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資料3-1 感染症定期報告感染症別文献一覧表[551KB] (3 ページ)
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公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_53729.html |
出典情報 | 薬事審議会 医薬品等安全対策部会(令和6年度第3回 3/14)《厚生労働省》 |
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ID
感染症(PT)
出典
概要
ProMED-mail 20240828.8718431
最近の報告で、エジプトのフルーツコウモリ(Rousettus aegyptiacus)において新規ポックスウ
イルス(IsrRAPXV)が同定されている。このポックスウイルスは、コウモリの高い罹患率及び死
亡率と関係している。ここで、全身症状と手の重症有痛性皮膚病変のために入院した女性患
者において同定されたポックスウイルスについて述べる。病原体としての本ポックスウイルス
を同定及び特徴付けするために、qPCR、全ゲノムシーケンス解析及び系統発生学的解析を
実施した。本症例は、イスラエル・コウモリ保護団体が運営するコウモリ保護施設のボランティ
アとして、傷ついたコウモリや病気のコウモリと関わっていた。皮膚病変から採取された検体
は、PCRによってIsrRAPXVの存在が陽性であった。さらに、系統発生学的解析は、本ウイルス
が以前フルーツコウモリにおける皮膚病変の原因物質として報告されたIsrRAPXVと同一であ
ることを示した。今回の結果は、IsrRAPXVが人獣共通感染症であることが示唆され、したがっ
てコウモリ保護施設で働く獣医師やボランティアは、コウモリを取り扱うためのガイドラインに細
心の注意を払い、また必要な個人保護具を使用すべきである。
9 ウイルス感染
ProMED-mail 20240910.8718671
2019年に中国内モンゴルの湿地公園でダニに咬まれた男性において、これまで同定されてい
なかったオルソナイロウイルスが確認され、これはWELVと呼ばれた。初発症例からウイルス
が分離された後、Beijing Institute of Microbiology and Epidemiologyの研究者らは、発熱とダニ
咬傷の既往を有する入院患者におけるWELV感染の有病率を判定するためにサーベイランス
を実施した。
初発症例は61歳の男性で、ダニに咬まれてから5日後に発熱と多臓器機能不全を発現し、
2019年6月に入院した。WELVはナイロウイルス科オルソナイロウイルス属に属し、クリミア・コ
ンゴ出血熱ウイルスを含むダニ媒介性Hazaraオルソナイロウイルス遺伝子群と最も近縁で
あった。
中国の4地域の患者17人が発熱、浮動性めまい、頭痛、倦怠感、筋肉痛、関節炎、背部痛な
どの非特異的症状を呈し、点状出血(毛細血管からの出血による皮膚又は粘膜の斑)、限局
性リンパ節腫脹、神経症状を呈することもあった。この患者らはRT-PCR法によりWELVを保有
していると診断された。共通する検査結果は白血球減少症、血小板減少症、Dダイマー高値
(血塊を示す)、乳酸脱水素酵素高値(組織又は臓器の損傷を示す)であった。回復した患者8
人の血清を検査したところ、急性感染時に採取された試料よりも4倍高い濃度のWELV特異的
抗体が検出された。野外調査では、中国北東部で採取された5種のダニに加え、ヒツジ、ウ
マ、ブタ、ヒガシモグラネズミからWELV RNAが検出された。
初発症例とダニから分離されたWELVは、ヒト臍帯静脈内壁細胞において細胞変性作用を示し
た。このウイルスをマウスやハムスターの腹部に注射すると、感染、脳障害、死亡が生じた。
研究者らは、イスカチマダニが動物にWELVを感染させること、動物は卵巣を介してその子孫
に感染させる可能性があること、WELV感染症の初期症状は非特異的疾患として現れるため
他のダニ媒介性疾患との鑑別診断が必要であること、新興オルソナイロウイルスの監視と検
出を改善することでこれらのウイルスが人間の健康に及ぼす影響をよりよく理解できるように
なることについて述べた。
10 ウイルス感染
UKHSA.
最近発表された研究では、Dadongウイルス(DDV)と名付けられた新規のオルソナイロウイル
https://www.gov.uk/government/publicatio
スが、中国と北朝鮮の国境にあるDadong村のイスカチマダニから検出されたことが報告され
ns/emerging-infections-monthlyた。さらにこの地域では、ウシとマウスにおけるDDVの循環が血清学的な証明がされた。著者
summaries/infectious-diseaseらは、DDVがもたらす公衆衛生上の潜在的リスクを評価するために、ヒトサンプルを用いた血
surveillance-and-monitoring-for-animal清学的調査の必要性を報告している。
and-human-health-summary-april-2024
11 ウイルス感染
WHO ホームページ.
