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資料No.2~2-1_日本薬局方の参考情報の改正(案)について (23 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000174942_00008.html
出典情報 薬事・食品衛生審議会 日本薬局方部会(令和5年度第1回 1/22)《厚生労働省》
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参考情報

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62

図1

11 .

ペプチドマップ法における分析手順と目標性能パラメーターの確定

63
64

89

ペプチドマップ法は相対比較の手法であるため,試料タンパ

65

原薬,製剤又は標準品/標準物質を分析する際,分析の妨害

90

ク質に対して行われるいかなる精製や前処理ステップも,標準

66

となる添加剤やキャリアタンパク質を含む場合は分離・精製が

91

品/標準物質に対しても同様に実施する必要がある.残存する

67

必要なことがある.残存する妨害物質は,酵素的切断の効率や

92

物質,精製手順,又はタンパク質の前処理が分析法の特異性及

68

ペプチドマップの見た目に影響を与える場合がある.残存する

93

び精度に及ぼす影響は,開発段階で精査し,分析法バリデーシ

69

物質や試料精製過程が最終的なペプチドマップに及ぼす影響は,

94

ョンにおいて実施される頑健性の検討に組み入れることを考慮

70

開発過程において評価する必要がある.

95

すべきである.
4.

3.

前処理

71

タンパク質の三次構造により,切断酵素が全ての切断部位に

96

72

完全に作用するのを妨げられることにより,配列カバー率が不

97

切断技術の選択は,タンパク質により異なる.酵素的及び化

消化

73

十分となることがある.タンパク質のカオトロピック試薬

98

学的手法において汎用される切断試薬とその特異性を表1に示

74

(例:塩化グアニジニウム,尿素)及び界面活性剤(例:ドデシル

99

す.必要な場合には,他の切断試薬を使用することや方法を組

75

硫酸ナトリウム)による処理は消化前にタンパク質の折りたた

100

み合わせることもある.

76

みをほどくために使用される.変性試薬は酵素活性に影響を及

101

77

ぼしうるため,追加の精製(例:透析ろ過)や希釈操作が消化前

種類

試薬

特異性

78

に必要になる場合がある.酵素が切断部位に完全に作用できる

酵素的

トリプシン(EC 3.4.21.4)

アルギニン及びリシ

79

ように,消化前にジスルフィド結合の還元及びアルキル化が必

手法

80

要なこともある.しかし,システイン-システイン結合の情報

キ モ ト リ プ シ ン (EC

疎水性アミノ酸残基

81

はその際に失われてしまう.ジスルフィド結合の還元に一般的

3.4.21.1)

(例:ロイシン,メチ

82

に使用される試薬には,ジチオスレイトール及びトリス(2-カ

83

ルボキシエチル)ホスフィンのようなトリアルキルホスフィン

芳香族アミノ酸)のC

84

化合物がある.還元されたシステインをアルキル化する試薬に

末端側

85

は,ヨードアセトアミド,ヨード酢酸及び4-ビニルピリジン

ペプシンA (ペプシン)

86

がある.アルキル化試薬の使用によりペプチドへの付加体が生

(EC 3.4.23.1)

87

じる可能性があり,影響を受けたペプチドはクロマトグラフィ

リシルエンドペプチダー

88

ーの分離に影響を与え,分子量が変化する.

表1

切断試薬の例

ン残基のC末端側

オニン,アラニン,

特異性の低い消化
リシン残基のC末端側