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資料2-2 重篤副作用疾患別対応マニュアル 骨吸収抑制薬に関する顎骨壊死・顎骨骨髄炎(案)[6.1MB] (21 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000209243_00011.html
出典情報 重篤副作用総合対策検討会(第16回 10/17)《厚生労働省》
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2.

MRONJ の発症頻度

原因と考えられる薬剤の使用量および使用期間を正確に把握する
ことが難しいことなどの理由から、MRONJ の発生頻度を正確に評価す
ることは困難である。多くの推定値が報告されているが、研究により
大きな差があるのが現状である。臨床試験の結果は、十分な口腔衛生
管理がなされている状況での発症率であるため、その発症率は実際
より低いと考えられている。現在推定されている薬剤別・投与量別の
MRONJ 発症頻度を以下に示す。
(1)

BP 製剤
悪性腫瘍患者に対して行われた高用量投与に関して、AAOMS
20223)では、累積リスクは 5%未満で、非投与患者の 2-10 倍として
いる。日本における調査では、高用量で投与された患者の 1.632.1%9–12)に MRONJ が発生したとされており、1 年間に 10 万人あた
り 1,609.2 人であったと報告されている 13)。一方、骨粗鬆症患者
に対する低用量投与に関して、AAOMS 20223)では MRONJ の発生頻度
は 0.02-0.05%であり、非投与患者の顎骨壊死(非薬剤関連)の発生
頻度(0-0.02%)と同程度であると報告されている 3)。日本の調査
では、非薬剤関連の顎骨壊死の推定発症率が 0.0004%であったのに
対し、低用量での MRONJ 発症率は 0.104%と報告されている 3,11)。日
本のレセプトデータを基に行われた調査では、骨吸収抑制薬を投与
された骨粗鬆症患者の MRONJ の 1 年間の発症率は 22.9 人/10 万人
と報告されている 14)。

(2)

Dmab 製剤
悪性腫瘍で使われる高用量においては、MRONJ の発症リスクはゾ
レドロン酸を投与されたがん患者とほぼ同等との見解が示されて
いる。悪性腫瘍患者に対して行われた高用量投与に関して、海外の
臨床試験やメタアナリシスの結果では MRONJ の発症率は 1.7-1.8%
であったと報告されている 15–17)。観察研究の結果では 5.7-33.3%
との報告 9,18–20)がある。日本では、1 年間の発症率は 10 万人あたり
3,084.8 人との報告がある 13)。一方、骨粗鬆症患者における MRONJ
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