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○先進医療Bに係る新規技術の科学的評価等について別紙3 (29 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000205617_00049.html
出典情報 先進医療会議(第113回 8/4)《厚生労働省》
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【別添4】
「切除不能な肝門部領域胆管癌に対する生体肝移植」の有効性及び安
全性の評価(申請書類より抜粋)
7-1.有効性及び安全性の評価
Primary endpoint
切除不能(切除可能境界含む)な肝門部領域胆管癌の生体肝移植後の 3 年全生存率。
本試験は切除不能な肝門部領域胆管癌症例を対象とした生体肝移植の有効性および安全性を検討す
る多施設共同試験である。Primary endpoint は、本試験に登録されたうち生体肝移植施行症例の 3 年全
生存率とする。
本試験においては移植群施行例が 7 名以上必要とし、3 年生存率が 42%を上回った場合、生体肝移植
の有効性が確認されたと判断する。切除不能な肝門部領域胆管癌に対する世界最多の肝移植実績を有す
る米国 Mayo Clinic の報告によれば、生体肝移植後の 3 年全生存率は 73 名全体で 69.9%であるが、摘出
肝に(術前治療が完全奏功せずに)遺残腫瘍を認めた 35 名の 3 年全生存率は 40%–50%台であった(Tan
EK et al. J Am Coll Surg 2020)。積極的に肝門部領域胆管癌の拡大切除を行ってきた日本において
「切除不能」と判断された症例は、米国での移植症例よりもさらに進行している可能性を考慮すると、
本試験の対象患者の多くは術前治療後も高い確率で腫瘍が遺残すると想定される。「3.期待される適
応症、効能及び効果」で述べたように米国では Mayo Clinic の治療成績に基づき 2010 年より切除不能
な肝門部領域胆管癌を通常の移植適応のひとつとした経緯があることから、本試験でも Mayo Clinic の
予後と同等以上の結果が得られた場合に生体肝移植が有効であると臨床的に考えられる。このような理
由から、本研究においては 3 年全生存率が点推定値で 41.6%以上である場合、生体肝移植が臨床的に有
効であるとする(7-2.予定の試験期間及び症例数を参照)。
Secondary endpoints
Primary endpoint では、上述のごとく移植群に着目し生体肝移植の有効性を検討するが、Secondary
endpoint としては、安全性の指標として肝移植周術期における有害事象の発生を検討し、加えて、移植群
と非移植群との比較を含め以下の指標を検討する。
① 切除不能(切除可能境界含む)な肝門部領域胆管癌に対する生体肝移植術の短期(生体肝移植から
退院に至るまで)手術成績(手術時間、出血量、周術期合症、在院死亡率)
② 移植群の腫瘍再発率、再発形式、再発後治療
③ 移植群の腫瘍再発以外の有害事象(Clavien–Dindo 分類に沿って記載)の有無と治療内容
④ 移植群の 3 年無再発生存率、3 年グラフト生存率
⑤ 移植群および非移植群(病勢の進行または生体ドナー不在で移植適応なしと判断された時点まで)
における術前治療の効果(明らかな肝内転移およびリンパ節を含む肝外転移出現の有無、および原
発腫瘍について可能な場合には RECISTv1.1 に基づく最良総合効果(研究担当医師判定))
⑥ 移植群および非移植群(病勢の進行または生体ドナー不在で移植適応なしと判断された時点まで)
における術前治療の安全性(CTCAE ver 5.0 に沿って記載)
⑦ 非移植群の割合、患者背景、治療内容および効果(RECISTv1.1 に基づく奏効率(研究担当医師判
定))、3 年生存率
統計解析

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