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資料No.2~2-1_日本薬局方の参考情報の改正(案)について (6 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000174942_00008.html |
出典情報 | 薬事・食品衛生審議会 日本薬局方部会(令和5年度第1回 1/22)《厚生労働省》 |
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三薬局方の調和合意に関する情報については,独立行政法人医
薬品医療機器総合機構のウェブサイトに掲載している.
旧
備考
三薬局方の調和合意に関する情報については,独立行政法人医
さ密度の用語
薬品医療機器総合機構のウェブサイトに掲載している.
の定義を見直
すとともに、
医薬品では幅広く粉体が利用されることから,粉体の流
製薬工業における粉体の広範囲な利用によって,粉体の
全般的な用語
動性を評価するための種々の方法が考案されてきた.製剤
流動性を評価するための種々の方法が考案されてきた.製
の整備等を行
に関する文献中には,粉体の流動性に関する種々の測定値
剤に関する文献中には,粉体の流動性に関する種々の測定
う。
を製造特性と関係づけようとする多数の論文が出されて
値を製造特性と関係づけようとする多数の論文が出され
いる.このような種々の試験法が開発されているのは当然
ている.このような種々の試験法が開発されているのは当
である.なぜならば,粉体の挙動は多面的であるので,こ
然である.なぜならば,粉体の挙動は多面的であるので,
れが粉体の流動性を評価しようとする努力を面倒にして
これが粉体の流動性を評価しようとする努力を面倒にし
いるからである.本項では,医薬品に最も多く用いられる
ているからである.本項では,文献中で最も多く報告され
粉体の流動性の評価法について記述する.医薬品粉体の流
ている粉体の流動性の評価法について概説する.医薬品粉
動性を適切に評価できる単純で簡便な測定法はないが,本
体の流動性を適切に評価できる単純で簡便な測定法はな
項では,幾つかの試験法の標準化を提案している.粉体の
いが,本項では製剤開発の過程で有用であると思われる幾
流動性評価に広く用いられている四つの試験項目及び測
つかの試験法の標準化について述べる.
定法,すなわち,「1.安息角」,「2.圧縮度又はHausner
粉体の流動性を評価するために,一般には四つの測定法
比」,「3.オリフィスからの流出」,及び「4.せん断セル
又は試験法,すなわち,「1.安息角測定法」,「2.圧縮度
法」である.
又はHausner比測定法」,「3.オリフィスからの流出速度
一般に,いかなる粉体の流動性測定法であっても,実用
測定法」,及び「4.せん断セル法」が汎用されている.ま
的かつ有用であり,更に再現性があって感度が良く,意味
た,これらの基本的測定法の各々について多数の変法が用
のある結果が得られなければならない.これらいずれの手
いられているので,これらの試験法や変法の標準化が可能
法を用いた測定でも,複数回の測定が望ましい.繰返しに
であれば好都合である.
なるが,ある一つの流動性測定法では,製薬用途で遭遇す
この目標を意識しながら,以下に最もよく用いられてい
る広範囲な流動性を適切に又は完全に評価できない.製剤
る方法について述べる.実験的に考慮すべき重要な事項は
研究者や技術者の必要性に応じて,種々の見地から粉体の
同じであるので,測定法の標準化を推奨する.一般に,い
流動性を評価するために,多数の標準化された試験法をう
かなる粉体の流動性測定法であっても,実用的かつ有用で
まく利用することが適切な評価につながる.
あり,更に再現性があって感度が良く,意味のある結果が
得られなければならない.しかしながら,ある一つの簡便
な流動性測定法が広範囲な流動性を適切に又は完全に評
価できるというものではない.製剤研究者や技術者の必要
性に応じて,種々の見地から粉体の流動性を評価するため
に,多数の標準化された試験法をうまく利用することが適
切な評価につながる.
