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救急外来における薬剤師業務の進め方 令和7年2月1日作成 Ver.1.0 (13 ページ)
出典
公開元URL | https://www.jshp.or.jp/activity/guideline/20250213-1.pdf |
出典情報 | 救急外来における薬剤師業務の進め方(2/13)《日本病院薬剤師会》 |
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4.初期診療
4-1概要
初期診療において薬剤師は、患者の薬物治療の安全性と有効性を確保するため、薬歴の収
集・薬学的評価という重要な役割を担う。薬物有害事象を原因とする救急搬送は少なくなく、
正確な薬歴情報は、薬物有害事象の鑑別診断に不可欠である。また、急性薬毒物中毒など、
薬剤師の専門知識が求められる場面も多い。さらに、救急医療現場では、口頭指示による薬
剤投与が頻繁に行われるため、医療事故のリスクが高い。薬剤師は薬物治療の確認を積極的
に行い、必要に応じてより適切な処方提案を行うことで、初期診療の質の向上に貢献できる。
◎4-2 患者情報の収集
1)基本情報
救急外来で用いられる情報収集方法の 1 つとして「SAMPLE」がある。SAMPLE は、sign
(症状)
、allergy(アレルギー歴)
、medication(薬、薬歴)、past medical history(既往歴)、last
(最終食事)
、event(発症の経緯、時間、現病歴、外傷の場合は受傷機転)の 6 つの頭文字
を取ったもので、主に病歴聴取の際に用いられる。この中で、allergy(アレルギー歴)、
medication(薬歴)の評価は、薬剤師の専門性を発揮できる業務である。
救急患者では意識障害のため、患者本人から基本情報を収集することが難しい場合があ
る。その際には、家族、施設職員、ケアマネージャーなどから情報が収集される。薬剤師は
医師や看護師と協働でこれらの情報収集を行い、得られた情報は薬剤師の視点から薬学的
評価を行う。
■ チェック項目
項目
実施内容
解説
基本情報(病歴) □ Sign(症状)
の確認項目
救急外来にて、必要かつ正確な情報を
□ Allergy(アレルギー歴) 短時間で収集するために用いる病歴聴
□ Medication(薬、薬歴) 取方法として「SAMPLE」がある。各項
目を医師や看護師と協働で聴取し、今後
□ Past medical history
の薬物治療に必要な情報を収集する。
(既往歴)
□ Last meal(最終食事)
□ Event (発症の経緯、時
間、現病歴、外傷の場合
は受傷機転)
例えば、t-PA 製剤の投与には発症時間
が重要となる。また、正確な allergy(ア
レルギー歴)、medication(薬、薬歴)の
情報収集とその薬学的評価は安全な薬
物治療を実施する上で重要である。
基本情報(社会
□ 社会歴(ADL、家族関係)
的背景)の確認
□ 宗教
生活や家族環境、宗教上の理由が、治
療に影響を及ぼす場合がある。
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4-1概要
初期診療において薬剤師は、患者の薬物治療の安全性と有効性を確保するため、薬歴の収
集・薬学的評価という重要な役割を担う。薬物有害事象を原因とする救急搬送は少なくなく、
正確な薬歴情報は、薬物有害事象の鑑別診断に不可欠である。また、急性薬毒物中毒など、
薬剤師の専門知識が求められる場面も多い。さらに、救急医療現場では、口頭指示による薬
剤投与が頻繁に行われるため、医療事故のリスクが高い。薬剤師は薬物治療の確認を積極的
に行い、必要に応じてより適切な処方提案を行うことで、初期診療の質の向上に貢献できる。
◎4-2 患者情報の収集
1)基本情報
救急外来で用いられる情報収集方法の 1 つとして「SAMPLE」がある。SAMPLE は、sign
(症状)
、allergy(アレルギー歴)
、medication(薬、薬歴)、past medical history(既往歴)、last
(最終食事)
、event(発症の経緯、時間、現病歴、外傷の場合は受傷機転)の 6 つの頭文字
を取ったもので、主に病歴聴取の際に用いられる。この中で、allergy(アレルギー歴)、
medication(薬歴)の評価は、薬剤師の専門性を発揮できる業務である。
救急患者では意識障害のため、患者本人から基本情報を収集することが難しい場合があ
る。その際には、家族、施設職員、ケアマネージャーなどから情報が収集される。薬剤師は
医師や看護師と協働でこれらの情報収集を行い、得られた情報は薬剤師の視点から薬学的
評価を行う。
■ チェック項目
項目
実施内容
解説
基本情報(病歴) □ Sign(症状)
の確認項目
救急外来にて、必要かつ正確な情報を
□ Allergy(アレルギー歴) 短時間で収集するために用いる病歴聴
□ Medication(薬、薬歴) 取方法として「SAMPLE」がある。各項
目を医師や看護師と協働で聴取し、今後
□ Past medical history
の薬物治療に必要な情報を収集する。
(既往歴)
□ Last meal(最終食事)
□ Event (発症の経緯、時
間、現病歴、外傷の場合
は受傷機転)
例えば、t-PA 製剤の投与には発症時間
が重要となる。また、正確な allergy(ア
レルギー歴)、medication(薬、薬歴)の
情報収集とその薬学的評価は安全な薬
物治療を実施する上で重要である。
基本情報(社会
□ 社会歴(ADL、家族関係)
的背景)の確認
□ 宗教
生活や家族環境、宗教上の理由が、治
療に影響を及ぼす場合がある。
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