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今後の脳科学研究の方向性について 中間とりまとめ(案) (12 ページ)

公開元URL https://www.lifescience.mext.go.jp/2023/06/7050629.html
出典情報 ライフサイエンス委員会 脳科学作業部会(第7回 6/29)《文部科学省》
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年度合わせて 20 課題採択した。これらの課題には、情報科学・工学など他研
究領域の研究者も参加し、従来の脳科学の枠を超えた独創的な研究が行われて
いる。

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(ⅴ)意思決定
平成 28 年 11 月に、霊長類特有の意思決定の神経回路機構を新しい回路操作
技術や神経活動のイメージング技術を駆使して解明し、新しい認知行動療法の
基礎となる知識を創生することを目的に以下のチームで研究を開始し、令和 2 年
度に終了した。ただし、うち3課題7については令和 2 年に行われた事後評価に
おいて、
「研究開発期間を 1 年延長すべき課題」であると評価され、令和3年度
を最終年度として研究開発を実施した。
・ヒトの行動選択の基盤となる神経システムの研究(意思基盤)チーム
・意思決定関連システムの機能検証技術の開発(意思機能)チーム
・柔軟な意思決定・行動選択の解析・手法の開発(意思評価)チーム

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意思基盤チームでは、報酬による意思決定および環境変化への適応機構につ
いてチーム内で連携し、アイコンタクトや共同注視、協力行動などの二個体間の
相互作用に関与する脳領域を絞り込み、ギャンブル依存症の神経メカニズムな
ど、意思決定に関与する脳領域の知見を得た。
意思機能チームでは、新規 DREADD リガンド PET によって化学遺伝学的手法

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とイメージングを組み合わせた独創的かつ先駆的な手法を用いて意思決定のメ
カニズムに関して先進的な知見を得た。また、2 光子カルシウムイメージングを
応用し、二択意思決定課題で報酬関連機能の回路制御を明らかにするなどの知
見も得た。
意思評価チームでは、マーモセットの子育て・親子コミュニケーション行動を定
量的に解析し、子育てと子の愛着の相互作用に関する基礎的知見や、機能的解析
やデコーディングなどの積極的な導入により、霊長類特有の本能行動の意思決
定に係る神経回路基盤の一端が解明された。
本事業では、柔軟な環境適応を可能とするヒト・非ヒト霊長類動物の意思決定
と行動選択の神経システムについて多くの先進的な成果を挙げると共に、ギャ

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ンブル依存患者などの神経疾患・精神疾患の病態理解に貢献する成果を挙げた。

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③研究の裾野拡大の状況

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化学遺伝学イメージング:神経路の可視化と操作による意思決定ネットワークの解明(南本課題)
、霊
長類大脳基底核の意思決定最終出力表現の検証技術開発(松崎課題)
、社会的な意思決定と行動制御のシ
ステム的理解に向けた研究手法の開発(磯田課題)

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