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資料2「国民が受ける医療の質の向上のための医療機器の研究開発及び普及の促進に関する基本計画」改定案 (11 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25297.html
出典情報 国民が受ける医療の質の向上のための医療機器の研究開発及び普及の促進に関する検討会(第2回 4/19)《厚生労働省》
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観点から事業化に足るニーズを目利きすることが研究開発を行う上で最も重要と
なる。そのため、前述した医療機器の研究開発に必要な能力の中で最も重要と考え
られるのが、
「臨床ニーズを深く掘り下げ、応用可能な技術の要件を定める能力」
と「出口戦略を策定し、計画全体を立案・管理する能力」である。


当該能力は、臨床医療に関する専門的な知識を習得した上で、医療機器の研究開発
に携わった実際の経験を通じて培われる能力であると考えられる。米国のように
多数のベンチャー企業が立ち上がり、人材の流動性も高い中であれば、多くの人材
で一定のチャレンジングな医療機器の研究開発の経験が蓄積され得る。しかし、米
国と比較すると、日本では当該経験を積む機会が少なく、また、戦略的に当該能力
を成長させるための教育の場もまだ整備の過程にある。そのような状況から、日本
では「臨床ニーズを深く掘り下げ、応用可能な技術の要件を定める能力」と「出口
戦略を策定し、計画全体を立案・管理する能力」を有する人材が特に不足しており、
臨床ニーズを十分にくみ取れていない、臨床のニーズはくみ取れたが収益性に乏
しい医療機器が研究開発されてしまう例が少なからず存在していると考えられる。



そのため、日本における医療機器の研究開発の促進においては、
「臨床ニーズを深
く掘り下げ、応用可能な技術の要件を定める能力」と「出口戦略を策定し、計画全
体を立案・管理する能力」を有する人材の育成・確保が特に大きな課題である。



なお、昨今 SaMD が話題になっているが、当該カテゴリーをはじめとして AI を用
いた医療機器の研究開発が世界的に更に進展することが予想される。当該分野に
おける我が国の国際競争力を強化するために、当該分野に関する技術的な知見を
有した人材の育成・確保も今後は重要となる。



また、上記の人材育成に加えて、人材間のネットワークを構築し、医療機器の研究
開発に必要な情報の提供や研究開発への参画といった形で、相互に能力を補完し
合える環境を構築することも、医療機器の研究開発の促進においては重要である。
しかし、個人が一生を通じて渡り歩く組織の数が少ない日本の文化の中では、若い
時から社内・社外を問わず異なる専門性を持った人材のネットワークを広げる機
会が少なく、当該機会の創出も課題の一つである。

○ 総合的かつ計画的に実施すべき施策
<医療機器の研究開発に積極的に携わる医師をはじめとする医療従事者の育成>


真に臨床現場で必要とされる医療機器を創出するためには、臨床現場のニーズに
応じて医療機器の研究開発が行われることが必要である。医師をはじめとする医
療従事者や関係学会の医療機器の研究開発への理解を促進し、医師をはじめとす
る医療従事者が積極的に臨床現場のニーズを提案し、企業とともに研究開発に取
り組む環境を整備するため、臨床分野の関係学会等が中心となって医療機器の研
究開発に携わる若手の医療従事者の育成に取り組む。[◎厚]
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