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資 料 3-2 令和5年度第1回安全技術調査会の審議結果について (5 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_36762.html |
出典情報 | 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会血液事業部会運営委員会(令和5年度第3回 12/13)《厚生労働省》 |
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課題 2. ジカウイルス核酸検査のための国内参照品の整備
ジカウイルス (ZIKV) はフラビウイルス科フラビウイルス属の単一血清型の RNA ウイルスであり,ウイルス感
染を媒介するヒトスジシマカが日本に生息することから、CHIKV と同様に蚊-ヒト-蚊の経路で感染が拡大す
るリスクがある。1960〜1980 年代にかけては散発的なヒトへの感染が認められたが,2007 年以降,アフリカ
地域、アメリカ地域、アジア地域、太平洋地域でジカウイルス感染症の発生が拡大した。2016 年 2 月に
WHO は PHEIC を宣言し、ジカウイルスと先天奇形の因果関係が確認された。また,ジカウイルス感染とギ
ラン・バレー症候群の発症率上昇との関連も示唆されている。ジカウイルス感染症はネッタイシマカが生息
しているその他の地域でも確認され,また流行地域からの旅行者にも感染が確認され、ジカウイルス感染
症の経路として性感染も確認されている。80%が不顕性感染で、無症候でも 1010 コピー/mL と高値のウイル
ス血症となる。米国でのアウトブレイク時は FDA のガイドラインに従い献血ドナーの NAT screening が実施
された。流行地域での試験的 NAT における、献血ドナーのプール NAT の陽性率は 1%程度と高いが、輸
血での感染事例は報告されているものの数は少ない。ZIKV についても国際標準品と同様に作製された国
内参照品の整備の有用性は高いため,ZIKAV の参照品を整備した。
研究方法および結果
CHIKV 国内参照品の作製
CHIKV は遺伝子型が Asian、East/Central/South Africa (ECSA)、West Africa、Indian Ocean lineages
の 4 つの型あるが、日本での海外輸入例の多くは ECSA であることから、国立感染症研究所ウイルス 1
部 ECSA 型ウイルス 3 株(CHIKV SL11131、CHIKV Mal 09-02、CHIKV DOM14.73)の分与を受けた。国
際標準品と同様の方法で、酸処理 15 分および 60℃ 1 時間の加熱処理によりウイルスを不活化し、血漿
由来ベースマトリックス(市販品)で希釈し 400 本ずつ参照品を作製した。これらの不活化処理により
核酸量に影響がないことを予め確認した(図 1-1)。
ZIKV 国内参照品の作製
ZIKV は遺伝子型が Asia と Africa の 2 つの型種類あるが、最も代表的で世界で用いられている
Asian/American 型の PRVABC599 株ウイルスを、国立感染症研究所ウイルス 1 部から分与を受けた。
国際標準品と同様の方法で、酸処理 15 分および 60℃ 1 時間の加熱処理によりウイルスを不活化し、ア
ミコン(ミリポア社)による限外ろ過で溶媒を培養メディウムに置換したものを血漿ベースマトリックス
(市販品)で希釈し 400 本ずつ参照品を作製した。これらの不活化処理により核酸量に影響がないこと
を予め確認した(図 1-2)
。
値付けのための共同測定
日本赤十字社、および国立感染症研究所を含む 4 施設において、定性法 4 施設、定量用 2 施設で共同
測定を実施した。国立感染症研究所は国立感染症研究所病原体検出マニュアルに従って測定を実施し
た。1 施設は自社製品を、残り 2 施設は in-house 法によるリアルタイム RT-PCR 法により測定した。CHIKV
は国内参照品 3 種類(CHIKV SL11131、CHIKV Mal 09-02、CHIKV DOM14.73)と CHIKV 国際標準品
(PEI code11785/16)の合計 4 種類、ZIKV は国内参照品(ZIKV PRVABC599)と ZIKV 国際標準品(PEI
code11168/16)の合計 2 種類の検体を並行して測定した。定性法では、はじめに予備試験を実施して希釈