https://www.who.int/news/item/14-082024-who-director-general-declaresmpox-outbreak-a-public-healthemergency-of-international-concern
【要約】WHO事務局長、エムポックスのアウトブレイクを国際的に懸念される公衆衛生上の緊
急事態と宣言:WHO事務局長は、コンゴ民主共和国(DRC)及びアフリカのますます多くの国に
おけるmpoxの急増が、国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)に該当すると判
断した。
このPHEICの決定は、エムポックスに関連する2年間で2回目である。オルトポックスウイルス
によって引き起こされるエムポックスは、1970年にDRCで初めてヒトで検出された。この病気
は、中央アフリカと西アフリカの国々に特有の病気であると考えられている。2022年7月、エム
ポックスの複数国での発生は、ウイルスがこれまで確認されていなかったさまざまな国で性的
接触を介して急速に広がったため、PHEICと宣言された。
【状況の説明】このPHEICは、世界的な症例数が継続的に減少したことを受けて、2023年5月
に終息が宣言された。DRCでは10年以上前からエムポックスが報告されており、この間毎年報
告される症例数は着実に増加している。2023年は報告症例数が大幅に増加し、2024年のこれ
までに報告された症例数はすでに2023年の合計を超え、症例数は15,600件を超え、死亡者数
は537人となっている。昨年、DRCで新たなウイルス株(系統1b)が出現し、急速に拡大した。こ
のウイルス株は主に性的ネットワークを通じて広がっていると考えられ、DRCの近隣諸国で検
出されたことは特に懸念されるものであり、PHEIC宣言の主な理由の1つとなっている。過去1
カ月間に、DRCに隣接するブルンジ、ケニア、ルワンダ、ウガンダの4カ国で、これまでエムポッ
クスが報告されていなかった1b系統の症例が100件以上、検査で確認されたことが報告されて
いる。専門家は、臨床的に適合する症例の大部分が検査されていないため、実際の症例数は
これよりも多いと考えている。さまざまな国で、さまざまな系統のエムポックスによる流行が複
数発生しており、感染経路やリスクのレベルも異なる。
J Vet Med Sci. 86(2024)322-324
この研究は、家畜のブタにおけるY. enterocolitica やY. pseudotuberculosis などの病原性エル
シニアに対する抗体の保有率を調査することを目的とした。日本の千葉県の9つの地域のブタ
から採取した合計650の血清サンプルを、プラスミドにコードされたエルシニア外膜タンパク質
(Yops) 抗原ELISAを使用して検査した。カットオフ値は、20個の病原性エルシニアを含まない
ブタ血清サンプルを使用して計算した。カットオフ値によれば、研究期間中に7つの地域からの
246頭(37.8%)のブタが病原性エルシニアの血清陽性であると考えられた。これらの結果は、
病原性エルシニア菌が千葉県のブタに蔓延しており、この地域におけるヒトエルシニア症の発
生源となる可能性があることを示している。
8 ウイルス感染
12 エルシニア感染
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感染症(PT)
出典
概要
ProMED-mail 20240828.8718431
最近の報告で、エジプトのフルーツコウモリ(Rousettus aegyptiacus)において新規ポックスウ
イルス(IsrRAPXV)が同定されている。このポックスウイルスは、コウモリの高い罹患率及び死
亡率と関係している。ここで、全身症状と手の重症有痛性皮膚病変のために入院した女性患
者において同定されたポックスウイルスについて述べる。病原体としての本ポックスウイルス
を同定及び特徴付けするために、qPCR、全ゲノムシーケンス解析及び系統発生学的解析を
実施した。本症例は、イスラエル・コウモリ保護団体が運営するコウモリ保護施設のボランティ
アとして、傷ついたコウモリや病気のコウモリと関わっていた。皮膚病変から採取された検体
は、PCRによってIsrRAPXVの存在が陽性であった。さらに、系統発生学的解析は、本ウイルス
が以前フルーツコウモリにおける皮膚病変の原因物質として報告されたIsrRAPXVと同一であ
ることを示した。今回の結果は、IsrRAPXVが人獣共通感染症であることが示唆され、したがっ
てコウモリ保護施設で働く獣医師やボランティアは、コウモリを取り扱うためのガイドラインに細
心の注意を払い、また必要な個人保護具を使用すべきである。
9 ウイルス感染
ProMED-mail 20240910.8718671
2019年に中国内モンゴルの湿地公園でダニに咬まれた男性において、これまで同定されてい
なかったオルソナイロウイルスが確認され、これはWELVと呼ばれた。初発症例からウイルス
が分離された後、Beijing Institute of Microbiology and Epidemiologyの研究者らは、発熱とダニ
咬傷の既往を有する入院患者におけるWELV感染の有病率を判定するためにサーベイランス
を実施した。
初発症例は61歳の男性で、ダニに咬まれてから5日後に発熱と多臓器機能不全を発現し、
2019年6月に入院した。WELVはナイロウイルス科オルソナイロウイルス属に属し、クリミア・コ
ンゴ出血熱ウイルスを含むダニ媒介性Hazaraオルソナイロウイルス遺伝子群と最も近縁で
あった。
中国の4地域の患者17人が発熱、浮動性めまい、頭痛、倦怠感、筋肉痛、関節炎、背部痛な
どの非特異的症状を呈し、点状出血(毛細血管からの出血による皮膚又は粘膜の斑)、限局
性リンパ節腫脹、神経症状を呈することもあった。この患者らはRT-PCR法によりWELVを保有
していると診断された。共通する検査結果は白血球減少症、血小板減少症、Dダイマー高値
(血塊を示す)、乳酸脱水素酵素高値(組織又は臓器の損傷を示す)であった。回復した患者8
人の血清を検査したところ、急性感染時に採取された試料よりも4倍高い濃度のWELV特異的
抗体が検出された。野外調査では、中国北東部で採取された5種のダニに加え、ヒツジ、ウ
マ、ブタ、ヒガシモグラネズミからWELV RNAが検出された。
初発症例とダニから分離されたWELVは、ヒト臍帯静脈内壁細胞において細胞変性作用を示し
た。このウイルスをマウスやハムスターの腹部に注射すると、感染、脳障害、死亡が生じた。
研究者らは、イスカチマダニが動物にWELVを感染させること、動物は卵巣を介してその子孫
に感染させる可能性があること、WELV感染症の初期症状は非特異的疾患として現れるため
他のダニ媒介性疾患との鑑別診断が必要であること、新興オルソナイロウイルスの監視と検
出を改善することでこれらのウイルスが人間の健康に及ぼす影響をよりよく理解できるように
なることについて述べた。
10 ウイルス感染
UKHSA.
