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資料1-2 学会からの要望書【No.2021-2】 (15 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_29581.html
出典情報 医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討会(第34回 12/6)《厚生労働省》
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(別添様式1)

が国で急性肺塞栓症の治療に保険適用があるのは,遺伝子組換え組織プラスミノ
ーゲンアクチベータ(tissue plasminogen activator; t-PA)であるモンテプラー
ゼだけである。
血栓溶解療法は迅速な血栓溶解作用や血行動態改善効果には明らかに優れるもの
の、いずれの RCT においても予後改善効果は認められていない。
最近のメタ解析でも、有意差はないものの血栓溶解療法は死亡率を改善し肺血栓
塞栓症の再発を防ぐが、出血性合併症も多くなる傾向を示している。
重症例においても抗凝固療法のみで十分であるか否かについて、意見の集約をみ
ていない。
近年、予後に関与する因子であるとして、急性肺血栓塞栓症の発症時の右心機能
不全の有無が重要視されている。
血行動態が安定した右心機能不全の肺血栓塞栓症に対する血栓溶解療法はルーチ
ンに行わず、出血リスクが低い若年者や、抗凝固療法を開始するも循環動態が悪
化する徴候がみられる場合に考慮するのが妥当と考えられている。
血栓溶解療法の最大の合併症は出血である。14%に重症出血が認められた報告もあ
る。
② カテーテル治療
本治療の適応は、急性広範型肺血栓塞栓症のうち、さまざまな内科的治療を行ったに
もかかわらず、不安定な血行動態が持続する患者である。
1) カテーテル的血栓溶解療法
カテーテル的血栓溶解療法は血栓溶解療法の成績を向上させ、出血性副作用の発
現を抑える目的で施行された。しかしながら、多施設 RCT によれば、肺動脈内へ
の rt-PA 投与による治療効果について、末梢静脈投与群との有意差はみられなか
った。単にカテーテルを肺動脈に誘導し血栓溶解薬を局所投与する方法は現在で
は否定的で、パルス・スプレー法などの併用の工夫が不可欠である。
2) カテーテル的血栓除去術
血栓溶解療法以外のカテーテル治療は、血栓吸引術、血栓破砕術、流体力学的血
栓除去術の 3 つに分けるのが一般的で、これらのほとんどが血栓溶解療法を併用
している。本邦の臨床成果は外科的血栓摘除術に匹敵することが示唆されている。
血栓吸引術
本邦では、ガイディングカテーテルを用いた血栓吸引療法に関するまとまった
報告がみられている。具体的には、カテーテルを直接血栓内に楔入させ、手元
のディスポーザブル注射器にて陰圧をかけたままカテーテルを体外に取り出
す。
血栓破砕術
ピッグテイル・カテーテルを回転させることにより塊状血栓を破砕し、末梢に
離散させる方法と、バルーン・カテーテルにより塊状血栓を押しつぶす方法が
用いられている。手技に伴う遠位塞栓に対しては、ガイディングカテーテルや
特殊なデバイスを用いた血栓吸引術を追加するハイブリッド治療が提唱されて
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