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資料No.2~2-1_日本薬局方の参考情報の改正(案)について (21 ページ)
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公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000174942_00008.html |
出典情報 | 薬事・食品衛生審議会 日本薬局方部会(令和5年度第1回 1/22)《厚生労働省》 |
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参考情報
1
径及び粒子密度に対する流出速度に関係する幾つかの実験式が
2
3
9 .
55
(ⅰ)
オリフィス径>粒子径の6倍
提案されている.粉体のアーチング径の評価は,粉体が凝集性
56
(ⅱ)
円筒状容器の直径>オリフィス径の2倍
を有する場合も自由流動性を有する場合も適用できるが,オリ
57
容器としてホッパーを用いるのは適切であり,製造に際して
4
フィスからの流出速度の測定は,自由流動性を有する粉体にの
58
の流出をよく表している.また,ファネル,特に軸管を持つも
5
み適用可能である.
59
のについては,流出速度は軸管と粉体間の摩擦と同様に,軸管
6
オリフィスからの流出速度は,一般には多種類の容器(円筒
60
の直径と長さによって決まるので,これを用いるのは得策では
7
状容器,ファネル,ホッパー)のいずれにおいても,これらか
61
ない.円錐の先端を切断したものも良いが,流出は粉体-壁面
8
ら流出する試料の単位時間当たりの質量として測定される.流
62
間の摩擦係数に影響されるので,適切な材質を選択することが
9
出速度の測定は間けつ的又は連続的に行うことができる.
63
重要である.
10
3.1.
64
円筒状容器内のオリフィスについては,粉体層内での流動パ
オリフィスからの流出試験法
11
オリフィスからの流出速度を測定する際に最も共通する問題
65
ターンをより確実にするために,口径を変えられるような機能
12
点は,三つの重要な実験的変数に基づいて次のように分類でき
66
を持つ平面状の底板を用いる.流出速度は間けつ的又は連続的
13
る.
67
に測定できる.電子天秤を用いた連続測定は,瞬間的な流出速
14
(1)
68
度の変動をより効果的に検出することができる.
15
ファネル又はホッパーである.
69
4.
16
(2)
17
18
19
20
粉体を入れた容器の種類
一般的な容器は円筒状容器,
せん断セル法
70
より基本的な原理に基づいた粉体の流動性研究やホッパーの
形状は,粉体の流出速度を測定する際の重要な因子である.
71
設計を進めようとする際,粉体の流動性をより完全かつ正確に
(3)
72
定義した評価ができる,種々の粉体せん断試験装置や方法が開
属した電子天秤を用いて連続的に測定することができる.また,
73
発されている.せん断セル法は,医薬品粉体の研究において広
流出速度は,不連続な試料についても個別的に測定することが
74
範囲に用いられている.本法によれば,粉体層が横滑りし始め
21
できる(例えば,100 gの粉体がオリフィスを通過するのに要す
75
る直前のせん断応力と垂直応力の関係を表す破壊包絡線,内部
22
る0.1秒単位までの時間,又は10秒間にオリフィスを通過する
76
摩擦角,非限界降伏力,粉体の凝集,フローファンクションの
23
0.1 g単位までの粉体の質量).
77
ような種々の関連するパラメーターを含む広範囲なパラメータ
24
3.2.
78
ーが得られる.また,本法では実験上のパラメーターをより正
用いたオリフィスの大きさと形状
流出速度の測定法
オリフィス径とその
流出速度は,ある種の記録装置が付
オリフィスからの流出試験法の変法
25
質量基準又はかさ体積基準のいずれの流出速度も測定するこ
79
確に制御することができるので,流動特性は圧密荷重,時間,
26
とができる.質量基準速度の方が測定しやすいが,高密度の粉
80
その他の環境条件の関数として測定することもできる.これら
27
体では大きな測定値が得られる.錠剤機の臼中への粉体の充塡
81
の方法を用いることにより,ホッパーや貯槽用容器の限界寸法
28
はかさ体積基準であるので,この場合にはかさ体積基準の流出
82
を適切に求めることができる.
29
速度を測定することが望ましい.容器から粉体が流出しやすく
83
4.1.
30
するためにバイブレーターを取り付けることもあるが,これは
84
せん断セルの第一のタイプは,上下に二分割できる固定セル
31
結果の解析を複雑にする.ロータリー式錠剤機の運転条件をよ
85
と可動セルとの境にせん断面を形成させる並進せん断セルに相
32
り精密に再現するための振動式オリフィス装置が提案されてい
86
当する.この方法では,所定の手順に従ってせん断セル内の粉
33
る.粉体が流出する最小オリフィス径も確認することができる.
87
体層を圧密した後,粉体層をせん断するのに要する力を測定す
34
流出速度は用いた測定法に極めて大きく依存するので,一般
88
る.並進せん断セルは円筒型又は矩形状の箱型である.
