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救急外来における薬剤師業務の進め方 令和7年2月1日作成 Ver.1.0 (17 ページ)
出典
公開元URL | https://www.jshp.or.jp/activity/guideline/20250213-1.pdf |
出典情報 | 救急外来における薬剤師業務の進め方(2/13)《日本病院薬剤師会》 |
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救急外来で用いられる患者評価方法の1つに ABCDE アプローチがある。ABCDE とは,
気道(Airway; A)、呼吸 (Breathing; B)、循環 (Circulation; C),中枢神経 (Dysfunction of CNS;
D)、体温 (Exposure & environmental control; E) の頭文字を取ったものであり、ABCDE の評
価は「体内での酸素の循環」を評価していると置き換えられる。また、ABCDE アプローチ
以外にも、抗菌薬の選択のためにはグラム染色含めた各種培養検査所見を確認する必要が
あり、患者の状態により評価する項目は多岐にわたる。薬剤師は下記のチェック項目を参
考に患者所見を理解し、医師・看護師らと共通認識のもとで、必要な薬学的介入を実施す
る。
■ チェック項目
項目
気道
実施内容
解説
□ 気道確認
声が出にくい、または吸気性喘鳴やい
(Airway; A)
びき呼吸などの場合には、気道閉塞の可
能性が疑われる。この場合、直ちに気道
の確保を行うことが求められる。
呼吸
(Breathing; B)
□ 経皮的動脈血酸素飽和
度 (SpO2)
呼吸の状態を簡易的に確認する方法
として SpO2 が有用である。SpO2 は健常
人では 96〜100%であるが、SpO2 が 90%
を下回っていれば呼吸不全の状態が疑
われる。
SpO2 だけでなく呼吸回数の確認も重
□ 呼吸回数
要である。呼吸回数の正常域は,成人で
12〜18 回/分 (小児は 20〜30 回/分) で
ある。呼吸回数が 20 回/分を超えると頻
呼吸,30 回/分を超えると呼吸不全の状
態といえる。また,呼吸回数が計測でき
なければ無呼吸状態の可能性もある。敗
血 症 を 疑 う 際 に 用 い る qSOFA (quick
Sepsis-related Organ Failure Assessment)
では呼吸回数 22 回/分以上を項目の 1 つ
としている。
□ 呼吸様式
通常の呼吸様式ではない努力呼吸の
ほか,肺がうっ血することで起坐での呼
吸がしやすい状態の起坐呼吸,唇をすぼ
めてゆっくり呼吸する口すぼめ呼吸な
ど呼吸様式の異常が指標となる。
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気道(Airway; A)、呼吸 (Breathing; B)、循環 (Circulation; C),中枢神経 (Dysfunction of CNS;
D)、体温 (Exposure & environmental control; E) の頭文字を取ったものであり、ABCDE の評
価は「体内での酸素の循環」を評価していると置き換えられる。また、ABCDE アプローチ
以外にも、抗菌薬の選択のためにはグラム染色含めた各種培養検査所見を確認する必要が
あり、患者の状態により評価する項目は多岐にわたる。薬剤師は下記のチェック項目を参
考に患者所見を理解し、医師・看護師らと共通認識のもとで、必要な薬学的介入を実施す
る。
■ チェック項目
項目
気道
実施内容
解説
□ 気道確認
声が出にくい、または吸気性喘鳴やい
(Airway; A)
びき呼吸などの場合には、気道閉塞の可
能性が疑われる。この場合、直ちに気道
の確保を行うことが求められる。
呼吸
(Breathing; B)
□ 経皮的動脈血酸素飽和
度 (SpO2)
呼吸の状態を簡易的に確認する方法
として SpO2 が有用である。SpO2 は健常
人では 96〜100%であるが、SpO2 が 90%
を下回っていれば呼吸不全の状態が疑
われる。
SpO2 だけでなく呼吸回数の確認も重
□ 呼吸回数
要である。呼吸回数の正常域は,成人で
12〜18 回/分 (小児は 20〜30 回/分) で
ある。呼吸回数が 20 回/分を超えると頻
呼吸,30 回/分を超えると呼吸不全の状
態といえる。また,呼吸回数が計測でき
なければ無呼吸状態の可能性もある。敗
血 症 を 疑 う 際 に 用 い る qSOFA (quick
Sepsis-related Organ Failure Assessment)
では呼吸回数 22 回/分以上を項目の 1 つ
としている。
□ 呼吸様式
通常の呼吸様式ではない努力呼吸の
ほか,肺がうっ血することで起坐での呼
吸がしやすい状態の起坐呼吸,唇をすぼ
めてゆっくり呼吸する口すぼめ呼吸な
ど呼吸様式の異常が指標となる。
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