1. 安息角
1. 安息角測定法
安息角は,粉体の流動性を評価するために幾つかの科学
安息角は,粉体の流動性を評価するために幾つかの科学
分野で用いられてきている.安息角は,粒子間摩擦,又は
分野で用いられてきている.安息角は,粒子間摩擦,又は
粒子間の運動に対する抵抗性に関係する特性値である.安
粒子間の運動に対する抵抗性に関係する特性値である.安
息角の試験結果は,測定法に大きく依存する.本測定法で
息角の試験結果は,測定法に大きく依存する.本測定法で
は円錐形成時の粉体の分離・偏析や圧密又はエアレーショ
は円錐形成時の試料の分離・偏析や,粉体の圧密又はエア
ンのために,実験上に困難を生じる.これらの難点がある
レーションのために,実験上に困難を生じる.これらの難
にもかかわらず,本測定法は製薬工業において利用され続
点があるにもかかわらず,本測定法は製薬工業において利
けており,製造面での諸問題を予測する際の価値を示す多
用され続けており,製造面での諸問題を予測する際の価値
数の例が文献中に見られる.
を示す多数の例が文献中に見られる.
安息角は,次項で述べる方法のいかんにかかわらず,形
安息角は,次項で述べる方法のいかんにかかわらず,形
成される堆積体が円錐状であると仮定した際の水平面に
成される堆積体が円錐状であると仮定した際の水平面に
対する三次元的角度である.
対する三次元的角度である.
1.1.
1.1.
安息角測定法
基本的測定法
多数の安息角測定法が提案されているが,静的安息角を
多数の安息角測定法が提案されているが,静的安息角を
測定するための最も一般的な方法は,二つの重要な実験的
測定するための最も一般的な方法は,二つの重要な実験的
変数の扱いにより次のように分類される.
変数の扱いにより次のように分類される.
(ⅰ)
(ⅰ)
粉体を流下させる漏斗の高さを基底板に対して固
粉体を流下させる漏斗の高さを基底板に対して固
定しておくか,又は堆積体が形成されるにつれて漏斗の高
定しておくか,又は堆積体が形成されるにつれて漏斗の高
さを変える.
さを変える.
(ⅱ)
(ⅱ)
堆積体が形成される基底板の直径を一定とする(す
なわち,堆積体の直径は既知である)か,又は堆積体の形
堆積体が形成される基底板の直径を一定とする(す
なわち,堆積体の直径は既知である)か,又は堆積体の形
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三薬局方の調和合意に関する情報については,独立行政法人医
薬品医療機器総合機構のウェブサイトに掲載している.
旧
備考
三薬局方の調和合意に関する情報については,独立行政法人医
さ密度の用語
薬品医療機器総合機構のウェブサイトに掲載している.
の定義を見直
すとともに、
医薬品では幅広く粉体が利用されることから,粉体の流
製薬工業における粉体の広範囲な利用によって,粉体の
全般的な用語
動性を評価するための種々の方法が考案されてきた.製剤
流動性を評価するための種々の方法が考案されてきた.製
の整備等を行
に関する文献中には,粉体の流動性に関する種々の測定値
剤に関する文献中には,粉体の流動性に関する種々の測定
う。
を製造特性と関係づけようとする多数の論文が出されて
値を製造特性と関係づけようとする多数の論文が出され
いる.このような種々の試験法が開発されているのは当然
ている.このような種々の試験法が開発されているのは当
である.なぜならば,粉体の挙動は多面的であるので,こ
然である.なぜならば,粉体の挙動は多面的であるので,
れが粉体の流動性を評価しようとする努力を面倒にして
これが粉体の流動性を評価しようとする努力を面倒にし
いるからである.本項では,医薬品に最も多く用いられる
ているからである.本項では,文献中で最も多く報告され
粉体の流動性の評価法について記述する.医薬品粉体の流
ている粉体の流動性の評価法について概説する.医薬品粉
動性を適切に評価できる単純で簡便な測定法はないが,本
体の流動性を適切に評価できる単純で簡便な測定法はな
項では,幾つかの試験法の標準化を提案している.粉体の
いが,本項では製剤開発の過程で有用であると思われる幾
流動性評価に広く用いられている四つの試験項目及び測
つかの試験法の標準化について述べる.