35
的な尺度はない.また文献の結果を比較することも困難である.
89
第二のタイプのせん断セルは,回転せん断セルに相当する.
36
3.3.
測定法
90
これには,円筒型のものと環状型のものがある.これらは,試
37
オリフィスからの流出は,個々の粉体に固有な物性値ではな
91
料量が少なくて済むなど,並進せん断セルを上回る幾つかの利
38
い.これは用いた方法に極めて大きく依存する.これらの方法
92
点がある.しかし,設計上,回転せん断セルの周囲に近い試料
39
に影響する,次のような幾つかの重要な点が指摘されている.
93
の方が,より内側にある試料より多くせん断されるので,粉体
40
(ⅰ)
オリフィス径と形状
94
層が均一にせん断されないという欠点がある.
41
(ⅱ)
容器の材質(金属,ガラス,プラスチック)
95
いずれのせん断セル法も利点と欠点を持っているが,詳細に
42
(ⅲ)
容器内での粉体層の直径と高さ
96
ついては本項では触れない.粉体の流動性を評価する他の方法
43
3.4.
推奨される測定手順
97
については,文献中で多くの変法が述べられている.一般にせ
測定に関して留意すべき点
44
オリフィスからの流出速度測定は,ある程度の流動性を持つ
98
ん断セル法の大きな利点は,実験的により制御しやすいことで
45
粉体のみに用いることができる.したがって,付着性粉体には
99
ある.
46
用いることができない.粉体層の高さがオリフィス径より十分
100
4.2.
47
に大きければ,流出速度は実質的には粉体層の高さには関係し
101
多種類のせん断セル装置や試験法からは豊富なデータが得ら
48
ない.円筒状容器は流出にほとんど影響しないので,容器とし
102
れ,粉体の流動性を評価するのに極めて効果的に利用すること
49
てこれを用いる.この形状では容器の壁面に沿った粉体ではな
103
ができる.これらはホッパーや貯槽用容器のような装置を設計
50
く,粉体層内での粉体の運動による流速を測定していることに
104
する際にも有用である.本法では利用できる装置や実験操作は
51
なる.粉体層の高さが円筒状容器の直径の2倍未満の場合には, 105
多種多様であるので,特に標準的な方法はない.せん断セル法
52
粉体の流出速度はしばしば増加する.オリフィスの形状は円形
106
を用いた流動性の評価の結果には,用いた装置と方法を全て記
53
とし,円筒状容器は防振状態とする.円筒状容器の寸法に関す
107
載しておく.
54
る一般的な指標は次のとおりである.
推奨される事項
1
径及び粒子密度に対する流出速度に関係する幾つかの実験式が
2
3
9 .
55
(ⅰ)
オリフィス径>粒子径の6倍
提案されている.粉体のアーチング径の評価は,粉体が凝集性
56
(ⅱ)
円筒状容器の直径>オリフィス径の2倍
を有する場合も自由流動性を有する場合も適用できるが,オリ
57
容器としてホッパーを用いるのは適切であり,製造に際して
4
フィスからの流出速度の測定は,自由流動性を有する粉体にの
58
の流出をよく表している.また,ファネル,特に軸管を持つも
5
み適用可能である.
59
のについては,流出速度は軸管と粉体間の摩擦と同様に,軸管
6
オリフィスからの流出速度は,一般には多種類の容器(円筒
60
の直径と長さによって決まるので,これを用いるのは得策では
7
状容器,ファネル,ホッパー)のいずれにおいても,これらか
61
ない.円錐の先端を切断したものも良いが,流出は粉体-壁面
8
ら流出する試料の単位時間当たりの質量として測定される.流
62
間の摩擦係数に影響されるので,適切な材質を選択することが
9
出速度の測定は間けつ的又は連続的に行うことができる.
63
重要である.
10
3.1.
64
円筒状容器内のオリフィスについては,粉体層内での流動パ
オリフィスからの流出試験法
11
オリフィスからの流出速度を測定する際に最も共通する問題
65
ターンをより確実にするために,口径を変えられるような機能
12
点は,三つの重要な実験的変数に基づいて次のように分類でき
66
を持つ平面状の底板を用いる.流出速度は間けつ的又は連続的
13
る.
67
に測定できる.電子天秤を用いた連続測定は,瞬間的な流出速
14
(1)
68
度の変動をより効果的に検出することができる.
15
ファネル又はホッパーである.
69
4.
16
(2)
17
18
19
20
粉体を入れた容器の種類
一般的な容器は円筒状容器,
せん断セル法
70
より基本的な原理に基づいた粉体の流動性研究やホッパーの
形状は,粉体の流出速度を測定する際の重要な因子である.
