よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


07 参考資料2-1 帯状疱疹ワクチン ファクトシート (41 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_36248.html
出典情報 厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会 ワクチン評価に関する小委員会(第21回 11/9)《厚生労働省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

2013 年 9 月の Eunethta(European Network for Health Technology Assessment)による報
告によれば、スウェーデンは 2011 年に ZOSTAVAX®に対して保険払い戻しを決めたヨ
ーロッパ最初の国である。50 歳以上の人が接種を受ける場合に補助がなされるが、ワ
クチン接種の推奨はしていない 151)。
ドイツでは、2004 年に水痘ワクチンが導入されたものの、帯状疱疹ワクチンの定期
接種化はなされていない。しかし、ワクチン効果に対する数理モデルによる予測研究や
ワクチンプログラムの費用対効果に関する研究がなされている 152,153)。2010 年以降、ザ
クセン州では 50 歳以上の人への帯状疱疹ワクチン接種が推奨されている(2013 年 9 月
の Eunethta の報告書による)151)。
また、ギリシャでは 2012 年に 60 歳以上のリスクの高い成人にのみ帯状疱疹ワクチン
接種を推奨している 151)。
イスラエルでは、2013 年から 60 歳以上の人に帯状疱疹ワクチン接種が推奨されてい
るが、費用負担はなされていない 151)。
韓国では ZOSTAVAX®が 2009 年に帯状疱疹ワクチンとして認可され、2012 年に市販
されるようになった。2011 年に韓国 FDA は 50 歳以上の人に ZOSTAVAX®接種を推奨
したが、2012 年に KSID(Korean Society of Infectious Diseases)は 60 歳以上の人への接
種を推奨し、50~59 歳の人への接種も有効とした 154)。
2014 年 3 月の世界保健機関(WHO)に設置されている SAGE(Strategic Advisory Group
of Experts)による帯状疱疹ワクチンに関する報告書によれば、政策グループや医師会な
どによる定期接種の推奨はヨーロッパやアジアの各国で行われている。例として、上記
の諸国以外にタイでも 60 歳以上の人に帯状疱疹ワクチン接種が推奨されていることが
記載されている 155)。先進国や高齢化を迎えている多くの国々では、帯状疱疹ワクチン
推奨が検討されている。イタリア 156)、スペイン 157)、スイス 158)、オランダ 159)、ベルギ
ー160)、中国 161)、台湾 124)などで、免疫効果や費用対効果などを考慮した研究が進められ、
定期接種化が検討されている。
2014 年 6 月の WHO からの週報で、WHO は「ほとんどの国では帯状疱疹の疾病負荷
がはっきりせず、この比較的新しいワクチンの使用に関しての十分なデータもないこと
から、WHO は現時点で帯状疱疹ワクチンの定期接種化に関して推奨をするものではな
い」との見解を示している 162)。さらに、WHO は「2014 年時点では、帯状疱疹ワクチ
ンの防御効果の有効期間が不明で、経時的に防御効果が減衰するとの報告もあり、また、
最適な接種年齢や繰り返し接種の効果もはっきりとしない。」とした上で、
「しかしなが
ら、老齢者人口を抱える国や高齢化にシフトしている国々では、疾病負荷の重要性が認
識され、かつプログラムを有効と考えるならば、帯状疱疹ワクチンの定期接種化の導入
を決めてもよいだろう。帯状疱疹ワクチンプログラムを推進しようとする国々では、最
適の接種年齢と接種スケジュールを決めるに際し、年齢依存的な疾病負荷およびワクチ
ン有効性、防御期間、費用対効果を考慮するべきである。
」との見解を表明している 162)。
36