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資料2-2 重篤副作用疾患別対応マニュアル 骨吸収抑制薬に関する顎骨壊死・顎骨骨髄炎(案)[6.1MB] (28 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000209243_00011.html
出典情報 重篤副作用総合対策検討会(第16回 10/17)《厚生労働省》
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(2)

ARA 投与開始後
投与中・投与後においても、投与前と同様に歯科医師による口腔
内の定期的な診査ならびに口腔衛生管理が重要である。診査におい
ては、歯肉粘膜の瘻孔や骨露出の有無、X 線検査による骨融解や骨
硬化の有無等の把握を行う。上述のように、骨シンチグラフィーや
FDG-PET の情報は、MRONJ の早期発見につながる場合もある。
抜歯を含めた侵襲的歯科治療における休薬が MRONJ 発症予防に
有効とするエビデンスが得られていないため、医師と歯科医師で情
報共有しつつ、低用量の骨吸収抑制薬では原則として予防的休薬を
せずに必要な歯科治療を実施するべきである。ただし、抜歯した場
合には治癒が遷延する可能性があるため、上皮化が十分完了したこ
とを確認するべきである。また、低用量の Dmab では、休薬するこ
とで椎骨骨折リスクが上昇する可能性が示されているため 35–37)、投
与の長期延期や休薬はすべきではない。待機可能な歯科外科処置
(歯科インプラントの埋入など)であれば、Dmab の血中濃度の推
移や処置後の治癒過程を考慮すると、最終投与 4 か月頃が望まし
い。しかしながら、感染創の処置など、待期期間中に感染が進行す
る懸念がある場合は総合的に判断するべきである。
高用量の骨吸収抑制薬では、抜歯などの侵襲的歯科治療は適否を
慎重に判断し、他に回避できる治療がないかまず検討すべきである。
しかしその一方で、根尖病変や歯周疾患など感染源が顎骨に存在す
ること自体も MRONJ のリスク因子であるため、抜歯を前向きに検討
すべきであるという報告もある 38,39)。治療のメリットと発症リスク
を勘案し、その適否を検討する必要がある。
歯科インプラント手術については、代替治療が存在することから、
高用量投与患者では行うべきではない。低用量投与患者については
現時点では禁忌とするエビデンスはないが、糖尿病や自己免疫疾患、
人工透析、グルココルチコイドなど他の MRONJ リスク因子を有する
場合は、代替療法を検討すべきである。
ARA 投与患者における侵襲的歯科治療においては、MRONJ 予防に
有効な抗菌薬のエビデンスは現時点で得られていないため、一般的
な観血的治療時の抗菌薬適正使用を遵守するべきである 40)。
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