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05参考資料 帯状疱疹ワクチンファクトシート第二版[3.2MB] (19 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_47466.html |
出典情報 | 厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会(第65回 12/18)《厚生労働省》 |
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液(上皮細胞を含む)であるが、HSV-1 及び HSV-2 との交差反応は認められなかった。Real-time PCR と
の比較では、感度(陽性一致率)が 93.2%(69/74 例)、特異度(陰性一致率)が 98.8%(83/84 例)であ
り、比較的高い一致率を示した 66。
3)血清学的検査:抗体価の測定による検査法も帯状疱疹の診断に役立つ。発症初期および回復期のペア
血清を用いて抗体価の有意な上昇を確認したり、発症初期(急性期)の IgM 抗体を検出(IgM 抗体陽性)
したりすることにより、診断の一助となる 67。
抗体を検出する方法として酵素抗体法(enzyme-linked immunosorbent assay:ELISA)には、VZV に対す
る IgG 抗体を定量的に検出する VZV IgG-ELISA と IgM 抗体を定量的に検出する IgM-ELISA などのキッ
トが市販されている。また、感度に優れる、膜蛍光抗体法(fluorescent antibody to membrane antigen:FAMA)
68 や感染細胞からウイルス糖蛋白を濃縮し ELISA の抗原とした gpELISA12,69 も使用される。FAMA は、
gpELISA と同等以上の感度を有するが、正確な検査結果を得るには熟練を要する。そのため、VZV 感染
Vero 細胞をテラサキプレートに添加して FAMA を簡便にした方法 70 や A549 細胞*を用いた間接蛍光抗
体法(indirect immunofluorescent assay:IFA)も報告されている 71。
なお、補体結合反応(complement fixation:CF)72 は、感度・特異性が低く(HSV との交差反応)
、それ
を用いても帯状疱疹の診断に参考となる検査成績を得ることは難しいとされている。血清学的検査は、ほ
とんどが民間の検査機関で対応でき、保険適用されている。
*
A549 細胞:D. J. Giard らによって樹立されたヒト肺胞基底上皮腺癌由来細胞
4)細胞性免疫検査:帯状疱疹の発症には VZV に対する細胞性免疫が重要な役割を果たしている。VZV
に対する細胞性免疫能を評価する方法としては、インターフェロンガンマ(IFN-𝛾)を測定する方法 73 や、
ELISPOT 法 74 が用いられる。また、日本においては、水痘皮内抗原を用いた皮内テストを利用すること
も可能である 75。皮内テストでは、市販の「水痘抗原」液を皮内注射し、24~48 時間後に出現する発赤
の径の長さにより VZV に対する細胞性免疫の程度を評価する。発赤径が 5 mm 以上あれば陽性と判定さ
れる。なお、高齢、栄養不良、胸腺の発育不全症、ウイルス感染症、悪性腫瘍、薬剤(免疫抑制剤、副腎
皮質ホルモン剤、制癌剤等)の投与中の人では、VZV に対する細胞性免疫が低下していることがあるの
で、VZV に対する細胞性免疫の程度を評価する上で考慮が必要である。
④
治療法
1)抗ウイルス薬による治療
ウイルス由来のチミジンリン酸化酵素でリン酸化されることにより抗ウイルス活性を発揮する核酸ア
ナログ薬剤であるアシクロビル、バラシクロビル(アシクロビルのプロドラッグ)
、ファムシクロビル(ペ
ンシクロビルのプロドラッグ)の全身投与で治療する。
通常成人には、アシクロビル(800 mg/回、1 日 5 回経口投与、7 日間)、バラシクロビル(1,000 mg/回,
1 日 3 回経口投与、7 日間)
、ファムシクロビル(500 mg/回、1 日 3 回経口投与、7 日間)で治療する。小
児には、通常、アシクロビル(アシクロビルとして 1 回体重 1 kg あたり 20 mg を 1 日 4 回経口投与(た
