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参考資料2_看護学士課程教育におけるコアコンピテンシーと卒業時到達目標 (19 ページ)

公開元URL https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/125/mext_00004.html
出典情報 看護学教育モデル・コア・カリキュラムの改訂に関する連絡調整委員会(第1回 7/19)《文部科学省》
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てから、家族という小さな社会環境の中で育つ。その成長・発達過程の中で家族成員から様々な影響
を受けるため、家族は社会環境の最も小さな単位といえる。人は家族だけでなく、地域社会というも
っと大きな社会環境の中で育ち、地域の人々との相互作用の中で影響を及ぼしあう。さらに他者との
相互作用の中で多くのことを学び、人間として成長していく重要な社会環境である。職場は人が生き
る糧を得るために必要な社会環境であり、仕事を通して多様な人々との相互作用を通して影響を及ぼ
し合う。このように人間は社会的存在であり、社会から隔離されては生活することはできない。その
ため、様々な社会環境において人は他者との相互関係の中で、影響を及ぼし合い、精神的健康状態ひ
いては身体的健康状態にも影響をもたらし合う。したがって、こうした社会環境が人間の成長・発達
に影響を及ぼし、その後の人生にも大きな影響を与えることが考えられる。また順調な社会環境の中
で健康的な生活を送っていた人が、急激な社会環境、特に人的環境の変化によって、精神的に大きな
ダメージを受け、危機的な状態に陥ることもある。以上のことから、どのような社会環境やその変化
が、人間の健康にどのような影響を及ぼすのかを理解する必要がある。

Ⅱ群.ヒューマンケアの基本に関する実践能力
「ヒューマンケアの基本に関する実践能力」とは、様々な生活背景からくる人々の多様な価値観・
世界観を尊重し、看護の対象となる人々を擁護するヒューマンケアを実践することに関わる能力のこ
とである。看護実践は、人間とその人の生活に深く関わっている。そのため、看護は、その人の背景
や健康状態に関わらず、その人の尊厳と権利の擁護に基づいて行われることが重要である。また、ケ
ア実施に際しては、対象に十分了解されることが原則となり、看護者は信頼関係を築きながら行い、
そして、対象者の自立を支援する関係へとさらに発展させていく必要がある。
さらにヒューマンケアは相互作用の結果であることから、他者との関係において自己を位置づけ、
自己の役割を知り、ともにケアを作っていくことが求められる。このようなヒューマンケアは、教養
教育の幅広い視野と複眼的な思考力・判断力を活用して、人間と生命、健康、生活についての深い  
洞察力と、さらに、専門職としての倫理に基づいて行動する姿勢を基盤として成り立っている。
ヒューマンケアを提供する能力は生涯にわたって発展させていく専門職としての能力であることか
ら、看護学士課程教育の早期より、人間形成の根幹となる自己を主体的に確立させていくことのでき
る  基盤を育成することが必要である。
以上のことから、
「ヒューマンケアの基本に関する実践能力」の中には、
「.看護の対象となる人々
の尊厳と権利を擁護する能力」

「.実施する看護を説明し意思決定を支援する能力」、
「.援助的関
係を形成する能力」といった  つのコアコンピテンシーを設定した。

 看護の対象となる人々の尊厳と権利を擁護する能力
「看護の対象となる人々の尊厳と権利を擁護する能力」とは、人間の尊厳について深い洞察力をも
ち、人間の権利、患者の権利を尊重して、その人の立場に立ってケアを提供する能力であり、看護の
対象となる人々の意思決定を支え、擁護に向けた行動をとることができる能力のことである。

卒業時の到達目標として次の  つを提示した。
 多様な価値観・信条や生活背景を持つ人を尊重する行動をとることができる。
 人間の尊厳及び人権の意味を理解し、擁護に向けた行動をとることができる。
これらの到達目標を達成するために必要な教育内容 例 を以下に示す。

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