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【資料1】 これまでの意見及び論点案について (17 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_28536.html
出典情報 医薬品の迅速・安定供給実現に向けた総合対策に関する有識者検討会(第3回 10/12)《厚生労働省》
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革新的な医薬品の迅速な導入について

①薬価制度を起因とした課題

主な意見等
1.企業の予見性を確保することが困難な制度
① 特許期間中であっても薬価が維持されない制度

欧米主要国において、特許期間中の新薬の薬価を定期的、強制的に引き下げる仕組みがルール化されている国はない。諸外国と
比べて特許期間中にもかかわらず新薬の薬価が早期に下落していく状況は、市場の魅力度の観点から他国に見劣りし、開発にお
ける日本の優先順位にも悪影響を与えている。


新薬創出加算の要件が厳しくなり、新薬特許期間中の薬価が維持できないにもかかわらず、特許失効後は後発品への置き換えが
進められる結果、研究開発投資を十分に回収できない状況になりつつある。




市場拡大再算定による薬価の大幅な引き下げ
新薬創出等加算の対象品目であっても、市場拡大再算定の対象品目となれば、大幅な薬価の引き下げを受けることがある。現行
ルールでは、効能追加が再算定を引き起こす要因となることから、効能追加への投資判断を困難にしている。また、再算定対象
品目の類似薬も道連れとなる仕組みがあるが、これは不合理であり、予見性も欠いている。



製品数としては限られた非常に画期的な製品だけで多くの薬剤費削減を行うことは、イノベーションを評価するという趣旨に照
らして正しいのかどうか疑念がある。一方で、新しいマーケットを生み出す効能追加や用法用量追加などによる再算定はあって
も良いのではないか。

③ 不透明かつ複雑な薬価算定ルールや頻回のルール変更が制度を不確実にしており、経営や投資計画が立てられないのではないか。
2.欧米に比べ低い薬価が算定される可能性がある制度

新医薬品の新規収載時の薬価算定における課題は、場合によっては欧米主要国と比較して著しく低い薬価となることである。日
本の薬価が低くなることが想定される場合には、中国など他市場への影響を避けるために上市の遅延、あるいは中止が海外本社
において議論されるケースも多くなってきている。


医薬品開発において水平分業が進む中、現在の原価計算方式による価格算定は、コストの算出が難しいことや、開発リスクによ
る負担が原価の中で評価されないことなどから、適切にイノベーションが評価されているとは言いがたく、より多様な価値を評
価する算定方式が必要ではないか。
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