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資料2-2 重篤副作用疾患別対応マニュアル 骨吸収抑制薬に関する顎骨壊死・顎骨骨髄炎(案)[6.1MB] (29 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000209243_00011.html
出典情報 重篤副作用総合対策検討会(第16回 10/17)《厚生労働省》
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(3)

医歯薬連携による予防
MRONJ 予防には、医師と歯科医師だけではなく、患者と接する薬
剤師とも情報を共有し、それぞれの役割や治療の重要性を互いに理
解することが大切である。骨吸収抑制薬を使用する場合は、医師は
歯科の介入を依頼し、それに基づいて歯科医師は適切な診査診断を
行い、口腔管理を継続することが大切である。また、薬剤師にも
MRONJ に対する正しい知識の下で患者と接してもらう必要があり、
そのために情報を適切に共有して連携を図る必要がある。

5.

典型症例

【症例 1】80 歳代、女性、骨粗鬆症患者
骨粗鬆症に対し、
BP 製剤であるリセドロン酸ナトリウムを 2 年間、
その後 Dmab 60mg 皮下注を 6 か月毎に、2 年間継続投与されていた。
以前より動揺していた右側下顎犬歯が自然脱落し、その 6 か月後に
右側オトガイ下部に腫脹および疼痛を認め、瘻孔を形成し、かかりつ
け歯科受診した。同院にて右側下顎犬歯部相当歯肉に骨露出を認め
たことより大学病院口腔外科を紹介された。右側オトガイ下部皮膚
に瘻孔形成を認め、排膿していた(写真 15)
。また、上下無歯顎であ
り義歯を使用していたが、右側下顎犬歯部相当歯肉に 23×10mm 大の
壊死骨露出を認めた(写真 16)。パノラマ X 線画像では、右側下顎前
歯部に腐骨様不透過像を認め、骨吸収は下顎骨下縁に及んでいた(写
真 17)。CT では、同部に舌側皮質骨の断裂が下顎骨下縁にまで及んで
いた(写真 18)。MRI では、同部に著明な高信号を示す炎症所見を認
めた(写真 19)
。99mTc(骨)シンチグラフィーにおいては、右側下顎
骨に高度の集積を認めた(写真 20)
。抗菌薬の投与および腐骨除去に
より、オトガイ下部の瘻孔は閉鎖し、同部歯肉も上皮化し治癒した。
(解説)本症例は骨粗鬆症に対し、リセドロン酸ナトリウムを 2 年
間、Dmab 60mg 皮下注を 6 か月毎に 2 年間投与されていた。歯周病に
より高度な動揺を認めていた歯の自然脱落より MRONJ が発症した。
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