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資料1-2-9診断基準等のアップデート案(第49回指定難病検討委員会資料) (34 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25626.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第49回 5/16)《厚生労働省》
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1) レノックス・ガストー症候群の:中心的な発作は、強直発作、非定型欠神発作、脱力発作で、それぞれ
特有の発作症状と脳波所見を有する。精神発達遅滞は、90%以上に合併する。失調や睡眠障害を呈するこ
とも多い。
強直発作は睡眠時に比較的多く認められ、体幹筋を中心に左右対称性に筋収縮を認める数秒から1分
程度の発作で、脳波には 10~20Hz の両側全般性の速波(速律動)が出現する。経過の最後まで残る中核
的な発作で、頻度は多い。非定型欠神発作は意識が軽く減損する発作で、ミオクローヌスが不規則に出現し
たり、ごく短い強直を伴ったりすることもある。持続時間は5~30 秒程度が多く、2~2.5Hz 前後の全般性遅棘
徐波を呈する。ほぼ連続的ときに、数時間から数か月出現して数か月間という長期にわたり持続して、非け
いれん性てんかん重積状態になることもある。脱力発作は、重力に抗して頭部や身体を支えている筋群の緊
張が一瞬失われる発作で、頭部の屈曲や突然の転倒を引き起こし、頭部や顔面に受傷することも多い危険
な発作である。
発作以外の症状では、知的障害をほぼ全例に認め、多くは中等度以上の知的障害で、自立は困難である。
運動失調や痙性麻痺などによる歩行障害、てんかん発作による転倒の危険もあり、歩行も介助や見守りが
必要なことが多い。
2) ウエスト症候群:i) 発症年齢:好発年齢は生後 3~11 か月で 2 歳以上の発症は稀である。
ii) てんかん発作型:覚醒直後に好発する ES で、約 5~40 秒周期(約 10 秒程度が多い)で出現する極短時
間の四肢の筋攣縮(座位では一瞬の頭部前屈を伴う)が特徴である。ES はその体幹の動きの方向より①屈
曲型(34%)、②伸展型(25%)、③混合型(42%)、④非対称型(<1%)に分類される。また四肢の動きに注目
して①対称型、②非対称型/非同期型、③焦点型、④焦点発作と併存型、⑤微細型、⑥短時間の脱力先行
型、⑦非臨床型などに分類される場合もある。シリーズ形成中、ES 開始当初より時間と共に徐々に ES の動
きの程度が弱くなる。治療の過程や年齢で単発の ES が混在してくることがある。
iii) 脳波所見:ヒプスアリスミアと呼ばれる無秩序な高振幅徐波と棘波から構成される異常脳波である。
iv) 精神運動発達:ES の発症と前後して精神運動発達の停止とその後に退行がみられる。
3) 大田原症候群: 生後 3 か月以内、特に新生児期に ES で発症する。シリーズ形成性あるいは単発で出
現、覚醒時、睡眠時のいずれでも起こり、発作頻度は高い。焦点発作を伴うこともある。脳波ではサプレッシ
ョン・バーストパターンが覚醒時・睡眠時問わず出現する。
4) 早期ミオクロニー脳症: ほとんどが生後 1 か月以内(特に1週間以内)にはじまり、睡眠時・覚醒時とも
に見られる不規則で部分的なミオクローヌス(erratic myoclonus:眼瞼、顔面、四肢の小さなぴくつきで始まり、
ある部位から他の部位に移動し、ばらばらで同期しない、一見、焦点間代発作にも見える)で発症し、次いで
微細な発作、自動症、無呼吸、顔面紅潮などを伴う多彩な焦点発作を示す。Erratic myoclonus は通常は 23 週~2-3 か月で消失する。時に全身性ミオクローヌス、後に強直発作や反復する ES を示すこともあるが、
まれである。脳波ではサプレッション・バーストパターン(SBP)が見られるが、睡眠時に顕著になり、睡眠時の
みのこともあり、数ヶ月~数年間持続する。非典型的なヒプスアリスミアに変容することがあるが SBP に戻る。
稀に初発時に SBP がなく、後に出現することがある。血液・生化学・尿検査では特異的所見はない。画像検
査では、初期には異常なく、進行すると脳萎縮を示す。脳形成異常がみられることもある。
関連する脳症がレノックス・ガストー症候群に移行しない場合には、てんかん性スパスムの残存、難治な部
分発作や全般発作がみられる。てんかん重積を起こすこともある。脳波所見も多様である。
5) 遊走性焦点発作を伴う乳児てんかん: 一側の焦点運動発作で初発し、半数の例で焦点起始両側強直

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