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05参考資料 帯状疱疹ワクチンファクトシート第二版[3.2MB] (53 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_47466.html |
出典情報 | 厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会(第65回 12/18)《厚生労働省》 |
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よりも 20%程度低下)を組み込んだ分析も実施した。
罹患時の QOL の低下は、PHN 合併の有無ごとに区分した Mizukami et al. 248・Imafuku et al. 249 の年代別
データを用いた。PHN 合併なしの場合の損失は 0.014-0.017QALY、合併ありの場合は 0.118-0.179QALY で
あった。シナリオ分析として、Hoshi et al.(2017)241 の生ワクチンの費用対効果評価論文中と、同じく
Hoshi et al.(2019)242 の組換えワクチンも含めた費用対効果評価論文での QOL 低下の数値を組み込んだ
分析も実施した。Hoshi et al.(2017)241 の数値では、PHN 合併なしが 0.0452-0.0456QALY、合併ありが
0.21-0.24QALY で、いずれもベースの数値よりも大きい。Hoshi et al.(2019)242 の数値は PHN 合併なしが
0.009-0.0160QALY、合併ありが 0.12-0.23QALY で、ベースの数値との差はやや縮小している。
ワクチン費用は、東京都のデータをもとに生ワクチン 10,000 円(接種回数 1 回)
・組換えワクチン 40,000
円(接種回数 2 回)とした。ここでのワクチン費用は、ワクチンそのもののコストと接種費用(手技料
等)を合算したものである。帯状疱疹罹患後の医療費は、Shiragami et al. 243・Teng et al. 244 のデータをも
とに、合併症なしが 37,494 円・PHN 合併が 123,852 円・PHN 以外の合併症併発例が 70,941 円とした。な
お、今回の分析では保健医療費支払者の立場として、ワクチン接種費用及び医療費を自己負担割合にかか
わらず 100%分析に組み込んでいる。B 類定期接種の場合、接種費用のうち国の負担割合は原則 3 割で、
自治体負担分を含めても接種費用の負担割合(3 割+自治体負担分)よりも医療費の負担割合(7 割~9 割)
が大きくなる。双方を 100%組み込む分析は、実質的に接種費用を 100%負担する設定となるため、国の
立場からは予防接種にとってやや保守的な分析になる。
分析は、特定の年齢集団に接種したケース(50 歳から 5 歳刻みで 80 歳まで)と、人口分布を考慮しつ
つある年齢以上の全ての集団(
「50 歳以上全員」
「55 歳以上全員」…「70 歳以上全員」まで)に接種した
ケースの二つのシナリオで行った。なお、後者のシナリオでの人口分布には、2023 年 10 月 1 日現在の年
齢別人口推計の数値を用いた(概数で、50 歳以上 6,166 万人・60 歳以上 4,373 万人・70 歳以上 2,889 万
人となる)
。
基本分析の結果を表 17A に、シナリオ分析の結果を表 17B~表 17H に示す。基本分析では、生ワクチ
ンの PHN 予防効果を 1 年目 50%・2~7 年目は 25%と設定している。
ICER は、
「生ワクチン vs 非接種(A とおく)
」
「組換えワクチン vs 非接種(B とおく)
」
「組換えワク
チン vs 生ワクチン(C とおく)
」の 3 通りを計算した。どの分析でも、費用・QALY 減少を阻止する効
果ともに組換えワクチン>生ワクチン>非接種の関係が成立している。この場合、A と B の大小関係に
よって、ICER の評価法が変化する。
A<B(非接種に対する ICER で、生ワクチン<組換えワクチン)の場合は、生ワクチンの費用対効果は
A の数値(vs 非接種)で、組換えワクチンの費用対効果は C の数値(vs 生ワクチン)で評価する。
A>B(非接種に対する ICER で、生ワクチン>組換えワクチン)の場合、生ワクチンは費用対効果のう
えでは選択肢から除外される。組換えワクチンの費用対効果は、生ワクチンが除外されるため、B の数値
(vs 非接種)で評価される。表中で太字で示した部分が、該当するケースである。
表の各行に色をつけたセル(B もしくは C)が、組換えワクチンの費用対効果の数値として各行で参照
