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05参考資料 帯状疱疹ワクチンファクトシート第二版[3.2MB] (52 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_47466.html |
出典情報 | 厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会(第65回 12/18)《厚生労働省》 |
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チン接種に要する時間)であった。なお、本研究も企業の資金提供によるものである。
2. 令和 6 年度厚生労働科学研究費補助金における分析
今回、年齢層ごとに 2 つのワクチンの費用対効果を比較する必要があることから、先行研究を参考に、
令和 6 年度厚生労働科学研究費補助金(池田班)において新たに費用効果分析を行った。Teng et al. 244 お
よび Shiragami et al. 243 のマルコフモデルをベースに、帯状疱疹ワクチンの自然史モデルを再構築した。
モデル内には、
「帯状疱疹の発症」
「PHN の発症」
「PHN 以外の合併症の発症」
「帯状疱疹死亡」を組み込
んで評価した。
構築したモデルを用いて、
i) ワクチン非接種
ii) 生ワクチン(乾燥弱毒生水痘ワクチン「ビケン」®)接種
iii) 組換えワクチン(Shingrix®)接種
の 3 つの戦略の比較を行った。
分析に用いた主なパラメータを表 16 に示す。
減衰も含めたワクチン効果は、生ワクチンは Izurieta et al. 245 の米国メディケア加入者におけるコホー
ト研究のデータ、組換えワクチンは Boutry et al. 222 の臨床試験データなどを組み込んだ。生ワクチンのワ
クチン効果は、帯状疱疹発症予防効果と PHN 発症予防効果を区別して算出しており、帯状疱疹発症予防
効果は、初年度 38%から 7 年目で 17%まで減衰し、それ以降はゼロとなると仮定した。一方で PHN は、
Izurieta et al. 245 の論文から「帯状疱疹既発症者に対する PHN 発症予防効果」を推計すると、分析期間内
での数値の揺れが大きくなる(初年度 50%、接種 2 年目以降に効果が 25%程度にまで減衰したのち、4~
5 年目付近で再び 50%程度に戻る)
。そのため、生ワクチンの PHN 発症予防効果について 4 通りのシナリ
オを設定し、シナリオごとに分析を実施した。生ワクチンにとっては、シナリオ 1 が最も有利な仮定で、
次いでシナリオ 2・基本分析と続き、シナリオ 3 が最も不利な仮定となる。
基本分析 「PHN 発症予防効果は初年度は 50%, 2~7 年目 25%に減衰」
シナリオ 1 「PHN 発症予防効果は初年度から 7 年目まで 50%を維持」
シナリオ 2 「PHN 発症予防効果は Izurieta et al. 245 の論文通りの数値で推移」
シナリオ 3 「PHN 発症予防効果はゼロ」
なお、Izurieta et al. 245 の論文はワクチン効果をハザード比で計算しているため、分析の際にはリスク比
に変換したうえでモデルに組み込んだ。
組換えワクチンのワクチン効果は、既存研究(Teng et al. 244, Curran et al. 246)と同様に、長期のワクチン
効果の臨床試験結果を援用し、初年度から線形に低下していく設定を組み込んだ。接種時年齢 50~69 歳
では初年度 98.9%・その後年率 1.5%で減衰、70 歳以上では初年度 95.4%・その後年率 2.3%で減衰とした。
帯状疱疹および PHN・その他の合併症の罹患率は、Takao et al. 5 の SHEZ スタディの罹患率データと
Shiragami et al. 243 の推計データを用いた。50 歳以上の帯状疱疹の罹患率として、1,000 人年あたり 9.2 人
~12.9 人の数値を組み込んでいる。罹患率に関するシナリオ分析として、Shiraki et al.(2019)247 の宮崎
スタディにおける帯状疱疹の罹患率(1,000PY あたり 6.65-10.45, ベースケースの SHEZ スタディの数値
50
2. 令和 6 年度厚生労働科学研究費補助金における分析
今回、年齢層ごとに 2 つのワクチンの費用対効果を比較する必要があることから、先行研究を参考に、
令和 6 年度厚生労働科学研究費補助金(池田班)において新たに費用効果分析を行った。Teng et al. 244 お
よび Shiragami et al. 243 のマルコフモデルをベースに、帯状疱疹ワクチンの自然史モデルを再構築した。
モデル内には、
「帯状疱疹の発症」
「PHN の発症」
「PHN 以外の合併症の発症」
「帯状疱疹死亡」を組み込
んで評価した。
構築したモデルを用いて、
i) ワクチン非接種
ii) 生ワクチン(乾燥弱毒生水痘ワクチン「ビケン」®)接種
iii) 組換えワクチン(Shingrix®)接種
の 3 つの戦略の比較を行った。
分析に用いた主なパラメータを表 16 に示す。
減衰も含めたワクチン効果は、生ワクチンは Izurieta et al. 245 の米国メディケア加入者におけるコホー
ト研究のデータ、組換えワクチンは Boutry et al. 222 の臨床試験データなどを組み込んだ。生ワクチンのワ
クチン効果は、帯状疱疹発症予防効果と PHN 発症予防効果を区別して算出しており、帯状疱疹発症予防
効果は、初年度 38%から 7 年目で 17%まで減衰し、それ以降はゼロとなると仮定した。一方で PHN は、
Izurieta et al. 245 の論文から「帯状疱疹既発症者に対する PHN 発症予防効果」を推計すると、分析期間内
での数値の揺れが大きくなる(初年度 50%、接種 2 年目以降に効果が 25%程度にまで減衰したのち、4~
5 年目付近で再び 50%程度に戻る)
。そのため、生ワクチンの PHN 発症予防効果について 4 通りのシナリ
オを設定し、シナリオごとに分析を実施した。生ワクチンにとっては、シナリオ 1 が最も有利な仮定で、
次いでシナリオ 2・基本分析と続き、シナリオ 3 が最も不利な仮定となる。
基本分析 「PHN 発症予防効果は初年度は 50%, 2~7 年目 25%に減衰」
シナリオ 1 「PHN 発症予防効果は初年度から 7 年目まで 50%を維持」
シナリオ 2 「PHN 発症予防効果は Izurieta et al. 245 の論文通りの数値で推移」
シナリオ 3 「PHN 発症予防効果はゼロ」
なお、Izurieta et al. 245 の論文はワクチン効果をハザード比で計算しているため、分析の際にはリスク比
に変換したうえでモデルに組み込んだ。
組換えワクチンのワクチン効果は、既存研究(Teng et al. 244, Curran et al. 246)と同様に、長期のワクチン
効果の臨床試験結果を援用し、初年度から線形に低下していく設定を組み込んだ。接種時年齢 50~69 歳
では初年度 98.9%・その後年率 1.5%で減衰、70 歳以上では初年度 95.4%・その後年率 2.3%で減衰とした。
帯状疱疹および PHN・その他の合併症の罹患率は、Takao et al. 5 の SHEZ スタディの罹患率データと
Shiragami et al. 243 の推計データを用いた。50 歳以上の帯状疱疹の罹患率として、1,000 人年あたり 9.2 人
~12.9 人の数値を組み込んでいる。罹患率に関するシナリオ分析として、Shiraki et al.(2019)247 の宮崎
スタディにおける帯状疱疹の罹患率(1,000PY あたり 6.65-10.45, ベースケースの SHEZ スタディの数値
50