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再生医療実現拠点ネットワークプログラム事後評価結果(案) (32 ページ)

公開元URL https://www.lifescience.mext.go.jp/2022/03/7040308.html
出典情報 再生・細胞医療・遺伝子治療研究の在り方に係る検討会(第7回 3/8)《文部科学省》
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での研究が完了し臨床段階に移行した研究課題への厚生労働省による支援の成果を含めて47件で
あり、目標を大幅に上回った。特にiPS細胞を用いた再生医療については、複数の支援課題が世界
に先駆けて臨床段階に到達しており、「第5期科学技術基本計画」(平成28年1月22日閣議決定)
の「世界最先端の医療技術の実現による健康長寿社会の形成」に、大きく貢献したものと考えられ
る。

(3)総合評価
① 総合評価

(1) 課題の達成状況

1.プロジェクトの進捗状況」に記載のとおり、
「iPS 細胞研究中核拠

点」を中心に、「疾患・組織別実用化研究拠点」や「再生医療の実現化ハイウェイ」等の各課題と
連携して再生医療の実現に資する多くの研究成果を見出した。必要性や有効性においても優れてい
ると評価できることから、本プロジェクト全体の総合評価は、優れていると評価できる。

② 評価概要
本プロジェクトを通して我が国の iPS 細胞研究は高い国際競争力を有することができ、科学的・
社会的意義の高い成果が数多く創出されるとともに、世界に先駆けて複数の疾患において再生医療
や iPS 創薬が臨床段階に移行した。また、若手研究者の育成や規制面及び倫理面の課題解決に積極
的に取り組むとともに、PD、PS 及び PO が AMED 事務局と連携して効率的にプロジェクトの運営を
実施した。近年、世界において活発に再生・細胞医療・遺伝子治療研究開発が行われ、我が国にお
いて承認された再生医療等製品も年々増加しているものの、本領域における研究開発品は依然とし
て臨床段階で明確な有効性を示すことができていないものも多く、アンメットメディカルニーズを
十分に満たしている状況ではないと考える。また、異分野の研究者や産業界の参入が十分とは言え
ず、規制・倫理領域や遺伝子治療の若手研究者の育成が急務である等の課題がある。このように本
プロジェクトを通して明らかになった課題を解決し、引き続き国際的な競争力を維持するために
も、発生や分化等の基礎研究への十分かつ継続した支援が必須であるとともに、今後は、遺伝子治
療をはじめとする分野内連携及び AI やデータサイエンス等の異分野連携により、本領域のブレー
クスルーとなるような新しい研究成果の創出に期待する。

(4)今後の展望
⚫ 再生・細胞医療・遺伝子治療は我が国の生命科学の将来において極めて重要である。次世代の画
期的な発見や技術開発を目指した研究開発、臨床で見出された知見のリバーストランスレーショ
ナルリサーチ、実用化に向けた課題を解決するための新技術・手法・周辺技術に関する研究開発
を積極的に支援し、基礎的理解を深め、科学的な裏付けの下での臨床応用を進めることが重要で
ある。若手研究者の育成支援を継続するとともに、異分野の研究者の積極的な参入や確固とした
産業界との連携、関係省庁間の更なる連携により、基礎研究から社会実装への切れ目ない支援を
実施する必要がある。世界的に iPS 細胞関連の基礎・応用技術開発の競争が激化している中で、
引き続き中核的な拠点を設け、初期化や分化誘導に関する研究や高品質な iPS 細胞の樹立も含め
た本領域の基礎研究の更なる推進、分野間・分野内の連携、外部機関や企業との連携、若手研究
者の育成及び社会への成果発信等に中心的な役割を果たすことを期待する。
⚫ 疾患特異的 iPS 細胞を用いた病態解析・創薬研究では、低分子化合物に限らずモダリティーの多
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