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07 参考資料2-1 帯状疱疹ワクチン ファクトシート (17 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_36248.html
出典情報 厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会 ワクチン評価に関する小委員会(第21回 11/9)《厚生労働省》
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合併症を認める場合は、病態に対する治療の必要性から、関連する診療科とともに治療が行われる。
例えば、脳炎、脳脊髄炎、眼合併症、顔面神経麻痺(Ramsay Hunt 症候群)
、三叉神経領域の帯状疱疹、
末梢神経合併症(胸髄神経領域に発症した場合の腹筋麻痺、仙髄神経領域に発症した場合の排尿障害
や排便障害、頸神経に合併した場合の上肢麻痺など 20)、PHN などが挙げられる。眼部帯状疱疹患者は
直ちに眼科専門医の診察を受けながら、抗ウイルス薬療法を実施することが必要である。
3)

補助療法

(ア) コルチコステロイドの経口投与
経口コルチコステロイド投与には、抗ウイルス薬による治療と合わせて投与すると、症状の低減
効果が認められると報告されているが、PHN の発症予防効果は認められない 79,80)。コルチコステロ
イドを投与する場合には、50 歳以上の患者を対象としたり、糖尿病などを基礎疾患として罹患して
いる患者へ投与したりする場合には、より細心の注意を払う必要がある。
(イ) 鎮痛剤投与
鎮痛剤投与は初期から積極的にアセトアミノフェンや、非ステロイド系抗炎症剤(NSAIDs)によ
る治療がなされることが多い。ただし、高齢者に投与する場合や、NSAIDS の投与には副作用につ
いての考慮が必要である。
疼痛のコントロールが困難な場合には、必要に応じてオピオイド系鎮痛剤の投与がなされる場合
がある。なお、各製剤による重篤な副作用には注意が必要であり、併用禁忌・併用注意の薬剤が複
数存在するため、使用に際しては十分な注意が必要である。
(ウ) 三環系抗うつ薬
一部の三環系抗うつ薬の投与により,PHN の軽減効果が認められている 81)。
(エ) 神経ブロック
神経ブロックを実施することで、PHN を軽減する効果が得られるが、薬物療法の補助的療法とし
て適応を考える。特に激しい PHN は神経ブロックによる治療で軽減化される 82)。
4)帯状疱疹に関する教育
患者に対して帯状疱疹に関する基本的事項、VZV の他者への感染予防法,適切な治療計画などに
ついて適切に説明することが大切である。皮膚病変の細菌性二次感染症を予防するための病変の適
切なケア(病変を乾燥させるなど)などの詳細な治療法についても説明する必要がある。さらに,
PHN などの合併症により比較的長い治療期間を要する場合があることから、帯状疱疹患者への精神
的なサポートも大切である。


予防法
現行の水痘ワクチンを帯状疱疹ワクチンとして接種することが、帯状疱疹を予防(発症率を低減

させ、重症化を予防)することのできる有効な予防法と考えられている。
免疫不全患者に接種する際の、より高い安全性を求めて水痘ワクチンを処理した不活化ワクチン
や、VZV 膜糖蛋白 E(glycoprotein E;gE)をアジュバントと共に免疫するサブユニットワクチン等
について、実用化に向けた臨床試験が行われている 83-85)。これらの製剤については後述する。
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