用血漿マトリックスで 10-1 から 10-7 希釈 10 倍段階希釈した各検体から RNA をそれぞれ抽出後、リアルタイ
ム RT-PCR で検出されるエンドポイントを定め、本試験ではエンドポイントの両側にハーフロブで2点ずつ、
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ジカウイルス (ZIKV) はフラビウイルス科フラビウイルス属の単一血清型の RNA ウイルスであり,ウイルス感
染を媒介するヒトスジシマカが日本に生息することから、CHIKV と同様に蚊-ヒト-蚊の経路で感染が拡大す
るリスクがある。1960〜1980 年代にかけては散発的なヒトへの感染が認められたが,2007 年以降,アフリカ
地域、アメリカ地域、アジア地域、太平洋地域でジカウイルス感染症の発生が拡大した。2016 年 2 月に
WHO は PHEIC を宣言し、ジカウイルスと先天奇形の因果関係が確認された。また,ジカウイルス感染とギ
ラン・バレー症候群の発症率上昇との関連も示唆されている。ジカウイルス感染症はネッタイシマカが生息
しているその他の地域でも確認され,また流行地域からの旅行者にも感染が確認され、ジカウイルス感染
症の経路として性感染も確認されている。80%が不顕性感染で、無症候でも 1010 コピー/mL と高値のウイル
ス血症となる。米国でのアウトブレイク時は FDA のガイドラインに従い献血ドナーの NAT screening が実施
された。流行地域での試験的 NAT における、献血ドナーのプール NAT の陽性率は 1%程度と高いが、輸
血での感染事例は報告されているものの数は少ない。ZIKV についても国際標準品と同様に作製された国
内参照品の整備の有用性は高いため,ZIKAV の参照品を整備した。
研究方法および結果
CHIKV 国内参照品の作製
CHIKV は遺伝子型が Asian、East/Central/South Africa (ECSA)、West Africa、Indian Ocean lineages
の 4 つの型あるが、日本での海外輸入例の多くは ECSA であることから、国立感染症研究所ウイルス 1
部 ECSA 型ウイルス 3 株(CHIKV SL11131、CHIKV Mal 09-02、CHIKV DOM14.73)の分与を受けた。国
際標準品と同様の方法で、酸処理 15 分および 60℃ 1 時間の加熱処理によりウイルスを不活化し、血漿
由来ベースマトリックス(市販品)で希釈し 400 本ずつ参照品を作製した。これらの不活化処理により
核酸量に影響がないことを予め確認した(図 1-1)。
ZIKV 国内参照品の作製
ZIKV は遺伝子型が Asia と Africa の 2 つの型種類あるが、最も代表的で世界で用いられている
Asian/American 型の PRVABC599 株ウイルスを、国立感染症研究所ウイルス 1 部から分与を受けた。
国際標準品と同様の方法で、酸処理 15 分および 60℃ 1 時間の加熱処理によりウイルスを不活化し、ア
ミコン(ミリポア社)による限外ろ過で溶媒を培養メディウムに置換したものを血漿ベースマトリックス
(市販品)で希釈し 400 本ずつ参照品を作製した。これらの不活化処理により核酸量に影響がないこと
を予め確認した(図 1-2)
。
値付けのための共同測定
日本赤十字社、および国立感染症研究所を含む 4 施設において、定性法 4 施設、定量用 2 施設で共同
測定を実施した。国立感染症研究所は国立感染症研究所病原体検出マニュアルに従って測定を実施し
た。1 施設は自社製品を、残り 2 施設は in-house 法によるリアルタイム RT-PCR 法により測定した。CHIKV
は国内参照品 3 種類(CHIKV SL11131、CHIKV Mal 09-02、CHIKV DOM14.73)と CHIKV 国際標準品
(PEI code11785/16)の合計 4 種類、ZIKV は国内参照品(ZIKV PRVABC599)と ZIKV 国際標準品(PEI
code11168/16)の合計 2 種類の検体を並行して測定した。定性法では、はじめに予備試験を実施して希釈
用血漿マトリックスで 10-1 から 10-7 希釈 10 倍段階希釈した各検体から RNA をそれぞれ抽出後、リアルタイ
ム RT-PCR で検出されるエンドポイントを定め、本試験ではエンドポイントの両側にハーフロブで2点ずつ、
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