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資 料 3-2 令和4年度第1回適正使用調査会の審議結果について (13 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_30905.html
出典情報 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会血液事業部会運営委員会(令和4年度第4回 2/7)《厚生労働省》
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令和 4 年度適正使用調査会
治療法の件数 による差異 を提示し た。統計 学的解析には Wilcoxon の順位 和 検定を使用し た。

【考察】
今回は輸血部門で業務と考えている事項、血液製剤の適正使用の評価を業務とし て
いる施設の特徴、適正使用推進の課題等を調査・分析した。輸血部門は輸血療法委員
会を実施し、輸血に関連する検査や血液製剤の保管・管理などの輸血に関する 全ての
業務を集中的に行うこととされている。輸血部門で業務と考えていることに施設規模
による差異は少なく、上記の輸血検査や血液製剤の管理・使用状況に関すること、輸
血療法に伴う副反応 ・インシデントについては多くの施設で業務と考えられていた。
一方、適正使用の事前・事後評価を業務と考えていたのは 500 床以上では 55%程度、
499 床以下では 30~40%であり、適正使用に対する姿勢に施設間差のあることが伺
われた。輸血療法委員会では症例検討を含む適正使用推進の方法を考えることとさ
れ、同委員会の規約には適正使用推進の記載がある施設が多いものの、実際にそれが
検討された割合は 300 床以上で 70%、299 床以下では 50%前後と規約との乖離がみ
られた。また、300 床以上で適正使用の評価を業務と考えている施設の中で実際に評
価を行っていた施設も 70~80%程度に留まっ ており、これらの乖離を小さくする取
り組みが必要である。
適正使用の評価を業務と考えている施設では、輸血に関する人員体制の整備率が高
く(特に 299 以下の小規模施設)、適正使用推進に効果のあったこととして病院機能
評価・輸血機能評価を 挙げている比率が高かった。また、看護部門 や薬剤部門、診療
部門などと連携している割合 が高かった。さらに適正使用推進に必要なこととして、
最新の使用指針の情報提供、輸血管理料の改定、外部監査の活用を挙げている施設の
割合も高かった。以上より適正使用の評価を業務と考えている施設 の特徴は、輸血療
法に対する意識が高く、院内の各部門との医療連携が図られ、外部監査を活用してい
ることであった。
適正使用推進についての問題点には、各規模の施設で共通のものに適正使用推進の
責任者が不明確、多職種の関与がルール化されていない等が挙げられた。これらのこ
とは「輸血療法の実施に関する指針」で明確化すると共に、適正使用についての情報
提供を行いやすい環境の整備も望まれる。また大規模施設では担当医師の専門分野外
での知識不足、小規模施設では適正使用について検討する機会がない ことが多く挙げ
られた。前者では医師への教育機会、後者では地域での医療連携などが対策として 考
えられる。しかし、100 床未満の施設での医療連携への希望は 10%前後と少なく、小
規模施設の状況に見合った別の対策も必要である。
輸血管理料の適正使用加算は 本来各施設の適正使用の取り組みに対するインセン
ティブと思われるが、高度の医療機能を提供している病院の一部ではそれが評価され
ていない状況がみられた。特に肝移植、心臓大血管手術、造血幹細胞移植、血漿交換
などの治療法を多く実施している施設では影響が大きかった。大量出血時には新鮮凍
結血漿:血小板濃厚液:赤血球液=1:1:1 の比率で投与することが推奨されており、
最新のガイドラインに基づいた適切な適正使用加算の指標も検討すべき時期にきて
いる。
【結語】輸血部門での血液製剤適正使用を推進するために、適正使用の意識を高めて
院内各部門との連携強化を図れるような体制整備が必要と考えられた。それらを支援
するための外部評価システムの導入や適正使用加算の見直しも検討すべきである。
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