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再生医療実現拠点ネットワークプログラム事後評価結果(案) (29 ページ)

公開元URL https://www.lifescience.mext.go.jp/2022/03/7040308.html
出典情報 再生・細胞医療・遺伝子治療研究の在り方に係る検討会(第7回 3/8)《文部科学省》
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● 「iPS 細胞研究中核拠点」
研究用 iPS 細胞を国内外の多くの機関に提供し、iPS 細胞を用いた再生医療研究の推進に大きな
役割を果たしている。一方で、iPS 細胞の安全性・標準化といった品質評価については、iPS 細
胞研究中核拠点以外の評価施設での計画的かつ精緻な評価が必要であったと思われる。また、HLA
ゲノム編集 iPS 細胞については民間を含む国内外の他機関でも先行実施しており、品質の面に加
え、知的財産面や価格面においても優位性を示すことが必須である。
● 「疾患・組織別実用化研究拠点」
● 「再生医療の実現化ハイウェイ」
● 「再生医療の実現化支援課題」
他のプロジェクトへの導出を多数実現したことは、所管している省庁の垣根を越えて本プロジェ
クトが有効に機能した結果であると考える。疾患・組織ごとの研究拠点を中心に研究開発を進め
られている点は、有効性の観点では高く評価できる。さらに、有望な若手研究者を対象にした支
援・配慮もなされており、本プロジェクトの有効性を高めてきたと考える。基礎研究から実用化
研究を進めるためには一部の課題に集約化が求められるが、次世代の再生医療創出に向けた若手
研究者に関して、裾野の大きい多面的な広がりには至っていないと考えられる。
本プロジェクトにて試みられている医療技術は、その多くが新規の試みであることから、実用化
に向けては、既存の製薬企業だけでなくベンチャー企業が果たす役割も大きい。また、そのよう
な状況においては、臨床段階に到達して試験が開始されても全ての開発課題が成功するとは限ら
ないことから、各開発課題の進捗を適切に判断して、支援すべきもの、そうでないものを峻別す
ることがプロジェクト全体の有効性を高めることにつながることに留意すべきである。適切なモ
デル動物が存在しない、又は既存の細胞医療や ES 細胞を用いた再生医療との有効性の比較がで
きていない等の理由から十分な非臨床 PoC が得られていない課題もあることから、今後、第2相
以降の臨床試験の実施可能性が高い課題を選択して支援するとともに、十分な臨床 PoC の獲得が
困難な課題においては、作用メカニズムの解明に立ち戻った研究の実施や、モダリティーの変更
等を検討する必要がある。
本プロジェクトで実施される学術研究成果を着実に臨床応用につなげるために、規制・倫理の領
域の研究者によるサブプロジェクトを設定し積極的に支援する体制を構築したことは、非常に効
果的であり、高く評価できる。今後も支援課題を担う研究者が必要となると考えられ、研究開発
の質の向上への貢献が継続されることが期待される。規制・倫理領域の若手研究者の育成が急務
であり、それに関連した取組も必要である。
● 「技術開発個別課題」
● 「幹細胞・再生医学イノベーション創出プログラム」
細胞培養・調製に関連した再生医療の基盤技術に係る研究成果が得られたことは、それらの特許
取得に加え、我が国の再生医療研究の質の向上に大きく貢献するものであるとともに、異分野の
研究者や企業の参入を促進して本領域の研究開発の活発化に貢献していることは高く評価でき
る。
特に若手研究者枠については、より早期から検討されておくべきものであったと考える。自由な
発想による分化・発生研究は、これからの国際的競争力をもつ再生医療関連プロジェクトの推進
にとって重要であり、若手研究者育成の支援は継続的課題と考える。異分野の研究者参入という
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