最近発表された研究では、Dadongウイルス(DDV)と名付けられた新規のオルソナイロウイル
https://www.gov.uk/government/publicatio
スが、中国と北朝鮮の国境にあるDadong村のイスカチマダニから検出されたことが報告され
ns/emerging-infections-monthlyた。さらにこの地域では、ウシとマウスにおけるDDVの循環が血清学的な証明がされた。著者
summaries/infectious-diseaseらは、DDVがもたらす公衆衛生上の潜在的リスクを評価するために、ヒトサンプルを用いた血
surveillance-and-monitoring-for-animal清学的調査の必要性を報告している。
and-human-health-summary-april-2024
11 ウイルス感染
WHO ホームページ.
https://www.who.int/news/item/14-082024-who-director-general-declaresmpox-outbreak-a-public-healthemergency-of-international-concern
【要約】WHO事務局長、エムポックスのアウトブレイクを国際的に懸念される公衆衛生上の緊
急事態と宣言:WHO事務局長は、コンゴ民主共和国(DRC)及びアフリカのますます多くの国に
おけるmpoxの急増が、国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)に該当すると判
断した。
このPHEICの決定は、エムポックスに関連する2年間で2回目である。オルトポックスウイルス
によって引き起こされるエムポックスは、1970年にDRCで初めてヒトで検出された。この病気
は、中央アフリカと西アフリカの国々に特有の病気であると考えられている。2022年7月、エム
ポックスの複数国での発生は、ウイルスがこれまで確認されていなかったさまざまな国で性的
接触を介して急速に広がったため、PHEICと宣言された。
【状況の説明】このPHEICは、世界的な症例数が継続的に減少したことを受けて、2023年5月
に終息が宣言された。DRCでは10年以上前からエムポックスが報告されており、この間毎年報
告される症例数は着実に増加している。2023年は報告症例数が大幅に増加し、2024年のこれ
までに報告された症例数はすでに2023年の合計を超え、症例数は15,600件を超え、死亡者数
は537人となっている。昨年、DRCで新たなウイルス株(系統1b)が出現し、急速に拡大した。こ
のウイルス株は主に性的ネットワークを通じて広がっていると考えられ、DRCの近隣諸国で検
出されたことは特に懸念されるものであり、PHEIC宣言の主な理由の1つとなっている。過去1
カ月間に、DRCに隣接するブルンジ、ケニア、ルワンダ、ウガンダの4カ国で、これまでエムポッ
クスが報告されていなかった1b系統の症例が100件以上、検査で確認されたことが報告されて
いる。専門家は、臨床的に適合する症例の大部分が検査されていないため、実際の症例数は
これよりも多いと考えている。さまざまな国で、さまざまな系統のエムポックスによる流行が複
数発生しており、感染経路やリスクのレベルも異なる。
J Vet Med Sci. 86(2024)322-324
この研究は、家畜のブタにおけるY. enterocolitica やY. pseudotuberculosis などの病原性エル
シニアに対する抗体の保有率を調査することを目的とした。日本の千葉県の9つの地域のブタ
から採取した合計650の血清サンプルを、プラスミドにコードされたエルシニア外膜タンパク質
(Yops) 抗原ELISAを使用して検査した。カットオフ値は、20個の病原性エルシニアを含まない
ブタ血清サンプルを使用して計算した。カットオフ値によれば、研究期間中に7つの地域からの
246頭(37.8%)のブタが病原性エルシニアの血清陽性であると考えられた。これらの結果は、
病原性エルシニア菌が千葉県のブタに蔓延しており、この地域におけるヒトエルシニア症の発
生源となる可能性があることを示している。
8 ウイルス感染
12 エルシニア感染
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