だし 1 回最高用量は 800 mg)、7 日間)
、バラシクロビル(顆粒:バラシクロビルとして 1 回体重 1 kg あ
たり 25 mg を 1 日 3 回経口投与(ただし 1 回最高用量は 1,000 mg)、7 日間。錠剤:バラシクロビルとし
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の比較では、感度(陽性一致率)が 93.2%(69/74 例)、特異度(陰性一致率)が 98.8%(83/84 例)であ
り、比較的高い一致率を示した 66。
3)血清学的検査:抗体価の測定による検査法も帯状疱疹の診断に役立つ。発症初期および回復期のペア
血清を用いて抗体価の有意な上昇を確認したり、発症初期(急性期)の IgM 抗体を検出(IgM 抗体陽性)
したりすることにより、診断の一助となる 67。
抗体を検出する方法として酵素抗体法(enzyme-linked immunosorbent assay:ELISA)には、VZV に対す
る IgG 抗体を定量的に検出する VZV IgG-ELISA と IgM 抗体を定量的に検出する IgM-ELISA などのキッ
トが市販されている。また、感度に優れる、膜蛍光抗体法(fluorescent antibody to membrane antigen:FAMA)
68 や感染細胞からウイルス糖蛋白を濃縮し ELISA の抗原とした gpELISA12,69 も使用される。FAMA は、
gpELISA と同等以上の感度を有するが、正確な検査結果を得るには熟練を要する。そのため、VZV 感染
Vero 細胞をテラサキプレートに添加して FAMA を簡便にした方法 70 や A549 細胞*を用いた間接蛍光抗
体法(indirect immunofluorescent assay:IFA)も報告されている 71。
なお、補体結合反応(complement fixation:CF)72 は、感度・特異性が低く(HSV との交差反応)
、それ
を用いても帯状疱疹の診断に参考となる検査成績を得ることは難しいとされている。血清学的検査は、ほ
とんどが民間の検査機関で対応でき、保険適用されている。
*
A549 細胞:D. J. Giard らによって樹立されたヒト肺胞基底上皮腺癌由来細胞
4)細胞性免疫検査:帯状疱疹の発症には VZV に対する細胞性免疫が重要な役割を果たしている。VZV
に対する細胞性免疫能を評価する方法としては、インターフェロンガンマ(IFN-𝛾)を測定する方法 73 や、
ELISPOT 法 74 が用いられる。また、日本においては、水痘皮内抗原を用いた皮内テストを利用すること
も可能である 75。皮内テストでは、市販の「水痘抗原」液を皮内注射し、24~48 時間後に出現する発赤
の径の長さにより VZV に対する細胞性免疫の程度を評価する。発赤径が 5 mm 以上あれば陽性と判定さ
れる。なお、高齢、栄養不良、胸腺の発育不全症、ウイルス感染症、悪性腫瘍、薬剤(免疫抑制剤、副腎
皮質ホルモン剤、制癌剤等)の投与中の人では、VZV に対する細胞性免疫が低下していることがあるの
で、VZV に対する細胞性免疫の程度を評価する上で考慮が必要である。
④
治療法
1)抗ウイルス薬による治療
ウイルス由来のチミジンリン酸化酵素でリン酸化されることにより抗ウイルス活性を発揮する核酸ア
ナログ薬剤であるアシクロビル、バラシクロビル(アシクロビルのプロドラッグ)
、ファムシクロビル(ペ
ンシクロビルのプロドラッグ)の全身投与で治療する。
通常成人には、アシクロビル(800 mg/回、1 日 5 回経口投与、7 日間)、バラシクロビル(1,000 mg/回,
1 日 3 回経口投与、7 日間)
、ファムシクロビル(500 mg/回、1 日 3 回経口投与、7 日間)で治療する。小
児には、通常、アシクロビル(アシクロビルとして 1 回体重 1 kg あたり 20 mg を 1 日 4 回経口投与(た
だし 1 回最高用量は 800 mg)、7 日間)
、バラシクロビル(顆粒:バラシクロビルとして 1 回体重 1 kg あ
たり 25 mg を 1 日 3 回経口投与(ただし 1 回最高用量は 1,000 mg)、7 日間。錠剤:バラシクロビルとし
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