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資料2-2 重篤副作用疾患別対応マニュアル 骨吸収抑制薬に関する顎骨壊死・顎骨骨髄炎(案)[6.1MB] (11 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000209243_00011.html
出典情報 重篤副作用総合対策検討会(第16回 10/17)《厚生労働省》
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B.医療関係者の皆様へ
1.

MRONJ の概要

2003 年ビスホスホネート製剤(BP)と関連する顎骨壊死が初めて
報 告 さ れ た 。 1 ) 2007 年 に 米 国 口 腔 顎 顔 面 外 科 学 会 ( American
Association of Oral and Maxillofacial Surgeons: AAOMS)より BP
関 連 顎 骨 壊 死 ( bisphosphonate-related osteonecrosis of the
jaws:BRONJ)に関するポジションペーパー(PP)が発行され 2)、2022
年に最新版 3)が出版されている(AAOMS 2022)。本邦での BRONJ に関
する PP は 2010 年に作成され 4)、その後 BP とは異なる機序で同じ骨
吸収抑制作用を有する抗 RANKL 抗体製剤(デノスマブ、Dmab)におい
ても顎骨壊死を発症するリスクがあることから、名称を
Antiresorptive agent-related osteonecrosis of the jaws:ARONJ
と変更し、2016 年に改訂された 5)(PP 2016)。2023 年の PP 最新版 6)
(PP 2023)では BP や Dmab 以外に血管新生阻害薬や免疫抑制薬などと
の併用で顎骨壊死が発症することから、様々な骨修飾作用を有する
薬剤に関連する顎骨疾患という位置づけで薬剤関連顎骨壊死
(Medicated-related osteonecrosis of the jaws:MRONJ)の呼称を
用いている。
これらの PP により、MRONJ の疾患概念は、医療関係者ならびに患
者へと浸透し、発症予防および早期診断・早期治療の重要性は広く認
識されるようになった。しかし、日本口腔外科学会の疾患調査ではそ
の発症数は 2017 年は 4950 例、2021 年は 7077 例と増加している。と
くに本邦では骨粗鬆症に対する低用量の骨吸収抑制薬に由来する
MRONJ が半数以上を占めていると考えられる 6)。
(1) 定義
下記の 3 項目を満たした場合に MRONJ と診断する。
① BP や Dmab による治療歴がある。
② 8 週間以上持続して、口腔・顎・顔面領域に骨露出を認める。
または、口腔内、あるいは口腔外から骨を触知できる瘻孔を 8
週間以上認める。
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