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再生医療実現拠点ネットワークプログラム事後評価結果(案) (26 ページ)

公開元URL https://www.lifescience.mext.go.jp/2022/03/7040308.html
出典情報 再生・細胞医療・遺伝子治療研究の在り方に係る検討会(第7回 3/8)《文部科学省》
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ことができたか。
○科学的・技術的意義(独創性、革新性、先導性、発展性等)を有しているか。
○社会的・経済的意義(産業・経済活動の活性化、知的財産権の取得・活用等)を有しているか。
● 「プロジェクト全体」
多くの課題の成果が科学的・技術的意義及び社会的・経済的意義を有していると評価できる。iPS
細胞研究中核拠点を中心に先導的な研究開発が多数支援され、対象疾患の重篤性・難治性や再建
する細胞・組織の多様性は、患者や社会への還元の度合いを質的に高めるものである。複数の課
題が臨床研究又は治験段階に移行し、技術開発などにおいても実用化が進むとともに、ドラッグ
リポジショニングの薬剤候補も医師主導治験に移行するなど社会への還元に向けた研究が進ん
でいる。国際競争力を高め、研究倫理面を含めた体制の構築等も順調に進んだことは評価できる。
一方、実際に再生医療の社会への還元として主に期待される「患者さんが臨床でその恩恵に預か
ることができる」までには、まだ、いくつかのステップが必要である。
iPS 細胞などの幹細胞を用いた細胞医療も試みられているが、未だ明確な臨床的な有効性を示す
段階には至っておらず、幹細胞による組織修復のメカニズムの解明も含めて、全体として継続し
て支援していく必要性は高い。そのためにも、的確な進捗管理に基づく継続実施や中止の決定を
行い、支援すべき課題を選び出す必要がある。
我が国の遺伝子治療研究については諸外国に比して大きな差があり、今後は研究段階に留まらず
実用化を推進する社会的な環境作りにも注力することが必要である。
世界に先駆けて iPS 細胞医療の着手がなされ、若手研究者の研究支援や国際連携の試みもなされ
ているが、全体としては我が国の立ち位置の優位性があまり明確でなく、我が国の研究者がリー
ドする国際共同研究の実例を多く創出する必要がある。そのためにも、各種研究の独創性など競
合優位性の判断には十分な情報の収集が必要であり、その情報に基づいた判断が重要である。こ
の面では未だ十分とは言えず、情報収集力とその解釈能力の強化が必須である。
知的財産権の取得・活用として、毎年非常に多くの出願が行われていることは基礎研究成果が充
実していることと評価されるが、その中から PCT 出願が行われて他国で権利化できたものの割合
の把握や、出願後の知的財産の確保・権利化に関するサポートも重要である。さらに、特許出願
以降の企業への導出や新技術を元にした大学発ベンチャーの設立など、他のプロジェクトとの積
極的な連携が望まれる。また、今後国際的な先導性を失わないためには、企業の参入が必須であ
るが、現状は医師主導でなければ実用化が難しく実際に獲得可能な最大市場規模が大きくならな
いので、企業が参入しやすくするための取組が必要である。
研究倫理面では、慎重さのあまり研究の進展を困難とする状況が現出することは好ましいことで
はなく、新規の技術開発を推進するためのバランスの取れた環境作りが望まれる。
● 「iPS 細胞研究中核拠点」
● 「疾患・組織別実用化研究拠点」
● 「再生医療の実現化ハイウェイ」
● 「再生医療の実現化支援課題」
研究の成果を社会に還元することに資する研究開発等が行われ、多くの臨床段階への移行ができ
てきており、大変高く評価できる。ただし、現段階では多くが安全性評価の段階であることから、
国際競争力を高めるための有効性評価の段階に早く至ることが極めて重要であり、今後、第2相
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