定法,すなわち,「1.安息角」,「2.圧縮度又はHausner
粉体の流動性を評価するために,一般には四つの測定法
比」,「3.オリフィスからの流出」,及び「4.せん断セル
又は試験法,すなわち,「1.安息角測定法」,「2.圧縮度
法」である.
又はHausner比測定法」,「3.オリフィスからの流出速度
一般に,いかなる粉体の流動性測定法であっても,実用
測定法」,及び「4.せん断セル法」が汎用されている.ま
的かつ有用であり,更に再現性があって感度が良く,意味
た,これらの基本的測定法の各々について多数の変法が用
のある結果が得られなければならない.これらいずれの手
いられているので,これらの試験法や変法の標準化が可能
法を用いた測定でも,複数回の測定が望ましい.繰返しに
であれば好都合である.
なるが,ある一つの流動性測定法では,製薬用途で遭遇す
この目標を意識しながら,以下に最もよく用いられてい
る広範囲な流動性を適切に又は完全に評価できない.製剤
る方法について述べる.実験的に考慮すべき重要な事項は
研究者や技術者の必要性に応じて,種々の見地から粉体の
同じであるので,測定法の標準化を推奨する.一般に,い
流動性を評価するために,多数の標準化された試験法をう
かなる粉体の流動性測定法であっても,実用的かつ有用で
まく利用することが適切な評価につながる.
あり,更に再現性があって感度が良く,意味のある結果が
得られなければならない.しかしながら,ある一つの簡便
な流動性測定法が広範囲な流動性を適切に又は完全に評
価できるというものではない.製剤研究者や技術者の必要
性に応じて,種々の見地から粉体の流動性を評価するため
に,多数の標準化された試験法をうまく利用することが適
切な評価につながる.
1. 安息角
1. 安息角測定法
安息角は,粉体の流動性を評価するために幾つかの科学
安息角は,粉体の流動性を評価するために幾つかの科学
分野で用いられてきている.安息角は,粒子間摩擦,又は
分野で用いられてきている.安息角は,粒子間摩擦,又は
粒子間の運動に対する抵抗性に関係する特性値である.安
粒子間の運動に対する抵抗性に関係する特性値である.安
息角の試験結果は,測定法に大きく依存する.本測定法で
息角の試験結果は,測定法に大きく依存する.本測定法で
は円錐形成時の粉体の分離・偏析や圧密又はエアレーショ
は円錐形成時の試料の分離・偏析や,粉体の圧密又はエア
ンのために,実験上に困難を生じる.これらの難点がある
レーションのために,実験上に困難を生じる.これらの難
にもかかわらず,本測定法は製薬工業において利用され続
点があるにもかかわらず,本測定法は製薬工業において利
けており,製造面での諸問題を予測する際の価値を示す多
用され続けており,製造面での諸問題を予測する際の価値
数の例が文献中に見られる.
を示す多数の例が文献中に見られる.
安息角は,次項で述べる方法のいかんにかかわらず,形
安息角は,次項で述べる方法のいかんにかかわらず,形
成される堆積体が円錐状であると仮定した際の水平面に
成される堆積体が円錐状であると仮定した際の水平面に
対する三次元的角度である.
対する三次元的角度である.
1.1.
1.1.
安息角測定法
基本的測定法
多数の安息角測定法が提案されているが,静的安息角を
多数の安息角測定法が提案されているが,静的安息角を
測定するための最も一般的な方法は,二つの重要な実験的
測定するための最も一般的な方法は,二つの重要な実験的
変数の扱いにより次のように分類される.
変数の扱いにより次のように分類される.
(ⅰ)
(ⅰ)
粉体を流下させる漏斗の高さを基底板に対して固
粉体を流下させる漏斗の高さを基底板に対して固
定しておくか,又は堆積体が形成されるにつれて漏斗の高
定しておくか,又は堆積体が形成されるにつれて漏斗の高
さを変える.
さを変える.
(ⅱ)
(ⅱ)
堆積体が形成される基底板の直径を一定とする(す
なわち,堆積体の直径は既知である)か,又は堆積体の形
堆積体が形成される基底板の直径を一定とする(す
なわち,堆積体の直径は既知である)か,又は堆積体の形
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