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今後の脳科学研究の方向性について 中間とりまとめ(案) (4 ページ)

公開元URL https://www.lifescience.mext.go.jp/2023/06/7050629.html
出典情報 ライフサイエンス委員会 脳科学作業部会(第7回 6/29)《文部科学省》
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ブレイン・マシーン・インターフェース(BMI)、ニューロビジネス、量子コンピ
ューター等への応用が期待されている。
今般、
「脳とこころの研究推進プログラム」のうち、
「革新的技術による脳機能
ネットワークの全容解明プロジェクト」
(以下「革新脳」という。)及び「戦略的
国際脳科学研究推進プログラム」
(以下「国際脳」という。)が令和5年度に終了
する予定である。これまでの成果や課題を整理しつつ、健康・医療への貢献や近
年の解析・計測技術の発展によるドライ実験(数理科学・情報科学)とウェット
実験(動物実験、遺伝子操作など)の融合などの世界的な潮流も踏まえ、双方向
性トランスレーショナル研究の体制強化等による画期的な診断・治療等のシー

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ズ開発に向けた新たな脳科学研究の方向性をとりまとめた。

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2.脳科学研究の現状と課題
(1)脳科学研究の世界的動向
①米国の状況
BRAIN Initiative は、2013 年に発表され、脳を理解するための革新的な技術
開発とシナプスから全脳レベルに至るネットワークの包括的な解明を目的とし
ている。プロジェクト運営のための政府側の資金提供は National Institutes
of Health(NIH)、National Science Foundation(NSF)、Defense Advanced
Research Projects Agency(DARPA)等により実施され、各機関が独自の目的を
保持しつつ、全体目標にプログラムを集束させる体制である。政府予算規模は、
初年度(2014 年度)は約 1.1 億ドルであったが、これまでの総額は約 24 億ドル
であり、2026 年までに総額合計 50 億ドル以上の予算規模が見込まれている。
今後は、Brain2.0 として、2025 年まで、(1)包括的なヒトの脳細胞アトラスの
構築、(2)哺乳類の脳全体のマイクロコネクティビティマップを完成させるため
に必要なツールの開発、(3)脳細胞に正確にアクセスするためのツールの開発、
という3つの柱を展開することで、神経科学の変革を進めることとしている。

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②欧州の状況
EU FET(Future and Emerging Technologies)フラッグシップ・プログラム
として Human Brain Project(HBP)を 2013 年に開始した。HBP は、10 か年計画で
約 6.1 億ユーロ、16 か国の 123 機関が参加。生物学的な研究と情報通信技術の
融合を実現して、ヒト脳の神経回路のシミュレーションを実現することを最終
ゴールとして掲げている。
HBP の設立当初はその前身がスーパーコンピューターによるげっ歯類大脳皮
質の局所神経回路の動作をシミュレーションする Blue Brain Project であった
ため、情報科学、計算機科学の比重を強めた研究計画となっていたが、その後に
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