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07 参考資料2-1 帯状疱疹ワクチン ファクトシート (32 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_36248.html |
出典情報 | 厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会 ワクチン評価に関する小委員会(第21回 11/9)《厚生労働省》 |
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Tseng らは、帯状疱疹ワクチン接種後にワクチン株由来の帯状疱疹を発症した 68 歳女
性例を報告した 122)。この報告によると患者は比較的軽症で 10 日以内に治癒している 122)。
これは、1,600 万回以上の帯状疱疹ワクチンが投与された中で唯一のワクチン株由来の
帯状疱疹の症例報告であり、ワクチン株による帯状疱疹の発症する確率は 0.06/千人・
年以下(95%CI 上限)となる。
帯状疱疹ワクチン接種後の自己免疫関連疾患の発症リスクを米国 Vaccine Adverse
Event Reporting System(VAERS)への報告を基に調査した結果、帯状疱疹ワクチン接種
者では破傷風トキソイド含有ワクチン接種者と比較して、関節炎、脱毛症の発症率がそ
れぞれ 2.7 倍(95%CI: 1.7-4.3, p<0.001)
、2.2 倍(95%CI: 1.2-4.3, p=0.015)多かったが、
それらは生命予後には関わっていなかった 123)。
Chacón らは、帯状疱疹ワクチン接種 2 週間後に水疱性類天疱瘡を発症した 72 歳男性
症例を報告した 128)。これは帯状疱疹ワクチン接種後に発症した自己免疫性皮膚疾患と
して初の報告である。ただし、その発症機序は解明されていない。
帯状疱疹ワクチンによる可能性のある重篤な有害事象として、Murray らの研究にお
いて接種 5 日後にブドウ膜炎発症した症例と接種 4 日後に坐骨神経痛を発症した 2 症例
(それぞれ 1 症例)が、また SPS 研究において 接種 3 日後にリウマチ性多発筋痛症を
発症した症例と接種 2 日後に気管支喘息増悪が認められた症例(それぞれ 1 症例)が報
告されている 129)。ただし、いずれの研究でも重篤な有害事象の発症率はプラセボ群と
比較し統計学的有意差はなかった 129)。
②
帯状疱疹の既往のある者に対する安全性
帯状疱疹の既往のある 50 歳以上の者に帯状疱疹ワクチンを接種した場合、局所反応
発生率はプラセボ群より多いものの、全身反応発生率は増加せず、重篤な有害事象も認
められなかった 127)。60 歳以上を対象とした SPS 研究でも、帯状疱疹の既往のある者に
接種しても重篤な有害事象は増加せず 130)、帯状疱疹の既往の有無は帯状疱疹ワクチン
接種による安全性に影響しなかった。
③
免疫抑制剤使用中の患者に対する安全性
Zhang らは、生物学的製剤使用中の自己免疫関連疾患患者に帯状疱疹ワクチンを接種
した場合にも、接種後 42 日以内の帯状疱疹の発症リスクは増加しなかったと報告して
いる 131)。ただし、一般的に生物学的製剤の使用中の生ワクチン接種は禁忌とされてい
る。
一方、Cheetham らは、免疫抑制剤使用中の患者では、ワクチン接種 30 日前までに免
疫抑制剤を中止した患者と比較し、帯状疱疹ワクチン接種後 42 日以内の帯状疱疹の発
症リスクが増加する(免疫抑制剤を中止した患者群とのオッズ比 2.99, 95% CI:1.58-5.70)
と報告した 132)。ただし、これはワクチン株由来の帯状疱疹ではなく、潜伏している野
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性例を報告した 122)。この報告によると患者は比較的軽症で 10 日以内に治癒している 122)。
これは、1,600 万回以上の帯状疱疹ワクチンが投与された中で唯一のワクチン株由来の
帯状疱疹の症例報告であり、ワクチン株による帯状疱疹の発症する確率は 0.06/千人・
年以下(95%CI 上限)となる。
帯状疱疹ワクチン接種後の自己免疫関連疾患の発症リスクを米国 Vaccine Adverse
Event Reporting System(VAERS)への報告を基に調査した結果、帯状疱疹ワクチン接種
者では破傷風トキソイド含有ワクチン接種者と比較して、関節炎、脱毛症の発症率がそ
れぞれ 2.7 倍(95%CI: 1.7-4.3, p<0.001)
、2.2 倍(95%CI: 1.2-4.3, p=0.015)多かったが、
それらは生命予後には関わっていなかった 123)。
Chacón らは、帯状疱疹ワクチン接種 2 週間後に水疱性類天疱瘡を発症した 72 歳男性
症例を報告した 128)。これは帯状疱疹ワクチン接種後に発症した自己免疫性皮膚疾患と
して初の報告である。ただし、その発症機序は解明されていない。
帯状疱疹ワクチンによる可能性のある重篤な有害事象として、Murray らの研究にお
いて接種 5 日後にブドウ膜炎発症した症例と接種 4 日後に坐骨神経痛を発症した 2 症例
(それぞれ 1 症例)が、また SPS 研究において 接種 3 日後にリウマチ性多発筋痛症を
発症した症例と接種 2 日後に気管支喘息増悪が認められた症例(それぞれ 1 症例)が報
告されている 129)。ただし、いずれの研究でも重篤な有害事象の発症率はプラセボ群と
比較し統計学的有意差はなかった 129)。
②
帯状疱疹の既往のある者に対する安全性
帯状疱疹の既往のある 50 歳以上の者に帯状疱疹ワクチンを接種した場合、局所反応
発生率はプラセボ群より多いものの、全身反応発生率は増加せず、重篤な有害事象も認
められなかった 127)。60 歳以上を対象とした SPS 研究でも、帯状疱疹の既往のある者に
接種しても重篤な有害事象は増加せず 130)、帯状疱疹の既往の有無は帯状疱疹ワクチン
接種による安全性に影響しなかった。
③
免疫抑制剤使用中の患者に対する安全性
Zhang らは、生物学的製剤使用中の自己免疫関連疾患患者に帯状疱疹ワクチンを接種
した場合にも、接種後 42 日以内の帯状疱疹の発症リスクは増加しなかったと報告して
いる 131)。ただし、一般的に生物学的製剤の使用中の生ワクチン接種は禁忌とされてい
る。
一方、Cheetham らは、免疫抑制剤使用中の患者では、ワクチン接種 30 日前までに免
疫抑制剤を中止した患者と比較し、帯状疱疹ワクチン接種後 42 日以内の帯状疱疹の発
症リスクが増加する(免疫抑制剤を中止した患者群とのオッズ比 2.99, 95% CI:1.58-5.70)
と報告した 132)。ただし、これはワクチン株由来の帯状疱疹ではなく、潜伏している野
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