すべき ICER の数値である。色をつけたセルの数値が 500(もしくは 600)より小さければ組換えワクチ
ンが費用対効果に優れ、大きければ比較対照(B ならば生ワクチン、C ならば非接種)が費用対効果に優
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罹患時の QOL の低下は、PHN 合併の有無ごとに区分した Mizukami et al. 248・Imafuku et al. 249 の年代別
データを用いた。PHN 合併なしの場合の損失は 0.014-0.017QALY、合併ありの場合は 0.118-0.179QALY で
あった。シナリオ分析として、Hoshi et al.(2017)241 の生ワクチンの費用対効果評価論文中と、同じく
Hoshi et al.(2019)242 の組換えワクチンも含めた費用対効果評価論文での QOL 低下の数値を組み込んだ
分析も実施した。Hoshi et al.(2017)241 の数値では、PHN 合併なしが 0.0452-0.0456QALY、合併ありが
0.21-0.24QALY で、いずれもベースの数値よりも大きい。Hoshi et al.(2019)242 の数値は PHN 合併なしが
0.009-0.0160QALY、合併ありが 0.12-0.23QALY で、ベースの数値との差はやや縮小している。
ワクチン費用は、東京都のデータをもとに生ワクチン 10,000 円(接種回数 1 回)
・組換えワクチン 40,000
円(接種回数 2 回)とした。ここでのワクチン費用は、ワクチンそのもののコストと接種費用(手技料
等)を合算したものである。帯状疱疹罹患後の医療費は、Shiragami et al. 243・Teng et al. 244 のデータをも
とに、合併症なしが 37,494 円・PHN 合併が 123,852 円・PHN 以外の合併症併発例が 70,941 円とした。な
お、今回の分析では保健医療費支払者の立場として、ワクチン接種費用及び医療費を自己負担割合にかか
わらず 100%分析に組み込んでいる。B 類定期接種の場合、接種費用のうち国の負担割合は原則 3 割で、
自治体負担分を含めても接種費用の負担割合(3 割+自治体負担分)よりも医療費の負担割合(7 割~9 割)
が大きくなる。双方を 100%組み込む分析は、実質的に接種費用を 100%負担する設定となるため、国の
立場からは予防接種にとってやや保守的な分析になる。
分析は、特定の年齢集団に接種したケース(50 歳から 5 歳刻みで 80 歳まで)と、人口分布を考慮しつ
つある年齢以上の全ての集団(
「50 歳以上全員」
「55 歳以上全員」…「70 歳以上全員」まで)に接種した
ケースの二つのシナリオで行った。なお、後者のシナリオでの人口分布には、2023 年 10 月 1 日現在の年
齢別人口推計の数値を用いた(概数で、50 歳以上 6,166 万人・60 歳以上 4,373 万人・70 歳以上 2,889 万
人となる)
。
基本分析の結果を表 17A に、シナリオ分析の結果を表 17B~表 17H に示す。基本分析では、生ワクチ
ンの PHN 予防効果を 1 年目 50%・2~7 年目は 25%と設定している。
ICER は、
「生ワクチン vs 非接種(A とおく)
」
「組換えワクチン vs 非接種(B とおく)
」
「組換えワク
チン vs 生ワクチン(C とおく)
」の 3 通りを計算した。どの分析でも、費用・QALY 減少を阻止する効
果ともに組換えワクチン>生ワクチン>非接種の関係が成立している。この場合、A と B の大小関係に
よって、ICER の評価法が変化する。
A<B(非接種に対する ICER で、生ワクチン<組換えワクチン)の場合は、生ワクチンの費用対効果は
A の数値(vs 非接種)で、組換えワクチンの費用対効果は C の数値(vs 生ワクチン)で評価する。
A>B(非接種に対する ICER で、生ワクチン>組換えワクチン)の場合、生ワクチンは費用対効果のう
えでは選択肢から除外される。組換えワクチンの費用対効果は、生ワクチンが除外されるため、B の数値
(vs 非接種)で評価される。表中で太字で示した部分が、該当するケースである。
表の各行に色をつけたセル(B もしくは C)が、組換えワクチンの費用対効果の数値として各行で参照
すべき ICER の数値である。色をつけたセルの数値が 500(もしくは 600)より小さければ組換えワクチ
ンが費用対効果に優れ、大きければ比較対照(B ならば生ワクチン、C ならば非接種)が費用対効果に優
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