よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


資料2-2 TERMS 改訂案 第8版 (4 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25755.html
出典情報 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(令和4年度第4回 5/24)《厚生労働省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

76

1.背景

77

サリドマイドは、1950 年代後半に催眠鎮静薬としてドイツで開発された薬剤であり、本邦に

78

おいても催眠鎮静薬や胃腸薬として広く使用され、また、つわり止めとしても処方された。し

79

かし、サリドマイドを妊娠中に服用した場合、胎児への重大な障害や死産を引き起こすことが

80

明らかとなり、販売の中止と回収が行われた。

81

このように、サリドマイドは医薬品市場から撤退したにもかかわらず、その後も薬効の研究

82

は続けられ、1998 年に米国 FDA はらい性結節性紅斑を適応症として厳重な管理システムのも

83

とにサリドマイドの使用を承認した。また、1999 年に多発性骨髄腫に対する有効性が米国で報

84

告される等、その開発が国際的に続けられている。現在、米国、オーストラリア、ニュージー

85

ランド、EU 等で厳格な安全管理のもとでの使用を条件に承認されている。

86

本邦では、2000 年ごろよりサリドマイドの個人輸入量が増加傾向にあり、関係学会によって

87

安全管理のためのガイドラインが作成され、その周知徹底が図られた。なお、本邦の多発性骨

88

髄腫患者約 14,000 人のうち 800 人程度の患者が個人輸入薬により治療を受けていると推定さ

89

れた(サリドマイドの輸入量から算出)。また、薬監証明を受けて個人輸入を行っている病院等

90

の施設は、2007 年度において 300 施設弱であった。

91

このような状況のもと、藤本製薬株式会社は、サリドマイド製剤(

)の製造販

92

売開始にあたり、本邦の医療現場にあった安全管理手順が必要と考え、関係者の意見を伺いな

93

がら、情報提供及び教育、登録、中央一元管理、評価を重要な構成要素とする本手順を作成し

94

た。

95

サリドマイド製剤(

)が 2008 年 10 月に「再発又は難治性の多発性骨髄腫」

96

の治療薬として承認を受けて以来、本手順の実施状況等の調査結果を踏まえ、患者の治療アク

97

セスを阻害せずに胎児曝露を防止するという観点から、必要な改訂を行ってきた。

98

2012 年 5 月には「らい性結節性紅斑」の効能・効果の追加承認による改訂を行い、さらに

99

2021 年 2 月に「クロウ・深瀬(POEMS)症候群」の効能・効果の追加承認を取得したことか

100
101

ら、改訂を行った。
202Y 年 M 月に医療現場の利便性を図るためにタブレット端末を追加導入したことにより、

102

改訂を行った。

103

2.目的

104

本手順は、藤本製薬株式会社が製造販売承認を受けたサリドマイド製剤(

;以

105

下、
「本剤」という)を厳格に管理し、併せてこの厳格な管理を基盤とした本剤の適正な使用を

106

推進し、本剤の胎児への曝露を防止することを目的とする。

1

- 4-