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資料1-2-9診断基準等のアップデート案(第49回指定難病検討委員会資料) (33 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25626.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第49回 5/16)《厚生労働省》
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4) 早期ミオクロニー脳症: 生後 1 か月以内(まれに 3 か月以内)に発症する重篤なてんかん性脳症で、眼
瞼、顔面、四肢などの不規則で部分的な、ばらばらで同期しないミオクローヌス(erratic myoclonus)ではじま
り、次いで微細な発作、自動症、無呼吸、顔面紅潮などを伴う多彩な焦点運動発作が現れる。時に全身性ミ
オクローヌス、まれには後に強直発作、ES を示す。脳波はサプレッション・バーストパターンを示し、睡眠時に
より明瞭になる(睡眠時のみのこともある)。発作は極めて難治で、発作予後、発達予後ともに極めて不良で
あり、半数は 1 歳以内に死亡し、生存例も全て寝たきりになる。基礎疾患として代謝異常症が多いとされるが、
わが国では脳形成異常が少なくない。家族発症もあり、常染色体劣性遺伝が疑われている。
5) 遊走性焦点発作を伴う乳児てんかん: けいれん発症までの発達が正常な生後 6 か月未満の児におこ
るてんかん性脳症で、発作中に脳波焦点が対側または同側の離れた部分に移動してそれに相応する多様
な焦点性運動発作を示し、後に多焦点性の発作がほぼ連続するようになる。発作焦点部位の移動に伴い、
眼球・頭部の偏位、瞬目、上下肢や顔面・口唇・口角・眼球の間代や部分強直、咀嚼、無呼吸、顔面紅潮、流
涎、あるいは焦点起始両側強直間代発作など多様に変化する。初期には無呼吸、チアノーゼ、顔面紅潮な
どの自律神経症状が目立つことがあるが、ES やミオクローヌスを示すことはほぼない。既存の抗てんかん薬
やステロイド、ビタミン剤、ケトン食などは無効で、臭化カリウムが最も有効であるが、発作予後、発達予後と
もに極めて不良であり、重度の精神運動発達遅滞となる。発症時の頭部 MRI には異常はない。発症の原因
となる遺伝子異常が判明しつつある。
2.原因
1) レノックス・ガストー症候群: 基礎疾患として脳形成異常や、低酸素性虚血性脳症、外傷後脳損傷、脳腫
瘍、代謝異常、染色体異常、先天奇形症候群、遺伝子異常などがあるが、共通する病態は見出されていな
い。近年、レノックス・ガストー症候群の中に、 GABRB3、ALG13 、SCN8A 、STXBP1、DNM1 、FOXG1 、CHD2
の遺伝子変異を有する症例が報告されている。
2) ウエスト症候群: これまで、発症までの発達が正常であり脳画像所見を含む各種検査で異常がない①
潜因性と、異常の存在する②症候性に分類されてきた。症候性の中には新生児低酸素性虚血性脳症、染色
体異常症、先天奇形症候群、脳血管障害、結節性硬化症、未熟児傍側脳室白質軟化症、出血などが主な原
因として含まれる。しかし、近年の遺伝子検査技術の進歩に伴い ARX、STK9/CDKL5、SPTAN1、STXBP1 な
どの遺伝子変異が発見される症例も報告されている。潜因性とされてきた患者の病態は多様である可能性
があり、今後の解明が必要である。
3) 大田原症候群: 脳形成異常をはじめとする多様な脳障害を基礎疾患とするが、原因不明の例もあり、
また遺伝子異常(ARX、STXBP1、CASK、KCNQ2、SCN2A など)を背景としていることもある。
4) 早期ミオクロニー脳症: 種々の代謝異常症(非ケトン性高グリシン血症、D-グリセリン酸血症、メチルマ
ロン酸血症、カルバミルリン酸合成酵素による高アンモニア血症、プロピオン酸血症など)が多いとされてい
るが、わが国では脳形成異常が少なくない。非定型的であるがピリドキシン依存性もある。一部の症例から
は、SLC25A22、SIK1、ERBB4、AMT、PIGA などの遺伝子異常が見つかっている。
5) 遊走性焦点発作を伴う乳児てんかん: かつては原因不明とされたが、現在では、患者の一部は遺伝子
異常が原因で発症することがわかってきており、KCNT1、SCN2A、SCN1A の異常の頻度が高い。
3.症状

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