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資料No.2~2-1_日本薬局方の参考情報の改正(案)について (27 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000174942_00008.html
出典情報 薬事・食品衛生審議会 日本薬局方部会(令和5年度第1回 1/22)《厚生労働省》
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参考情報

15 .

1

ピークレスポンス及びピーク保持時間を,同一のクロマトグラ

55

従い分析する.得られたペプチドマップについて,ピークの広

2

ム内の再現性の高い参照ピークとの相対値として比較すること

56

がりや全体的な分離に有意な違いがないか比較する.カラムが

3

が挙げられる.分析手順のバリデーションで得られた精度の結

57

劣化するにつれて背圧が増加し,ペプチドマップに影響を与え

4

果は,報告の上,バリデーションの判定基準を満たすか確認を

58

る可能性がある.システム適合性や試験の妥当性の基準は,カ

5

行う.精度の結果が判定基準を満たさなかった場合,分析者は

59

ラムの劣化やその他のペプチドマップ試験の結果に影響を与え

6

手順中の消化や分離ステップの再評価を行う.

60

る事象の診断に用いられる.

7

9.3.

61

10.

頑健性

まとめ

8

頑健性は分析手順の開発段階で評価する.繰り返して実施す

62

ペプチドマップの分析手順は,タンパク質の分離,変性,必

9

る必要はないが,バリデーション手順に組み込むこともある.

63

要に応じて化学的修飾(例:スルフヒドリル基のブロッキング),

10

移動相の組成,プロテアーゼの品質又は化学試薬の純度,カラ

64

タンパク質消化,ペプチドの分離及び検出,並びにデータ解析

11

ムのばらつき及び劣化,消化温度並びに消化物の安定性は全体

65

を含む複数のステップからなる.それぞれのステップを開発段

12

的な試験の性能と再現性に影響を及ぼしやすい.試験が日常的

66

階で最適化することにより,ペプチドマップ法を用いた確認試

13

なロットリリースの目的に使用される場合は,それぞれの重要

67

験として適切な分析手順を開発することができる.システム適

14

なパラメーターの許容範囲を評価し,基準値を定める.タンパ

68

合性の基準は,適切な標準品/標準物質と組み合わせることに

15

ク質試料の精製,前処理,希釈又は濃縮手順の僅かな変動が回

69

より手順中の全てのステップが適切に実施され,分析手順のバ

16

収率や試験システム及びクロマトグラムに影響を及ぼすため,

70

リデーションと一貫性のあるペプチドマップが得られるかを評

17

その影響を試験法開発の時点で同定し管理する必要がある.試

71

価できるように選択すべきである.ペプチドマップの分析手順

18

料調製後に残存する物質の分析法の特異性及び精度に及ぼす影

72

が適切に開発され,バリデーションされ,実施されていれば,

19

響を考慮しなければならない.開発の際に特定された重要パラ

73

タンパク質医薬品の重要品質特性である試料タンパク質の確認

20

メーターは,分析法バリデーションにおいて実施される頑健性

74

に用いることが可能である.

21

の検討に含めるべきである.

22

多くのタンパク質の断片化方法では,タンパク質切断酵素が

23

用いられる.結果としてペプチドマップ法の操作における消化

75

参考情報

24

手順は本質的に試験パラメーターの僅かな変動に影響を受けや

76

を加える.

77

フローサイトメトリー〈G3-16-182〉

G3.

生物薬品関連

にフローサイトメトリー

25

すい.これらのパラメーターとして,消化pH,緩衝液,緩衝

26

液濃度,イオン強度,消化温度,消化の反応速度,試料タンパ

27

ク質濃度,プロテアーゼの量,プロテアーゼの品質及び消化物

28

の安定性が挙げられる.実験計画法アプローチを用いて同定さ

78

フローサイトメトリーは,液中に分散させた細胞や粒子を

29

れた重要パラメーターは,その分析におけるばらつきに及ぼす

79

流路系によって整列させ,個々の光学的特性を分析する測定手

30

影響を理解するために体系的に検討される.消化手順において,

80

法である.散乱光を用いた細胞の大きさや内部構造の複雑性に

31

僅かな変動がペプチドマップ手順の精度に影響を与えることが

81

関する形態パラメーターのほか,蛍光標識した抗体や蛍光色素

32

示されたパラメーターは,これらの検討により確立されてバリ

82

などを用いて細胞を染色することにより,細胞表面や細胞内の

33

デートされた操作範囲内で注意深く管理すべきである.

83

タンパク質発現,核酸量等に関する情報を,単一細胞レベルで

34

プロテアーゼの品質や化学試薬の純度を評価するため,標準

84

定量的に取得することが可能である.また,異なる蛍光プロー

35

品/標準物質の試料を準備し,異なるロットの切断試薬で消化

85

ブを組み合わせることで同時に複数のパラメーターに関する情

36

する.それぞれの消化物に対するクロマトグラムは,ピーク面

86

報を取得することができる.生物薬品(バイオテクノロジー応

37

積,ピーク形状及びピーク数の観点から比較する.その他の重

87

用医薬品/生物起源由来医薬品)の特性解析や規格及び試験方

38

要な化学物質や,試料調製に用いられる還元剤及びS-カルボ

88

法においては,目的物質の標的細胞への結合活性の評価や,細

39

キシメチル化試薬などの前処理手順にも同様の手順を適用する

89

胞応答の評価,生物活性試験に用いる培養細胞の適格性評価等

40

ことができる.

90

に用いられる.
1.

41

分離ステップに進む前に消化物を保管する時間や消化物を分

91

42

離前に保管する条件も評価する.単一の消化物を分注し異なる

92

フローサイトメトリーに使用される装置(フローサイトメー

43

保存条件で保管した後にクロマトグラフィー法で分離する.こ

93

ター)は一般に,流路系,光源,光学検出系,電子処理系(電気

44

れらのマップに有意な違いがないか評価する.

94

パルス処理系),データ処理系からなる(図1).

45

分離ステップにおいて,カラム間のばらつきは,単一のカラ

46

ムロット内でさえもペプチドマップ法の手順の性能に影響を与

47

える.カラムのロット差を評価するため,対象タンパク質の標

48

準品/標準物質を消化し,消化物を単一製造業者からの異なる

49

ロットのカラムを用いて分析する.得られたペプチドマップは,

50

全体的な溶出プロファイル,保持時間及び分離度の観点からあ

51

らかじめ決めておいた判定基準に従い評価する.

52

頑健性の観点からカラムの寿命を評価するため,標準品/標

53

準物質の単一の消化物を注入回数歴(例:カラム当たり10 ~

54

250注入)の異なるカラムを用い,ペプチドマップ法の手順に

95

装置と測定の原理