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今後の脳科学研究の方向性について 中間とりまとめ(案) (14 ページ)

公開元URL https://www.lifescience.mext.go.jp/2023/06/7050629.html
出典情報 ライフサイエンス委員会 脳科学作業部会(第7回 6/29)《文部科学省》
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において、嗅覚経路に沿って異常なαシヌクレイン凝集体が伝播するという、分
子と病態回路をつなぐ研究成果 9 もでている。また、αシヌクレイン凝集体に着
目すると、線維形成の前の不安定なオリゴマーなどの段階で毒性があり、オリゴ
マーがシナプス機能を障害するという研究成果11もでている。さらに、タウ凝集
体についても、神経回路に沿ってマウス脳内を伝播するという成果 9 もでている。
また、革新脳で開発したタウタンパク質の病変を可視化する技術と正常脳の
機能的・解剖的連結(コネクトーム)に関するオープンデータベースを組み合わ
せることで、病変のデータからコア領域を同定する手法12も活用されてきている。
これを活用することにより、タウタンパク質が蓄積していない領域を含む神経
回路システムで病気が発生している可能性が示唆されている。
このように、これまでの研究の進展により基礎的な回路研究が疾患の治療に
役立つ段階にきていると考えられる。また、回路異常に影響を及ぼすとされてい
るオリゴマーなどの in vivo で検出できないものを可視化する技術開発や回路
や分子をつなぐシナプスの役割解明などの理解が進めば、更なる研究の進展が
期待される。

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3.今後の脳科学研究の方向性
「脳とこころの研究推進プログラム」における成果や課題、国内外の動向等を
踏まえ、現代社会が直面する認知症やうつ病といった神経疾患・精神疾患等の課
題の克服やイノベーションの創出に向けて、今後の脳科学研究の方向性を以下
の通り示す。

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(1)研究目標について
これまでのプログラムでは神経回路レベルに着目した脳の機能解明を中心に
研究が実施されてきたが、上述のとおり、近年、神経回路研究を生かした疾患の
診断・治療等に関する研究の進展もみられる。
このような状況において、今後は、これまでの研究を更に発展させ、多種・多
次元・多階層データ13を創出・統合し、効果的に活用するための研究環境を新た
に整備し、神経疾患・精神疾患の診断・治療等へ貢献するための研究を推進すべ
きである。
具体的には、今後の脳科学研究の方向性については、今後 10 年程度と今後 5
年程度の目標を設定し、研究を推進していくこととする。

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第 6 回脳科学作業部会 高橋先生説明資料
第 6 回脳科学作業部会 樋口先生説明資料
ヒトや実験動物等の遺伝子、分子、1細胞、神経回路、構造、疾患の経時変化や行動に係るデータ。

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