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資料2-3 重篤副作用疾患別対応マニュアル ネフローゼ症候群(案)[2.1MB] (12 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000209243_00011.html
出典情報 重篤副作用総合対策検討会(第16回 10/17)《厚生労働省》
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腫、体重増加、悪心・嘔吐、下痢などの症状が出現した場合には、本症を疑
います。確定診断には、早急に採尿・採血検査等を行い、他の腎機能障害の
原因となる疾患の否定が必要です。これらの症状がなくとも上記被疑薬を
使用中は、来院毎に一般検尿を行うことが望まれます。薬剤性ネフローゼ
症候群にて高頻度に出現する腎組織変化は後述するとおり、微小変化型と
膜性腎症です 3)。微小変化型では発症が何月何日といえるほど急激に発症
し、上記症状が急に出現します。膜性腎症では、ゆっくりと蛋白尿が増加
し、数週間から数ヶ月を経てから症状が出現する場合が多く、定期検査(検
尿)にてネフローゼ症候群に至らないうちに対処可能です。
以上の症状・検査によりネフローゼ症候群が強く疑われる場合には、た
だちに入院させたうえで、腎臓内科とのチーム医療を行うことが重要です。
[早期発見に必要な定期検査]4)
・ 検尿(尿蛋白、尿潜血、尿沈渣)
:糸球体障害を反映するものとして、
尿蛋白や尿潜血および尿沈渣異常があります。特に 3.5g/日以上の蛋
白尿はネフローゼ症候群、一方変形赤血球や赤血球円柱を伴う尿潜血
では糸球体腎炎の存在を示唆します。ネフローゼ症候群の際は、尿沈
査にて卵円形脂肪体や脂肪円柱を認めることがあります。
・ 血液検査:低蛋白血症や低アルブミン血症はネフローゼ症候群の存在
を示唆する所見です。血清クレアチニンは最も汎用されている腎障害
マーカーであり、早期診断や障害部位特定は困難ですが、現在も重要
です。

2.副作用の概要
(1)自覚症状
初期には症状が少ないが、尿の泡立ちや下腿浮腫を認め、進行すると全
身浮腫、尿量減少、体重増加、悪心、嘔吐、食欲不振、下痢、呼吸困難を認
めます 5)。
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