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05参考資料 帯状疱疹ワクチンファクトシート第二版[3.2MB] (33 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_47466.html |
出典情報 | 厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会(第65回 12/18)《厚生労働省》 |
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2. 予防接種の目的と導入により期待される効果、安全性
(1)接種の目的
帯状疱疹ワクチン接種の目的は帯状疱疹および PHN の発症のリスク低減させること、また、帯状疱疹
の発症期間を短くし、重症化を予防することである。近年、帯状疱疹患者の増加傾向が報告されているが
11、要因の一つとして水痘ワクチンの定期接種化による VZV への曝露頻度の低下が注目される。また、
高齢化社会の進むわが国において帯状疱疹患者はますます増加することが予想され、帯状疱疹の予防は
重要である。
(2)製造販売承認されている製剤
現在、製造販売承認されている帯状疱疹ワクチンは、乾燥弱毒生水痘ワクチンと乾燥組換え帯状疱疹ワ
クチンの 2 種類ある。
① 乾燥弱毒生水痘ワクチン
国内では一般財団法人阪大微生物病研究会(以下、阪大微研という)の乾燥弱毒生水痘ワクチン(販売
名:ビケン)
、海外ではMerck社の弱毒生ワクチンであるZOSTAVAX®(阪大微研の乾燥弱毒生水痘ワクチ
ンと同じOka株を元に作製されている)が製造販売承認されている。
阪大微研の乾燥弱毒生水痘ワクチンは、1986年に水痘ワクチンとして国内製造販売承認をうけ、2004年
に、薬効薬理として細胞性免疫の増強が認められる12ことが添付文書に明記された。その後、同じOka株
を元に作製されたZOSTAVAX®が多くの国で製造販売承認されていること、また様々な臨床研究等128,129に
より、乾燥弱毒生水痘ワクチンの帯状疱疹に対する効果が医学的根拠を持つこと及び国内第Ⅲ相臨床治
験による安全性試験の結果を踏まえて、日本において2016年3月から、50歳以上の人に対する帯状疱疹の
予防効果が効能として追加されている。ZOSTAVAX®は、2006年に帯状疱疹及びPHNを予防する帯状疱疹
ワクチンとして米国で製造販売承認された。ZOSTAVAX®には、水痘発症予防のための弱毒生水痘ワクチ
ンVARIVAX®の約10倍の力価のウイルスが含まれる。阪大微研の乾燥弱毒生水痘ワクチンは、含まれるウ
イルス力価がZOSTAVAX®と大きな差はないことから130、ZOSTAVAX®と同様の有効性が期待できる。
② 乾燥組換え帯状疱疹ワクチン
グラクソ・スミスクライン(GSK)社の乾燥組換え帯状疱疹ワクチン(販売名:シングリックス筋注用
®)は、VZV ウイルス粒子の表面タンパク質の一つである glycoprotein E(gE)とアジュバント AS01B を
組み合わせ、強い細胞性および液性免疫を誘導するよう設計・開発されたた組換えサブユニットワクチン
である。2018 年 3 月、50 歳以上の人に対する帯状疱疹の予防を効能または効果として製造販売承認され
た。本製剤は通常 2 か月間隔で 2 回、筋肉内に接種されるワクチンである。
加齢による免疫機能低下のみならず、疾患や医学的介入のために免疫不全もしくは免疫抑制状態にある
ことは帯状疱疹罹患のリスクを高くする。帯状疱疹に罹患するリスクが高いと考えられる 18 歳以上のハ
イリスク者を対象として、本剤の有効性および安全性が評価され 131 臨床的有効性が確認されたことから、
2023 年 6 月に「帯状疱疹に罹患するリスクが高い 18 歳以上の者」に適用拡大された。
(3)開発中のワクチン
生ワクチンのウイルス株を熱処理により不活化した不活化帯状疱疹ワクチンの開発研究が報告され
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(1)接種の目的
帯状疱疹ワクチン接種の目的は帯状疱疹および PHN の発症のリスク低減させること、また、帯状疱疹
の発症期間を短くし、重症化を予防することである。近年、帯状疱疹患者の増加傾向が報告されているが
11、要因の一つとして水痘ワクチンの定期接種化による VZV への曝露頻度の低下が注目される。また、
高齢化社会の進むわが国において帯状疱疹患者はますます増加することが予想され、帯状疱疹の予防は
重要である。
(2)製造販売承認されている製剤
現在、製造販売承認されている帯状疱疹ワクチンは、乾燥弱毒生水痘ワクチンと乾燥組換え帯状疱疹ワ
クチンの 2 種類ある。
① 乾燥弱毒生水痘ワクチン
国内では一般財団法人阪大微生物病研究会(以下、阪大微研という)の乾燥弱毒生水痘ワクチン(販売
名:ビケン)
、海外ではMerck社の弱毒生ワクチンであるZOSTAVAX®(阪大微研の乾燥弱毒生水痘ワクチ
ンと同じOka株を元に作製されている)が製造販売承認されている。
阪大微研の乾燥弱毒生水痘ワクチンは、1986年に水痘ワクチンとして国内製造販売承認をうけ、2004年
に、薬効薬理として細胞性免疫の増強が認められる12ことが添付文書に明記された。その後、同じOka株
を元に作製されたZOSTAVAX®が多くの国で製造販売承認されていること、また様々な臨床研究等128,129に
より、乾燥弱毒生水痘ワクチンの帯状疱疹に対する効果が医学的根拠を持つこと及び国内第Ⅲ相臨床治
験による安全性試験の結果を踏まえて、日本において2016年3月から、50歳以上の人に対する帯状疱疹の
予防効果が効能として追加されている。ZOSTAVAX®は、2006年に帯状疱疹及びPHNを予防する帯状疱疹
ワクチンとして米国で製造販売承認された。ZOSTAVAX®には、水痘発症予防のための弱毒生水痘ワクチ
ンVARIVAX®の約10倍の力価のウイルスが含まれる。阪大微研の乾燥弱毒生水痘ワクチンは、含まれるウ
イルス力価がZOSTAVAX®と大きな差はないことから130、ZOSTAVAX®と同様の有効性が期待できる。
② 乾燥組換え帯状疱疹ワクチン
グラクソ・スミスクライン(GSK)社の乾燥組換え帯状疱疹ワクチン(販売名:シングリックス筋注用
®)は、VZV ウイルス粒子の表面タンパク質の一つである glycoprotein E(gE)とアジュバント AS01B を
組み合わせ、強い細胞性および液性免疫を誘導するよう設計・開発されたた組換えサブユニットワクチン
である。2018 年 3 月、50 歳以上の人に対する帯状疱疹の予防を効能または効果として製造販売承認され
た。本製剤は通常 2 か月間隔で 2 回、筋肉内に接種されるワクチンである。
加齢による免疫機能低下のみならず、疾患や医学的介入のために免疫不全もしくは免疫抑制状態にある
ことは帯状疱疹罹患のリスクを高くする。帯状疱疹に罹患するリスクが高いと考えられる 18 歳以上のハ
イリスク者を対象として、本剤の有効性および安全性が評価され 131 臨床的有効性が確認されたことから、
2023 年 6 月に「帯状疱疹に罹患するリスクが高い 18 歳以上の者」に適用拡大された。
(3)開発中のワクチン
生ワクチンのウイルス株を熱処理により不活化した不活化帯状疱疹ワクチンの開発研究が報告され
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