71
設計を進めようとする際,粉体の流動性をより完全かつ正確に
(3)
72
定義した評価ができる,種々の粉体せん断試験装置や方法が開
属した電子天秤を用いて連続的に測定することができる.また,
73
発されている.せん断セル法は,医薬品粉体の研究において広
流出速度は,不連続な試料についても個別的に測定することが
74
範囲に用いられている.本法によれば,粉体層が横滑りし始め
21
できる(例えば,100 gの粉体がオリフィスを通過するのに要す
75
る直前のせん断応力と垂直応力の関係を表す破壊包絡線,内部
22
る0.1秒単位までの時間,又は10秒間にオリフィスを通過する
76
摩擦角,非限界降伏力,粉体の凝集,フローファンクションの
23
0.1 g単位までの粉体の質量).
77
ような種々の関連するパラメーターを含む広範囲なパラメータ
24
3.2.
78
ーが得られる.また,本法では実験上のパラメーターをより正
用いたオリフィスの大きさと形状
流出速度の測定法
オリフィス径とその
流出速度は,ある種の記録装置が付
オリフィスからの流出試験法の変法
25
質量基準又はかさ体積基準のいずれの流出速度も測定するこ
79
確に制御することができるので,流動特性は圧密荷重,時間,
26
とができる.質量基準速度の方が測定しやすいが,高密度の粉
80
その他の環境条件の関数として測定することもできる.これら
27
体では大きな測定値が得られる.錠剤機の臼中への粉体の充塡
81
の方法を用いることにより,ホッパーや貯槽用容器の限界寸法
28
はかさ体積基準であるので,この場合にはかさ体積基準の流出
82
を適切に求めることができる.
29
速度を測定することが望ましい.容器から粉体が流出しやすく
83
4.1.
30
するためにバイブレーターを取り付けることもあるが,これは
84
せん断セルの第一のタイプは,上下に二分割できる固定セル
31
結果の解析を複雑にする.ロータリー式錠剤機の運転条件をよ
85
と可動セルとの境にせん断面を形成させる並進せん断セルに相
32
り精密に再現するための振動式オリフィス装置が提案されてい
86
当する.この方法では,所定の手順に従ってせん断セル内の粉
33
る.粉体が流出する最小オリフィス径も確認することができる.
87
体層を圧密した後,粉体層をせん断するのに要する力を測定す
34
流出速度は用いた測定法に極めて大きく依存するので,一般
88
る.並進せん断セルは円筒型又は矩形状の箱型である.
35
的な尺度はない.また文献の結果を比較することも困難である.
89
第二のタイプのせん断セルは,回転せん断セルに相当する.
36
3.3.
測定法
90
これには,円筒型のものと環状型のものがある.これらは,試
37
オリフィスからの流出は,個々の粉体に固有な物性値ではな
91
料量が少なくて済むなど,並進せん断セルを上回る幾つかの利
38
い.これは用いた方法に極めて大きく依存する.これらの方法
92
点がある.しかし,設計上,回転せん断セルの周囲に近い試料
39
に影響する,次のような幾つかの重要な点が指摘されている.
93
の方が,より内側にある試料より多くせん断されるので,粉体
40
(ⅰ)
オリフィス径と形状
94
層が均一にせん断されないという欠点がある.
41
(ⅱ)
容器の材質(金属,ガラス,プラスチック)
95
いずれのせん断セル法も利点と欠点を持っているが,詳細に
42
(ⅲ)
容器内での粉体層の直径と高さ
96
ついては本項では触れない.粉体の流動性を評価する他の方法
43
3.4.
推奨される測定手順
97
については,文献中で多くの変法が述べられている.一般にせ
測定に関して留意すべき点
44
オリフィスからの流出速度測定は,ある程度の流動性を持つ
98
ん断セル法の大きな利点は,実験的により制御しやすいことで
45
粉体のみに用いることができる.したがって,付着性粉体には
99
ある.
46
用いることができない.粉体層の高さがオリフィス径より十分
100
4.2.
47
に大きければ,流出速度は実質的には粉体層の高さには関係し
101
多種類のせん断セル装置や試験法からは豊富なデータが得ら
48
ない.円筒状容器は流出にほとんど影響しないので,容器とし
102
れ,粉体の流動性を評価するのに極めて効果的に利用すること
49
てこれを用いる.この形状では容器の壁面に沿った粉体ではな
103
ができる.これらはホッパーや貯槽用容器のような装置を設計
50
く,粉体層内での粉体の運動による流速を測定していることに
104
する際にも有用である.本法では利用できる装置や実験操作は
51
なる.粉体層の高さが円筒状容器の直径の2倍未満の場合には, 105
多種多様であるので,特に標準的な方法はない.せん断セル法
52
粉体の流出速度はしばしば増加する.オリフィスの形状は円形
106
を用いた流動性の評価の結果には,用いた装置と方法を全て記
53
とし,円筒状容器は防振状態とする.円筒状容器の寸法に関す
107
載しておく.
54
る一般的な指標は次のとおりである.
推奨される事項