会議資料 (45 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000198856_00035.html |
出典情報 | 医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議(第61回 1/29)《厚生労働省》 |
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ブ療法の後療法としてミコフェノール酸 モフェチル投与は推奨されるか
ステートメント
小児期発症難治性頻回再発型・ステロイド依存性ネフローゼ症候群に対するリツキシマ
ブ療法の後療法として、寛解維持のためにミコフェノール酸
モフェチルを投与すること
を提案する。(適応外使用)
推奨グレード 2B(一致率 88%)
治療例
リツキシマブ投与後から、ミコフェノール酸 モフェチルを 1,000~1,200 mg/m2/日(最
大投与量 2 g/日)分 2 で投与する
エビデンスの要約
小児期に特発性ネフローゼ症候群を発症しステロイド感受性を示すものの、既存治療(ス
テロイド、免疫抑制薬など)では寛解が維持できず頻回再発型あるいはステロイド依存性
を呈する難治性のネフローゼ症候群に対するリツキシマブ療法の後療法としてミコフェノ
ール酸
モフェチルを使用することが寛解維持に臨床的に有効であることが、わが国のラ
ンダム化比較試験で示唆された。リツキシマブ療法とともに十分な知識・経験を持つ医師
のもとで使用する。
解説
前項 CQ3 でも示されているように、小児期発症難治性頻回再発型・ステロイド依存性ネ
フローゼ症候群に対して、わが国をはじめとする複数のランダム化比較試験の結果、リツ
キシマブの有効性が示されている。一方で、わが国で行われたランダム化比較試験の長期
予後調査では、リツキシマブを 1 週間間隔で計 4 回投与した難治性頻回再発型・ステロイ
ド依存性ネフローゼ症候群患者 51 人の観察期間中央値 59 カ月の結果として、48 人(94%)
が再発し、50%無再発期間は 261 日であったと報告され、リツキシマブ治療後に長期寛解
を維持する治療法の確立が望まれていた。
リツキシマブ治療の後療法としては、2009 年に Kamei らによって行われた小児期発症難
治性ステロイド依存性ネフローゼ症候群に対するリツキシマブ単回投与の観察研究(n=12
人)の結果で、後療法としてミコフェノール酸 モフェチルを用いていた 3 人のうち 2 人
が長期寛解を維持したと報告され、リツキシマブの後療法としてのミコフェノール酸 モ
フェチルの可能性が示唆された。この結果をふまえ、Ito らはリツキシマブの後療法として
ミコフェノール酸
モフェチルを投与し、リツキシマブの総投与回数の減少と無再発期間
の延長を目指したパイロット研究を日本人患者 16 人を対象として行い、リツキシマブ投与
後の平均再発回数(回/年)は、リツキシマブ 1 回投与+ミコフェノール酸 モフェチル 1 年
間併用群 9 例のほうがリツキシマブ 1 回投与群 7 例よりも有意に少ないことを示した(0.4
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