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参考資料2_看護学士課程教育におけるコアコンピテンシーと卒業時到達目標 (33 ページ)

公開元URL https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/125/mext_00004.html
出典情報 看護学教育モデル・コア・カリキュラムの改訂に関する連絡調整委員会(第1回 7/19)《文部科学省》
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そしてエンドオブライフの全人的苦痛を軽減・緩和できる看護援助技術、家族へのグリーフケアの理解
が、必要となる。
看護職者の責務は、看護の対象となる人が最期までその人らしく生を全うできるよう支援することで
ある。看護職者としてこの責務を的確な臨床判断と倫理的判断に基づいて適切なケアを提供することが
期待されている。学士課程における卒業時到達目標は、エンドオブライフにある患者を総合的・全人的
に理解し、その人らしさを支える看護援助方法について理解できること、エンドオブライフの症状緩和
のための療法・ケアを理解し、苦痛、苦悩や不安の緩和方法について理解できること、看取りをする家
族の援助について理解できることである。在学中に、エンドオブライフの看護を経験する学生は決して
多くはないが、看護学士課程教育においては、他の学生の体験や看護職者の体験を共有することで、知
識を実際に活用する方法を追体験的に学べるように教育的な工夫をすることも重要である。

卒業時の到達目標として次の  つを提示した。
 エンドオブライフにある人を全人的に理解し、その人らしさを支える看護援助方法について理解で
きる。
 エンドオブライフの症状緩和のための療法・ケアを理解し、苦痛、苦悩や不安の緩和方法について
理解できる。
 看取りをする家族の援助について理解できる。
これらの到達目標を達成するために必要な教育内容 例 を以下に示す。

①エンドオブライフにある人の身体、心理、社会的、霊的な状況を理解して包括的に対象をアセスメ
ントする技術
痛み、倦怠感、吐き気、食欲不振、便秘、下痢、排尿障害、呼吸困難、運動機能障害、意識障害など
複合的に出現する症状のメカニズムを推論し、根拠を確認しながら症状緩和のための適切な医療や看護
ケアを提供することを理解する。これらの症状は主観的体験であり、苦痛は身体的、心理社会的、霊的
といった多面性を持つことを意識しトータルペインとして、本人の体験を共有しながら十分な情報を得
る必要があることを理解する。

②エンドオブライフにある人の症状緩和療法とケア
 症状緩和に対して行われる薬物療法、外科的療法、放射線療法、代替補完療法を含む非薬物療法の原
理を知り、他の医療者と協働で提供されることを知る。体位、寝具の選択、罨法などの物理的な安楽を
促すケアの他、皮膚や口腔の清潔、マッサージなど提供可能な基本的技術を修得する。医療だけでなく
主体である患者の価値観によって医療以外の方法が選ばれることもあり、それらの療法について医療者
としての基本的な対応を理解する。

① エンドオブライフにある人と家族の心理的支援技術
エンドオブライフにある人の苦痛、苦悩や不安について学び、心理的支援の方法に関する知識を修得
する。共感的理解を示し傾聴する具体的な対応、態度のあり方について理解する。

④エンドオブライフにある人と家族を支えるチーム体制の理解と役割遂行
 エンドオブライフにある人を支える様々な専門職とチームで患者家族を支えることを学ぶ。エンドオ

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