の病院が 26.3 %、2 00 床未満の病院・診療所
が 10.7 %となっ ている(第 10 回 医薬品の迅速・安定供給実現に向けた総合対策に関する有識者検
討会 資料 p35)。
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