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07 参考資料2-1 帯状疱疹ワクチン ファクトシート (27 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_36248.html
出典情報 厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会 ワクチン評価に関する小委員会(第21回 11/9)《厚生労働省》
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4万人を対象とした大規模な無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験103)やその後の研究104,105)により
明らかにされている。ヨーロッパやオーストラリアでも承認され、現在では60カ国以上で使用され
ている。


開発中の製剤
臨床治験段階まで進んでいるワクチンとして、細胞から細胞へのウイルス伝播に必須であり VZV

特異的免疫誘導の主要な標的である VZV 膜糖蛋白 E(glycoprotein E, gE)にアジュバント AS01 が添
加された、GSK 社のサブユニットワクチン(HZ/su、GSK1437173A)及び Merck Sharp & Dohme Corp
の熱不活化ワクチン(V212-inactivated)がある。
GSK 社の HZ/su は、第Ⅰ/Ⅱ相臨床治験(NCT00492648, NCT00492648)において、CD4 陽性 T 細
胞の活性化及び抗 gE 抗体価の上昇が認められた 106)。その後 2010 年から、世界規模(18 カ国、日本
含む)の第Ⅲ相臨床治験(NCT01165177)が行われた。50 歳以上の 16,160 人を対象とした第Ⅲ相臨
床治験の結果では、ワクチン接種群はプラセボ群に比べ、帯状疱疹の発症が 97.2%減少したと報告
された 84,107)。また、HIV 感染症患者を対象とした試験でも gE および VZV 特異的 CD4 陽性 T 細胞
数や細胞性免疫応答、抗 gE 抗体価の上昇が認められた 108)。さらに、日本における第 I 相臨床治験
においても安全性と抗 gE 抗体価の上昇が確認された 109)。
生ワクチンのウイルス株を熱処理により不活化した不活化ワクチンの開発研究が報告されている
110,111)

。 ま た 前 述 し た 熱 不 活 化 ワ ク チ ン ( V212-inactivated ) に 関 し て の 臨 床 治 験 が 行 わ れ た

(NCT00535236)
。しかしながら、熱処理して作製された帯状疱疹ワクチンを同種造血細胞移植患者、
HIV 感染症患者などの免疫低下患者に接種し、その後の免疫状態を検討した試験では、インターフ
ェロンガンマ産生 VZV 特異的末梢血単核球細胞数や VZV 抗体価は、基礎疾患によってばらつきは
あるものの、全体的に顕著な上昇は認められなかった 83)。
(3)有効性の観点


免疫原性

水痘ワクチン接種後の免疫応答の増強に関する研究によると、gpELISA 法で VZV に対する抗体陽
性が判明している 50~70 代の 129 人において、水痘抗原皮内テストが陰性であった者に水痘ワクチ
ンを接種したところ、50 代、60 代、70 代で皮内テストの陽転化が認められた割合は、それぞれ 93.8%
(15/16)、91.7%(11/12)、78.6%(11/14)であった。また、皮内テストが弱陽性であった者に水痘
ワクチンを接種した場合に反応性の増強がみられた者の割合は、50 代、60 代、70 代で、それぞれ
100%(10/10)、100%(8/8)、71.4%(5/7)であった。全体では 50 代、60 代、70 代で、それぞれ 96.2%
(25/26)、95.0%(19/20)、76.2%(16/21)であった。この結果から水痘ワクチン接種により細胞性
免疫が増強することが、また、70 代での効果は 50~60 代のそれより低いことも示された 12)。


疾病抑制効果
60 歳以上の 38,546 人を対象に行った ZOSTAVAX®の帯状疱疹発症予防効果を調べるためのプラセ

ボ対照、無作為化二重盲検群間比較試験の報告では、接種後 3.12 年間のサーベイランスにおいて帯
状疱疹発症が 51.3%減少、PHN 発症が 66.5%減少、疾病負荷が 61.1%減少した 103)。50~59 歳の 22,439
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